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サウジ記者殺害:「ファクトチェック」装い虚偽情報拡散

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サウジアラビア人記者ジャマル・カショギ氏がトルコのサウジ総領事館で殺害された事件をめぐり、様々な虚偽情報がネットに拡散している。

カショギ氏と婚約者の写真が「偽造」だとする「ファクトチェック」を装った虚偽情報を拡散。さらに、それを元米大統領補佐官のアカウントがツイートしている事例もある。

また、偽のニュースサイトに掲載された"記事"をロイター通信が報じ、撤回する一幕もあった。

情報戦の激化が、いよいよ事実を見えにくくしている。

●「ファクトチェック」の中身

ヘラルド・リポート」というサイトが10月17日、「偽婚約者の見分け方:カショギ事件」と題した投稿を公開した。

この中で、カショギ氏と婚約者ハティジェ・ジェンギズ氏が写っている写真を拡大してみると不自然な点があり、「捏造だ」と主張。さらにジェンギズ氏が婚約者だとの報道も疑わしい点があるとして、「ジェンギズ氏はプロパガンダのツールだ」などとしている。

筆者は、「ミドルイースト・ガーディアンズ編集長」というマジェド・アレイサ氏。

当初はこの「ミドルイースト・ガーディアンズ」名のツイッターアカウントで発信していたようだが、「我々の徹底した調査のために、ツイッターからアカウント停止をされた」としている。

ウェブ解析サービス「バズスモー」によると、この投稿には5000件を超すエンゲージメントがあるが、その大半は一つのツイートが集めている。

「へラルド・リポート」の記事公開から1時間ほどで、それをツイートしたのが、ジョージ・W・ブッシュ政権で国土安全保障担当の大統領補佐官を務めたフランシス・タウンゼント氏のツイッターアカウントだった。

タウンゼント氏のツイートは、3800件以上リツイートされている。

●「ファクトチェック」のファクトチェック

バズフィードのイシュマエル・ダロ氏が「ミドルイースト・ガーディアンズ」の主張を検証している。

ダロ氏は画像検証の専門家の見解を紹介。「ミドルイースト・ガーディアンズ」が写真に不自然な点がある、としているのは、7000%と極端に拡大した状態で見ているからだと指摘し、「偽造の証拠ではない」としている。

ダロ氏は「ミドルイースト・ガーディアンズ編集長」のアレイサ氏にも連絡をとり、説明を求めている。

これに対し、「偽造」の主張から「広い議論を期待しているだけだ」と後退していった、という。

バズフィードの記事が掲載されたのが10月12日。その5日後に「ツイッターアカウントは停止された」として、今度は「ヘラルド・リポート」に発表の場を移し、なお虚偽情報を発信し続けているようだ。

●ロイター通信の記事撤回

ロイターは17日、「サウジの在イスタンブール領事解任、捜査対象に:報道」として、サウジのネットニュースを引用する形で配信。だが後に、「そのような記事は掲載されていなかった」として撤回した

実在のサイトを模した偽サイトの記事を引用してしまったようだ。

フィイナンシャル・タイムズのアフメド・アル・オムラン氏が、ツイッターで、偽サイトの画像とともに紹介している。

ロイターは撤回した記事で、「SABQが報じた公式声明によると」と報じていた。

「SABQ」はサウジの実在するニュースサイト。だが、ロイターが参照したのは「SABQ」を模した偽サイトだったようだ。

ロイターは記事撤回から2週間後の11月1日、「フェイクニュース・ネットワークとボット:カショギ氏殺害事件をめぐるネット情報戦」と題した記事を公開した。

記事の中で、ニュースサイトの体裁をとる53もの偽サイトのネットワークが存在し、カショギ氏殺害事件をめぐる虚偽情報を拡散していると指摘する。

そして、「SABQ」がロイターなどのメディアが事件をサウジ政府攻撃に使っていると批判していることや、「SABQ」を騙ったフェイクニュースが流されていることなどを明らかにしている。

●「ファクトチェック」の偽サイト、ほかにも

メディアサイト「ポインター」が一連の動きをまとめている。

今回の事件は、関係国による情報戦の側面も強く、事件現場となったサウジ領事館の外で待っていたカショギ氏の婚約者について、「偽物」とする虚偽情報がネットで多数出回っている、と「ポインター」は紹介している。

筆者はダニエル・ファンケ氏とアレクシオス・マンザリス氏。「ポインター」はファクトチェックの国際連携機関「IFCN」の事務局、マンザリス氏はその事務局長を務めている。

さらにこの中で、「ファクトチェック」の偽サイトの動きはこれまでにもあった、と指摘。

その実例として、「ファクトチェック」をパロディー化したような「ノー・フェイクニュース・オンライン」や、実在するスウェーデンのファクトチェックサイト「ファクティスト」の偽サイトなどをあげている。

特に、選挙などで候補者に対する批判への反論の形で「ファクトチェック」のワーディングを使うケースも見られ、米国のほか、クロアチア、イタリア、イランなどでも、同様の動きがあるという。

「フェイクニュース」は、トランプ大統領がメディア攻撃に使うことで、言葉の意味が混乱していった。

「ファクトチェック」もまた、同様の危険性を抱えているようだ。

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■新刊『信じてはいけない 民主主義を壊すフェイクニュースの正体』(朝日新書)

(2018年11月4日「新聞紙学的」より転載)


「ビジネス環境の現状」:ビジネス環境改善に向けた改革が 世界全体で過去最高に

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各国政府がこの1年間で、官僚主義を改め国内の民間セクターの参加を促すために過去最高の314件のビジネス改革を実施したと指摘。

世界銀行グループは、2日発表した報告書「ビジネス環境の現状2019:改革を支える研修(Doing Business 2019: Training for Reform)」の中で、各国政府がこの1年間で、官僚主義を改め国内の民間セクターの参加を促すために過去最高の314件のビジネス改革を実施したと指摘する。

これらの改革は128カ国・地域で実施されたもので、雇用創出や民間投資の促進を通じて中小企業と起業家に恩恵をもたらしている。今年の改革件数は、これまでの最多記録である2年前の290件を上回った。

報告書は、改革は、特に必要があるとされる低所得や低位中所得国・地域で多く実施されており、その数は172件に上ったと指摘する。サブサハラ・アフリカ地域では、過去最多の40カ国が3年連続で記録更新となる107件の改革を実施した。中東・北アフリカ地域も、43件と過去最多を記録した。

「事業設立」の指標は引き続き改善が最も多く、改革件数は50件に上った。「契約執行」と「電力事情」もそれぞれ49件、26件と、記録的な数の改革が進められた。

世界銀行グループが毎年行う、企業の設立・経営を容易にするビジネス環境を対象とした年間総合ランキングでは、ニュージーランド、シンガポール、デンマークがそれぞれ2年連続で1位、2位、3位を占め、香港特別行政区、韓国、ジョージア、ノルウェー、米国、英国とマケドニア旧ユーゴスラビア共和国が続いた。

今年の上位20カ国・地域に見られる特筆すべきランキングの変動としては、アラブ首長国連邦(UAE)が11位と初めて20位以内にランクインしたほか、マレーシア(15位)とモーリシャスが(20位)が、それぞれ20位以内に返り咲いた。この1年間で、マレーシアは6件、モーリシャスは5件、アラブ首長国連邦は4件の改革を実施している。モーリシャスは、改革の一環として、事業設立の際の男女平等を達成するため、性別に基づく制約を撤廃した。

改革により最も改善が見られた今年の上位10カ国は、アフガニスタン、ジブチ、中国、アゼルバイジャン、インド、トーゴ、ケニア、コートジボワール、トルコ、ルワンダである。ジブチとインドはいずれも6件の改革を実施し、最も改善が見られた上位10カ国に2年連続でランクインした。アフガニスタンとトルコは、年間件数としては過去最多の5件と7件の改革をそれぞれ実施し、最も改善が見られた上位10カ国に初のランク入りとなった。

今回の「ビジネス環境の現状」最新版では、公務員や事業・不動産登記の利用者に提供される研修についてのデータを収集し分析している。ケーススタディとして、対象となる職員に必修研修と年次研修を実施した結果、事業登記と不動産登記の効率化が確認された事例が紹介されている。別のケーススタディは、税関職員と税関仲介業者に対する定期的な研修の結果、通関と書類審査の所要時間が短縮され、国際貿易が容易になったと指摘する。この他、電気技術者の資格認定と裁判官の研修を取り上げた2件のケーススタディが紹介されている。

「ビジネス環境の現状」が2003年に発行されて以来、モニタリング対象190カ国・地域の内、186カ国・地域において3,500件以上のビジネス改革が実施されてきた。

地域別でみると、東アジア・大洋州地域では、総合ランキング上位10カ国・地域にシンガポールと香港特別行政区が入った。加えて、中国は今年、最も改善が見られた上位10カ国・地域にランクインしており、世界ランキングも30位以上上がり46位につけた。地域全体では、この1年間で合計43件の改革が実施され、特に「事業設立」と「電力事情」の分野で大きな改善が見られた。

ヨーロッパ・中央アジア地域でも、今年の上位10カ国・地域に、ジョージア(昨年の9位から6位に上昇)、マケドニア旧ユーゴスラビア共和国(一つ上がって10位)の2カ国が入った。また、アゼルバイジャンとトルコの2カ国が、最も改善が見られた上位10カ国・地域に入った。同地域では改革が加速し、この1年間に昨年の43件(改訂値)を大きく上回る54件の改革が実施された。また、「ビジネス環境の現状」の全対象分野で改革が実施されたが、その内の多くが建設許可と国際貿易の規制緩和に重点を置くものであった。

ラテンアメリカ・カリブ海地域では、過去1年間に合計25件の改革が実施された。中でもブラジルは、4件の改革により改善を最も前進させた。域内の改革の大半は、担保取引における借入人と貸手の法的権利保護、及び事業設立の手続き改善を目的とするものであった。

中東・北アフリカ地域では、過去1年間に改革が大きく加速し、昨年の29件を上回る43件の改革が実施された。今年は、総合ランキング上位20カ国・地域にアラブ首長国連邦が初のランクインで11位に、最も改善が見られた上位10カ国・地域にジブチがそれぞれ入った。ただし、同地域は、14カ国・地域で女性起業家への制約があるなど、ジェンダー関連の分野でなおも後れを取っている。

南アジア地域では、最も改善が見られた上位10カ国・地域に初めて2カ国がランクインした。改革アジェンダに継続的に取り組んできたインドは、この1年間に6件の改革を実施した結果、総合ランキングを23位上げて77位につけ、今や域内で最高位のランキングとなっている。アフガニスタンは5件の改革を実施し、総合ランキングを16位上げて167位となった。地域全体ではこの1年間に合計19件の改革が実施され、その多くが事業設立、金融アクセス、納税と破綻処理制度の向上に重点を置くものであった。

サブサハラ・アフリカ地域は、この1年間に、昨年の83件を上回る107件の改革を実施し、3年連続で記録を更新した。また、今年は域内48カ国の中で、最低でも1件の改革を実施した国の数が、2年前の過去最多である37カ国を上回る40カ国となった。同地域からは、最も改善が見られた上位10カ国に、トーゴ、ケニア、コートジボワール、ルワンダの4カ国がランクインした。域内の改革は多岐にわたるが、その多くが不動産登記と破綻処理制度に関する規制緩和を目指すものであった。

ニュージーランド、シンガポール、デンマークがそれぞれ2年連続で1位、2位、3位を占め、香港特別行政区、韓国、ジョージア、ノルウェー、米国、英国とマケドニア旧ユーゴスラビア共和国が続いた。

プレスリリース全文

報告書全文および関連データ(英語)

「なんで障害者がラブホを使うねん?」重度障害者の大橋グレースはどう答えた?

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「車いすで生活していて、コンドームを欠かさずカバンに持っている女性がいるらしいよ」。

セックスをテーマに、様々な人を取材していた私にそんな話が舞い込んできた。

女性がコンドームを持ち歩く姿って、「セックス・アンド・ザ・シティ」くらいでしか見たことがない。しかも、車いす生活の女性が? 会ってみたくなった。

この女性は、大橋グレースさん。NHKのEテレが放送する障害者をテーマにしたバラエティ番組・情報番組「バリバラ」にも出演している。

大橋グレースさん

多発性硬化症という病を抱えており、肩から下はほとんど動かず、感覚もない。重度障害者である。しかし、障害を持っていることを感じさせないほど、仕事も恋愛も活発にこなしている。彼女のことを調べれば調べるほど、会いたい気持ちは募った。早速コンタクトをとってみた。

すると、早速返事がきて、この1文が添えられていた。

「『性』に女性がオープンになること、それが、女性社会進出にとって鍵になるという考えですので、私としては、喜んでインタビューお受けいたします!」

彼女は常日頃性の問題について、自身の実体験を交えながら赤裸々に語る。等身大でオープンになれるのはどうしてなのか。その理由が知りたくて、大阪に住む大橋さんを訪ねた。 大橋さんはヘルパーの介助を受けながら、アパートで一人暮らしをしている。大橋さんはベッドに座りながら、笑顔で語り始めた。

大橋グレースさん

障害者とラブホテル

埼玉県にあるリハビリセンターで付き合った彼氏とのことです。彼は交通事故にあって「脊髄損傷」になってしまい、同じ車いす生活でした。そして施設の中は、男女の部屋がきっちり別れており、異性が入ることは禁止されていました。基本的に恋愛は禁止だったんです。

そういう施設にいたからこそ、誰にも会わないでこっそり2人っきりになれる場所を探す執着心が強かったのです。ただ、当時車いすの人が入れるラブホがほとんどありませんでした。車いすの人が使うわけないだろうって思われていたんだと思います。そもそもなんで、障害者がラブホを使うねんって...。だから、私たちは毎週のように2人が安心できるホテルを探していたのです。

片方が健常者であれば、ちょっとした段差でも持ち上げてもらえますが、2人とも車いすの場合は、1段でもあればなかなか進めません。エレベーターも狭すぎると、それぞれで乗らなくてはいけなくなります。場所を探すだけで、かなり大変だったんです。最終的に段差が極力少ないシティホテルを見つけることができました。

彼とのセックスは、なかなかうまくいかなかったんですが、私はベッドでただ一緒にいる空間が幸せだなって感じました。するとそもそもセックスってなに?と思うようになりました。

障害者は、健常者と全く同じようにセックスができない場合もあるので、お互いのことを思うんですよね。 「どうやったらできるやろうか」みたいな...。その中で挿入にこだわらないときもあります。

でも、相手のことを思う時間がすごくあるから、そっちの方がよっぽど素敵に愛し合っているなって私は思っています。形だけのセックスよりかはよっぽど相手のことを思っている時間の方がすごいロマンチックな時間じゃないかな、って。それができるのも、ある意味それを考えなきゃいけないっていうのも障害者の特権かもしれません。

簡単じゃないからこそ、できた時の喜びだったり、考えて考えてやった時の2人の達成感だったりが、その過程も含めてセックスになるから、形以上のセックスができるっていうふうに私は思っています。

大橋グレースさんの車いす

月に一回のHIV検査、オリンピック選手の知られざる性教育

大橋さんは、多発性硬化症を発症する前は、北京オリンピックのアメリカ代表選手候補に選ばれていたくらい優秀な柔道選手だった。そして、現在の彼女の性に対してオープンな姿勢は、18歳のときに通っていたオリンピックトレーニングセンターで培われたと言います。


オリンピックトレーニングセンターは、性教育がすごいんですよ。「選手や皆さん、ゴムをつけましょう」って毎日配られます。常に持ち歩きましょう、みたいな。選手といえども襲われる可能性がある。襲われて万が一妊娠したら、もうオリンピックの選手にはなれないから、持ってなさいと言われていました。 そのくせで今もコンドームは持ち歩いています。

それから、セックスをエンジョイするのはむしろ良いことだと。何しに行ってんねんっていう。17歳くらいの時に最初に習ったのはそれで、女性の場合はリラックスできるから、試合前とか緊張しすぎないように(セックスを)した方が良いよっていうのを教えてくれました。

HIV検査は、毎月1回受けていました。性病検査もあります。低用量ピルは、生理不順を予防するために処方されていました。

日本では、セックスはタブー視されていますけど、アメリカではするのが前提で、さまざまな対策がとられていました。

Condom ready to use in young man hand, give condom safe sex concept on the bed Prevent infection and Contraceptives control the birth rate or safe prophylactic. World AIDS Day, Leave space for text.

女性として、障害者として

女性が性についてしゃべることは汚らしいとか、えぐいとかってよく言われるんですけど、それはただ単に、そもそも人間として見られないってことが大きいんだと思うんですね。

その上、障害者が性の話をすることにも違和感を持たれてしまう。健常者同士が恋愛の話をしていたらまだ、ワイドショー的な感じで受け止められるんでしょうが、「障害者」ってなった途端に想像してなかったことが起きた、という感じになる。

結構、コメントで書かれるのがえぐいとか気持ち悪いとか。で、もっと言うと、そうした言葉の裏には税金かかってるのにとか、何セックスしてんねんみたいな。別に全然関係ないやん、みたいなってところなんですけど。そこまで言われたり、叩かれたりするんですね。不倫報道があった乙武さんは男の人でしたが、もし女性だったら、どうなってたんかなって思うことはあります。

障害者は健常者と同じように愛し合うし、恋愛もそのその対象もこっちは誰でもいい訳じゃなくて好きな人と付き合いたいし、その時々によって、やりたい日もあればやりたくない日もあるし、愛っていうのも自分の中の価値観だし、それも障害者それぞれで違うだろうし、っていうところがまだ伝わっていないかもしれません。

それを破るには丁寧に説明していかなくてはいけない部分と、丁寧をやっていたら時間かかるからバン!ってバリアを破るしかないない部分もあります。

女性としてはそこは丁寧に説明していかないと逆に反発をくらうことになると思っています。反発って拒否なんで、聞きたくありません、受け入れません、という意思表示。それをされるのが一番きついかなって思います。性をオープンに話すけど丁寧に話さないといけないかなっていうふうには思っているところです。

大橋グレースさんのインタビュー

佐々木希、「魔女宅」キキのコスプレが尊すぎる

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佐々木希

ゴミ問題や痴漢、暴動などが起きた「渋谷ハロウィン」が大きな問題になった2018年のハロウィン。InstagramやTwitterなどSNSでは、例年通り、多くの芸能人が渾身のコスプレ姿を披露しました。

9月に第一子を出産したモデル・女優の佐々木希さんは、『魔女の宅急便』の主人公・キキのコスプレを公開。

貴重すぎるコスプレ姿をご覧ください。↓

...!!!!!!

佐々木希さんのInstagramより

尊すぎる...!!!!!!!!!

佐々木希さんのInstagramより

普段から親交の深い女優の大政絢さんら、仲良しの友人たちとハロウィーン・パーティーを楽しんだ模様。

破壊力満点の写真に、「なぜそんなにかわいいんだ」「みんなでキキのコスプレ可愛い」などのコメントが相次ぎました。

「コスプレ・パーティー」として独自に発展した日本のハロウィン

ハロウィンは元来、秋の収穫を祝い、悪霊などを追い出す宗教的な行事からきています。

アメリカなどでは、子どもが魔女やお化けに仮装して近所を回り、お菓子をもらう風習が一般的ですが、日本では数年前からコスプレパーティーとしての市民権を得るようになりました。

しかし、近年は暴動や痴漢などのトラブルが問題視される事態に。

"無法地帯"と化した渋谷区では軽トラが引っくり返され、痴漢などの逮捕者も続出。長谷部誠区長が、「これだけ街を荒らされたのが現実ですから、それに対しての対応をしっかりと進めなければ」と来年に向けて対策を講じることを約束しました。

日本で独自に発展したハロウィンには、そもそも"楽しい"一面があったはず...。2019年は、モラルやマナー意識をしっかり持ち、節度のある健全なハロウィンを楽しみたいですね。🎃

高齢化に備える 〜 介護領域の2つの道

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takayama

高齢化の背景には、2つの要因があります。それは、高齢者の数が増加するって要因と若者の数が減少するって要因ですね。その両方が来る地域がほとんどですが、もはや高齢者の数は増えないけど、明らかに若者が減ってくという地域もありますね。どちらの要因もないって地域は日本にはありません。

高齢者の定義(年齢)を変えるという荒業が残されています。これ数字上のトリックですが、社会保障給付費のうち年金は変えられるでしょう。そして、就労者人口も増やせるし、保険料収入も増えるかもしれません。ただし、要介護者数は変わりません。就労による介護予防効果は一時的にあるかもしれませんが、結局のところ、皆さん要介護になっていきます。つまり、定義を変えたとしても、介護需要は変わらないということです。

さて、高齢者(要介護者)の数が増えても、(上述の定義を変えるなどして)若者の数が維持されるなら、介護のマンパワーを確保できる可能性があります(沖縄あたりがギリギリのラインでしょう)。でも、ほとんどの地域では、いずれにせよ若者不足に悩まされることになります。

何とかしなければなりませんね。介護って生存に関わる問題ですから、ダメでした・・・ は許されません。で、このマンパワーを確保するために、私たちの前には2つの道があります。

ひとつは、外国人労働者を受け入れるというもの。まさにいま、出入国管理法の改正が国会で議論が始まっています。いろんな付帯条件がありますが、いずれにせよ、制度的に整ってきました。あとは私たちがそれを選択するかどうか、ということだと思います。どうしますか?

まあ、実のところ、沖縄県でも外国人の介護労働者の受け入れが始まっています。ただ、いまのところ、若干、後ろめたそうにやってますね。施設のイメージが低下するんじゃないかと・・・。先進的な取り組みなはずなんですが・・・、もっと行政が(その先進性を認めるような)サポートすべきでしょう。

もうひとつは、AIとロボットの融合により、介護イノベーションを達成するというもの。だいたいにおいて、人類というのは、生存に行き詰まると「革命」を起こして切り抜けるという特性があります。火を手に入れたのも、農業をはじめたのも、産業革命もそうでした。その革命への感度のよさというか、柔軟な姿勢を持つことも、いま、私たちが地域包括ケアシステムにおいて中長期的に生き残るうえでは忘れてはならないことだと思っています。

このどちらかです。どちらもイヤ・・・ はありません。既得権を握っている日本の高齢者たちが、若者を生み育てる世代を大切にせず、あろうことか自分たちの老後にかかるコストを(世代的には莫大な貯蓄があるにもかかわらず)若い世代へのツケ払いにしたんだから当然のことです。今後、他のアイデアがでてくるかもしれませんが、いまのところ、外国人かロボットしかないので受け入れましょう。

まあ、個人的には、ボーペンニャンなラオス人に見守ってもらいながら、ロボット制御のパラメータを自分好みに(AIのアドバイスを無視して)調整できるってのは、そんなに悪くない老後だと思ってますが・・・。

セーシェル、世界初のソブリン・ブルー・ボンドを発行 持続可能な海洋・漁業プロジェクトを支援

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ブルー・ボンドにより調達された資金は、海洋保護区域の拡大、漁業権優先割当てにおけるガバナンスの改善、及びセーシェルのブルー・エコノミーの開発支援のために、2つのファンド(ブルー・グラント・ファンド及びブルー・インベストメント・ファンド)を通じたグラントと融資の形で提供される。

セーシェル共和国が、持続可能な海洋・漁業プロジェクトの支援を目的とする画期的な金融商品、ソブリン・ブルー・ボンドを世界で初めて発行した。

今回のブルー・ボンドは、世界中の投資家から1,500万ドルを集め、海洋資源の持続可能な活用のために資本市場から資金調達が可能であることを証明した。世界銀行は今回のブルー・ボンドの組成に加え、カルバート・インパクト・キャピタル、ヌビーン、プルデンシャルの3機関投資家への働きかけを支援した。

「このような画期的な金融商品を世界に先駆けて発行できたことを大変光栄に思います。ブルー・ボンドは、地元コミュニティと企業に権限をもたらすための資金を、官民両方の投資を組み合わせて調達するというイニシアティブです。これにより、持続可能な漁業への転換を果たし、海洋資源を保護しながら同時に持続可能な形でブルー・エコノミーを実現するという我が国の取組みに大きな弾みがつきます。」と、セーシェル共和国のヴィンセント・メリトン副大統領は、バリで開催された「アワオーシャン会合」の場でブルー・ボンドの発行を発表した際に述べた。

ブルー・ボンドにより調達された資金は、海洋保護区域の拡大、漁業権優先割当てにおけるガバナンスの改善、及びセーシェルのブルー・エコノミーの開発支援のために、2つのファンド(ブルー・グラント・ファンド及びブルー・インベストメント・ファンド)を通じたグラントと融資の形で提供される。両ファンドは、セーシェル保全・気候変動適応トラスト(SeyCCAT)、セーシェル開発銀行(DBS)がそれぞれ管理を行っている。

「世界銀行は、今回のソブリン・ブルー・ボンド発行に関わることができ大変嬉しく思います。このブルー・ボンドが、他の開発途上小島嶼国や沿岸国にとっても良い参考事例となると確信しています。今回のブルー・ボンド発行は、次世代に引き継ぐ海洋資源の持続可能な管理と開発の支援に対し、投資家の関心が高まっていることの明確な証と言えるでしょう。」と、世界銀行のローラ・タック持続可能な開発担当副総裁は述べる。

セーシェルは花崗岩とサンゴでできた115の島々から成る環礁国で、総面積は455 km2に上り、約140万km2に及ぶ広大な排他的経済水域を有している。世界有数の生物多様性ホットスポットであり、経済の発展と天然資源保護の両立が課題となっている。

海洋資源はセーシェルの経済成長の根幹を成す。漁業セクターは観光セクターに次ぐ国の最重要産業として年間GDPに大きく貢献しており、国民の17%が漁業に従事し、水産加工品は国の輸出総額の約95%を占める。

「セーシェルによるブルー・ボンド発行は、地球環境ファシリティ(GEF)が長い間取り組んでいる海洋保全に向けた支援の中でも大きな節目となるものです。GEFは、豊かな海洋生態系を守りつつ、経済成長、生活の質向上、及び雇用創出を進める途上国のブルー・エコノミー実現に向けて投資を行うことが出来、喜ばしく思います。」と地球環境ファシリティ(GEF)の石井菜穂子CEO兼議長は述べている。

セーシェルのブルー・ボンドは、世界銀行(国際復興開発銀行)による500万ドルの元本保証の他、GEFからの譲許的融資500万ドルが利払いの一部支払いに充てられる予定である。ブルー・ボンドが調達した資金はまた、世界銀行の「南西インド洋漁業ガバナンス及び成長の共有プログラム」にも役立てられる。同プログラムは、対象地域の国々の漁業資源の持続可能な管理、ならびに漁業セクターのもたらす経済的恩恵の拡大を支援している。

財務、法務、環境、金融部門の専門家から成る世界銀行のチームは、投資家と協力してブルー・ボンドの仕組みを組成し、さらにセーシェル政府が債券発行による調達資金を配分するためのプラットフォーム立ち上げを支援した。ソブリン・ブルー・ボンドの着想は当初、「プリンス・オブ・ウェールズ・チャリティーズ・インターナショナル・サステナビリティ・ユニット」によるセーシェルへの支援の中で得られたものである。スタンダードチャータード銀行が債券の募集代理人を務め、レイサム&ワトキンスが社外弁護士として世界銀行に法的助言を提供した。トランザクション弁護士はクリフォードチャンスが務めた。

不安だらけの「入管法改正案」と新在留資格の創設

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金属加工工場で勤務するベトナム人技能実習生=9月3日、東京都大田区

11月2日、「出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案」が閣議決定されました。現時点で私は法案全文を入手できていませんが、骨子を見る限り不安材料が満載です。

既に過去の数々のブログで、昨今の日本における外国人・移民受入れ政策の問題点を指摘してきていますので、以下の過去のブログもぜひ併せてお読み頂きたいのですが、本ブログでは、私が今まで繰り返してきた主張のうち特に主要なものを、今回の入管法改正案骨子に添った形で今一度おさらいしたいと思います。

【関連する過去のブログ】

「移民政策はとらない」としつつ外国人受入れを拡大し続ける、という最悪の移民政策

「移民政策」に関する3つのウソ

農業分野での「外国人労働者」受け入れに5つの質問 

移民政策における「ジャパニーズ・ソルーション(日本型解決法)」?

日本は高度な能力を持つ移民にとって魅力的?

不安材料その1:受入れ企業・雇用主任せの受入れ態勢

今般閣議決定された法律案の骨子によると、外国人材受入れ後の種々の支援は「受入れ機関」または「受入れ機関から委託を受けた登録支援機関」が責任を持つことが想定されています。この受入れ機関とは端的に言えば受入れ企業であり、今般想定されている14業種(例えば介護、建設、造船、宿泊、農業、漁業、外食など)における雇用主です。そのような事業主・雇用主が「外国人に対する日常生活、職業生活、社会生活上の支援を実施する」となっているのですが、どれだけ現実的でしょう?

事業主・雇用主は慈善団体ではなく企業ですので、一義的にはどれだけ安く労働力を酷使し利益を最大化できるかに基づいて活動します。今までも外国人労働者の「社会保険の加入手続きを行っていない事業所等も存在する」ことは、日本政府自身が策定した「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」でも指摘されています。事業主・雇用主主導の受入れ態勢は、とりわけ労災などの際に外国人労働者に対する著しい人権侵害に繋がっていることは周知の通りです。

恐らく現政権としては「今般の外国人受入れ策は安価な労働力不足を訴えた企業側の要請に基づいたものなのだから、受入れ企業が従業員の面倒を見るべき」というロジックなのかもしれませんが、根本的に利益追求型の企業が、従業員となる外国人に対して「生活支援を施す」などというシナリオは、理想論としては美しいですが、実現性・実効性に乏しいと言わざるをえません。

また、骨子で示されている「企業から委託を受ける登録支援機関」が具体的にどのような団体を想定しているのか明らかではありませんが、例えばNPO法人や地域の国際交流協会等であれば、確かに一般企業や事業主よりはずっと外国人支援において造詣の深い団体は数多く存在します。しかし、それら「登録支援機関」の活動費はどこから賄われるのか、骨子からだけは明らかではありません。もし出資元が外国人を受入れる企業側であれば、当然費用をできるだけ安価に抑えようという強い圧力が働くでしょうし、中央政府ないしは地方自治体だとすると、どこの省庁・部局がどういう根拠に基づいてどのような予算額・費用項目を計上しているのか、既に来年度の予算折衝は実質的に終わっている時期ですが、興味のあるところです。

いずれにせよ、労働者の権利保障より利益追求が大前提となる受入れ企業が外国人労働者の生活支援の責任を持つというシナリオは、1990年以来の日本における外国人受入れの経験に基づくと、様々な問題を引き起こしそうだということは容易に想像がつきます。

不安材料その2:国境管理を管轄する法務省入管局が受入れ体制の司令塔となるという矛盾

次に気になるのが、今回の新たな外国人受入れ政策において、法務省が外国人受入れ環境整備の統合調整と司令塔になると想定されていることです(7月24日閣議決定「外国人の受入れ環境の整備に関する業務の基本方針について」)。確かに今回の閣議決定は「出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案」ですので、法務省入国管理局の出入国在留管理庁への格上げとその任務の規定が中心となるのは不思議ではありません。また過去5年間の外国人入国者数の加速度的増加や国境管理の重要性に基づき、入国管理局を出入国在留管理庁に格上げすること自体については、私は個人的に賛成です。

しかし、以前のブログでも述べた通り、法務省入管局は本来、外国人(移民)受入れ政策において「線」である国境管理・在留資格管理を専門とする部局であって、「面」である入国後の受入れ体制(つまり社会統合政策)についての責任や知見を有している部局ではありません。ここで言う「社会統合政策」とは具体的には、日本語教育、日本社会のルールや文化・社会制度に関する相談体制の整備、労働環境整備、住環境整備、医療保健福祉サービス、子どもの就学、年金や保険などの社会保障制度の整理などです。これらは国境管理の範疇を完全に超えており、日本では厚生労働省、文科省、総務省などが主管当局となってきている分野です。少なくとも歴史的には法務省入管局には殆ど経験も責任もない分野で、かつ他省庁が主管である分野において、司令塔として「統合調整機能」を負うのは、実務上様々な矛盾・軋轢・隙間が生まれることが懸念されます。

日本の今までの外国人受入れの経験(例えばインドシナ難民や日系ブラジル人・ペルー人等)および諸外国の失敗と好事例に基づけば、外国人受入れ体制は、内閣府内に司令塔となる「統合調整および実施機能」を備えた部局(例えば「移民庁」など)を置き、包括的な受入れ体制整備と司令塔としての実施機能に必要となる予算措置を講じるのが理想的です(例えばドイツで言うBAMF)。そうでなければ、内閣府部局はあくまでも統合調整機能のみとして、実働部隊となる厚生労働省、総務省、文科省、法務省、外務省などがそれぞれの管轄内で予算措置をとり、生活者としての外国人支援や受入れ促進を行っていくのも次善策として考えられるでしょう。今回閣議決定された法務省設置法一部改正案は、そのいずれでもない「いびつな構造」になっており、外国人受入れ体制だけでなく(以下で述べる理由から)日本社会全体に大きな禍根を残す結果になるのではないかと懸念します。

不安材料その3:後手後手スカスカに見える受入れ態勢

上で述べたことと関連して、今回の閣議決定からでは、日本への外国人受入れをスムースに進めるために絶対不可欠な「社会統合政策」がどのように進められるのか、完全に後手後手スカスカに見えることが不安材料その3です。社会統合政策とは、日本語教育の充実、相談体制の整備、医療・保健・福祉サービスの整備と提供、住環境の整備、子供の就学問題、労働環境整備、社会保障制度の整理、受入れ企業への支援・監督、語学・技術水準確認のための試験体制の設置などなど、列挙しきれないほどの項目があります。

これらの重要事項が既に政府内で討議され始めていることは、法務省の「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策(検討の方向性)」などから見て取れます。しかし、それら一つ一つの項目について、どの程度日本自身の外国人受入れの成功と失敗から学び考え抜けているのか、よくわかりません。これらは単に「外国人支援」という意味だけでなく、「日本社会の根幹と一体性を保持する」という観点から死活問題となる点を多々含んでいます。

例えば日本語能力。一体どのくらいの程度を「生活・就労に必要」と見なし、どの段階までに習得していれば良いとするのでしょう?日本語教育の費用は誰が持つのでしょう?既に以前のブログでも述べた通り、諸外国では語学能力と在留資格の付与・変更・更新をリンクさせている国が増えています。一部の西欧諸国では、自国民の配偶者として入国・在留しようとする外国人にでさえ、一定の語学能力の証明を義務付けている国さえあります。また、既に入国した外国人に600時間超の語学研修を無料で提供したり、費用の一部を外国人に負担させたり、語学試験に受かれば授業料全額無料としてみたり、諸外国でも外国人に自国語を学ばせようと試行錯誤しています。

これは、長年の外国人受入れにおける大失敗という苦い経験から諸外国が絞りだしてきた知恵でしょう。私自身、日本語で意思疎通のできない外国人が大量に日本に増えることは社会的軋轢を生む大きな不安定材料になると感じます。受け入れる地元の日本人住民も不安でしょうし、来日した外国人も自分達の権利や義務を守る上で日本語が分からなければ充実した社会生活を送ることは困難です。どこまでの日本語能力を外国人に求め、どこまでを受入れ側で負担するのか、中央政府なのか、自治体なのか、受入れ企業なのか、どの程度政府内で真剣な議論が行われているのでしょうか?

次に健康保険。「不安材料その1」で述べた通り、一部の受入れ企業では費用削減の観点から、外国人従業員の社会保険加入を渋る傾向があることが明らかになっています。また出身国での保険制度の不整備や日本の諸保険制度が複雑なことから、国民健康保険にも入っておらず高額医療費を払えなくなってしまった外国人も実際にいます。中には実質的にやむを得ない「医療費踏み倒し」に繋がってしまうケースも少数ながらあり、放置すれば大きな社会問題に発展するでしょう。

また日本社会としても、日本の公的健康保険制度は高齢者医療のための莫大な負担増から危機的状態にあり、より多くの外国人の若者が健康保険制度に加入してくれることは日本の危機を救うことになり、日本の国益に繋がります。この点、長年多くの外国人を受け入れていて社会保障制度が整備されている西欧諸国は様々な措置を講じています。例えばイギリスでは、本来は全額無料である国民健康保険(National Health Service)に年間150~200ポンドを前払いしないとビザが下りない仕組みになっています。この新制度には様々な批判もありますが、これも長年の失敗の経験を踏まえた苦肉の策でしょう。今後「特定技能1号・2号」で来日する外国人や受入れ企業にどのように医療保険制度加入を義務付けるのか、日本政府はどこまで考え抜けているのでしょうか?

そして年金。以前のブログでも述べた通り、日本の年金制度は完全に火だるま状態・破綻寸前状態にあり、1人でも多くの外国人の若者が日本の年金制度に加入してくれることは、確実に日本の国益に繋がります。特に今般新設される「特定技能2号」は永住の可能性が前提となっており、入国当初からの年金加入が本人にとっても日本国にとっても合理的になるでしょう。他方で、特定技能1号から途中で2号に変更する人にとってはどうでしょう?どの段階で年金加入するのか、5年で帰国するなら最低10年の加入が前提となる年金制度への加入を義務付けるのは「搾取」となる可能性があります。2号に変更になった段階で1号での滞在期間を遡って年金加入するのでしょうか、何を基本としどこまで義務付けるのか、政府部内での検討でどこまで考え抜けているのでしょう?

これ以外にも上で列挙した通り多岐に亘る社会統合政策の一つ一つについて、日本社会としての国益追究、外国人側の権利義務、諸外国での経験、そして日本独特の社会制度と文化・歴史を全て掛け合わせて合理的な「解」を出すのは、決して容易な作業ではありません。これら全てを来年4月までに行えるのでしょうか?大いに不安です。

不安材料その4:事実に基づかない妄想・誇張・フェイクニュースへの固執

そして最後の不安が、例えば「外国人が増えると治安が悪化する」とか「外国人による国民健康保険制度の乱用」などといった妄想・誇張・フェイクニュースへの固執と、それに基づく政策立案です。

既に以前のブログで統計資料を交えて詳しく述べましたのでここで再度繰り返しませんが、日本の警察庁や法務省が発表している統計資料に基づけば、「外国人が増えると犯罪が増える」とか「外国人は凶悪犯罪を犯しやすい」ということを裏付ける証拠は存在しません。むしろ来日外国人はここ数年で莫大に増え続けているのに、いわゆる「外国人犯罪」は減少し続けているのです。更に言えば、極右的・人種差別的極端な思想を持つ日本人による外国人に対する殺傷事件が散見され、それらの増加の方がずっと不安です。そのような犯罪対策に必要なのは、日本人に対する啓蒙活動・矯正措置でしょう。外国人受入れ反対派・人種差別的な方々にとっては「不都合な真実」ですが、一部報道が好んで使う「外国人が増えると治安が悪化する」という言説は完全なる妄想・フェイクニュースでしかありません。

そして最近出てきた新しいフェイクニュースが、「外国人による国民健康保険制度の濫用が横行している」という誇張です。そもそも国民健康保険は加入して保険料を支払わないと利用できませんので「ただ乗り」という表現自体が完全にお門違いなのですが、百歩譲って「国民健康保険制度の濫用」と仮定したとしても、厚生労働省自体が在留外国人による国民健康保険利用に関する実態調査を行った結果、「在留外国人不適正事案の実態把握を行ったところ、その蓋然性があると考えられる事例は、ほぼ確認されなかった」とその通知で結論付けています。健康保険の外国人レセプト総数約1500万件のうち不正が疑われる事案が2件あったからといって、そのような事案が横行しているかのように報道するのは、誇張にもほどがあるフェイクニュースではでしょうか。

むしろ日本で生活する外国人の方々には一人でも多く健康保険制度に加入して頂いて、日本人の高齢者医療のために危機的状況にある医療保険制度を救うことが日本の国益に繋がるということは上で述べた通りです。外国人問題となると、得てして感情論や印象論に基づく妄想や誇張、フェイクニュースが流布され、何が真の意味での日本の国益に繋がるのか、合理的な判断が出来なくなる人が「知識層」とされる人々の間にでさえ増えるのは、私にとっては不思議でなりません。

おわりに

日本は今までは外国人受入れ政策において「高度人材は歓迎するが、単純労働者については受け入れない」という原則を少なくとも建前上では固持してきました。今回、「特定技能2号」で永住の道が開かれたことで、その大前提が崩されたと言えるでしょう。また世界全体を見回しても、いわゆる「単純労働」と見なされる分野で最初から永住前提で外国人を受け入れるという公的方針は、(域内での移動の自由が保障されているEU諸国以外では)珍しい移民政策と言えます。実際にどの規模の外国人が日本に永住することになるのか現時点では未知数ですが、日本は自国の歴史と言う意味でも、世界的な移民政策という意味でも「未知との遭遇」の範疇に入ったと言っても過言ではありません。

特に日本は外国人受入れ政策において「後進国」でありつつ、それら単純労働に従事する外国人の永住を許可する方向性に舵を切ったことで、今までの日本社会の根幹を揺るがしかねない、西欧諸国の移民受け入れ政策の失敗の二の舞を踏みかねない(あるいはそれ以上の大失態となりかねない)、極めて重要な政策転換を行おうとしているのです。それなのに、重要な政策立案と実施が「企業任せ」「民間任せ」「国境管理局任せ」「フェイクニュース任せ」では、やってくる外国人だけでなく、中長期的に日本社会の礎となる諸制度や日本社会全体の一体性に、中長期的に深刻な問題を引き起こすのはないでしょうか?

20年後、50年後に私のこの記事が完全に的外れとなっていることを切に願っています。

Ingress Prime配信開始。ポケモンGOのナイアンティックARゲーム第1作がアニメ版と共に新生

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Ingress Prime

ポケモンGOの開発・運営元として知られるナイアンティックが、新作ARゲームIngress Prime(イングレス・プライム)の配信を開始しました。iOS / Androidともにストアからダウンロードできます。

Ingress Primeは、ナイアンティックが初のゲームアプリとして2012年にリリースした改変現実系リアルワールド陣取りゲームIngressのリニューアル版。

二つの陣営に分かれて「世界の真実に気づいて人知れず戦う選ばれた少数者」ごっこという従来の世界観や物語は継続しつつ、クライアントアプリやデザインを一新してよりモダンに美しく、操作しやすくしたタイトルです。

Ingressといえば、日本発のCGアニメ版 Ingress The Animation もテレビやNetflixで配信中。Ingress Primeはアニメで興味を持ったプレーヤーにも入りやすいよう、親切なチュートリアルも用意します。

従来のプレーヤーはアプリを更新すればプライムになり、レベルもアイテムもそのままプレイを継続できます。

実世界に点在する拠点(ポータル)を奪い合い、線で結んで支配圏を拡大するゲームプレイの基本は従来のIngressそのもの。

ですが、Primeは単なるクライアント刷新に止まらず、無印Ingress時代のフィードバックやポケモンGOからの知見を活かしてゲームデザインやバランスにも、今後の運営にも大きく変化が訪れる見込みです。

(2018年11月6日Engadget 日本版「Ingress Prime配信開始。ポケモンGOのナイアンティックARゲーム第1作がアニメ版と共に新生」より転載)

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「派遣3年期限」で雇い止め相談増加 派遣社員が知るべき対応策とは?

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rengo

同じ組織で働いてもうすぐ3年の派遣社員は、自ら希望しないと得られない"権利"がある

労働者にとって由々しき事態だ。新たな派遣切り・2018年問題が始まっている。2015年9月30日施行の改正労働者派遣法には、派遣社員の受け入れ上限を3年とするルールが盛り込まれた。法改正の目的は派遣社員の雇用の安定だったのだが、結果として雇い止めが起き、派遣労働者にとってまさに"余計なお世話"になっている。

 連合が行う労働相談にも「派遣で働いているが、3年の期間制限前に雇い止めされた」という悲痛の声が届いている。相談のなかで感じたのは、法律が複雑で、派遣社員の方がきちんと理解できていないこと。我々連合がいまできることはなにか。派遣社員の方に法律の内容をしっかりと伝え、法律を活用してもらうことが必要ではないだろうか。そこで、派遣社員向けに改正派遣法のポイントをまとめた特設サイトを設置、「雇用安定措置の申込書フォーマット」の提供を開始した。

 いったい現場ではどういった問題が起きているのか、派遣社員はどう法律を活用すべきなのか、詳しい話を連合総合労働局長 村上陽子氏に聞いた。

村上 陽子 連合(日本労働組合総連合会)総合労働局長

●2015年の法改正が生んでいる新たな「雇い止め」問題

—法改正の影響で最近雇い止めが増えていると聞きました。なにが起きているんですか?

同じ派遣先で働いて3年になる直前に、契約を終了すると言われるケースが出てきています。2018年9月1日、2日にNPO派遣労働ネットワークと全国ユニオンが行った電話相談では、雇い止めの相談が42%と突出しました。その多くが同じ組織で同じ派遣社員が3年以上働けない"個人単位の3年ルール"を理由とするものです。

 この問題はこれから増えるのではないかと思っています。2015年9月の改正法施行以降の契約が対象になりますので、これから対象者が増えます。

—事業者には、罰則なり、雇い止めを防止するための規制はないんですか?

派遣元(派遣会社)には"雇用安定措置"が義務付けられています。具体的には同一の組織に3年間派遣される見込みの派遣社員には「派遣先への直接雇用の依頼」「新たな派遣先の提供」「派遣会社での無期雇用」「安定した雇用の継続が確実にはかられる措置(紹介予定派遣、職業紹介、有給での教育訓練)」のどれかを行うことが義務付けられています。政府はこの制度により派遣社員の雇用を安定させようとしていました。

—いまは人手不足です。正社員や無期契約への転換は進むようにも思えますが。

 厚生労働省の統計によると、「派遣先への直接雇用の依頼」は11.2%。そのうち直接雇用が実現した数となると42.2%です。

厚生労働省の平成28年度 労働者派遣事業報告書の集計結果 表17をグラフ化

派遣会社で無期雇用になるケースも6.4%とそれなりにあります。派遣会社との契約が無期になれば3年ルールの適用は受けないので、派遣会社も派遣先に対して売り込みがしやすくなるというメリットがあります。でも、無期になったからいいというものではないんです。

—派遣会社で無期雇用してくれれば、雇用は安定しそうですが

無期雇用になった人の就業規則に「派遣先が見つからなかったときは、30日以内に労働者は退職したものとする」という条項が入っているケースがあるんです。合意書をとっていることもあるそうで、抜け道というか、ひどい話だと思います。

●派遣先も幸せにならない"3年ルール"

—3年も働いてくれた派遣社員なら、派遣先も直接雇用したいと思うのでは?

派遣社員と働く正社員の方から聞いた話です。自社に派遣社員として働いて3年になる人がいたそうです。とてもよく働いてくれているので3年経過以降も働いてほしいと考えました。そこで人事部から派遣会社に無期契約にしてほしいと交渉しました。すると、派遣会社は派遣料金を2割アップしてくれと言ってきたそうです。派遣会社とすれば無期雇用にはリスクがあると思ったんのでしょうか。

 では会社で直接雇用してしまえばいいと思いますよね。それを人事部に相談したところ、派遣会社との関係が悪くなるから嫌だと断られたそうなんです。関係が悪くなると、今後、いい人を送ってもらえなくなると。結局、その方は3年でやめることになったそうです。

派遣社員と一緒に働く現場の社員にも影響が出ているようですね

 3年ごとに教え直すのは負担ですよね。派遣社員から契約社員への直接雇用に変わり、一緒に働く正社員の心持ちが変わった事例があります。KDDI労働組合の取り組みですが、会社の方針で2012年から、派遣社員や業務委託で担っていたところを、全員直接雇用の契約社員に順次切り替えました。

組合員から話を聞くと、以前は派遣社員は"いつかいなくなる人"という認識だったそうです。ですが、直接雇用になり同じ組合員となる中で、契約社員がこんなに働いてくれていたんだと気づいたそうなんです。そこで、組合として「正社員のベアを見送るから契約社員のベアを」と交渉し、実現したんです。同じ職場で働く仲間という意識が強くなったと話していました。

●「雇用安定措置」を自ら希望することが重要

—この「雇用安定措置の申込書フォーマット」は、いつ使うんですか?

 派遣会社との雇用契約を更新すれば3年目になるタイミングで使ってください。「雇用安定措置」は3年に達する見込みの派遣社員に対して、派遣社員が就業継続を希望をすれば、派遣会社がやらなければならない義務です。必ずしも希望通りになるかは分かりませんが、「派遣先への直接雇用の依頼」「新たな派遣先の提供」「派遣会社での無期雇用」「安定した雇用の継続が確実にはかられる措置(紹介予定派遣、職業紹介、有給での教育訓練)」のうち希望するものに丸をして、派遣会社の営業担当者に提出してください。メールでもかまいません。

雇用安定措置の申込書フォーマット 連合の特設サイトからダウンロードできる

—希望しないと、派遣会社は何もしてくれないんですか?

 そうです。派遣会社は、派遣社員が就業の継続を希望しなければ何もしなくてもいいんです。法律がそういう建てつけになっています。派遣会社に希望を伝えなければいけないのですが、直接は言いづらかったり、伝えたことを残した方が良いですね。そのためのフォーマットです。

 独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)の小野晶子研究員も、派遣社員は賃金交渉をするほうが時給が上がっているという研究結果を発表しています。労働条件は黙っていても上がってはいきません。

 ※「雇用安定措置の申込書フォーマット」は、連合の特設サイトからダウンロードできます。

●連合の労働相談は、電話・メールフォーム・LINEでもできる

—連合の労働相談は、組合員でなくても相談できますか?

 誰でも相談できます。電話とメールフォームで受け付けています。LINEの連合公式アカウントも開設し、11月6日~8日の3日間はLINEからも相談を受け付けます。

連合 なんでも労働相談ダイヤル

—最後になりますが、そもそも派遣制度はどうあるべきだと思いますか?

 雇う人と使う人が異なる"間接雇用"というのは、組合の交渉が難しいと感じます。いざトラブルがあったときに、解決が難しい。派遣先の問題なのか、派遣会社の問題なのかあいまいにされてしまうことがあります。安定した生活のためには、直接雇用の期間の定めがない契約を原則にすべきというのが連合としての基本的な考えです。現在の派遣制度は間接雇用で有期契約という二つの問題を抱えています。

 派遣制度が誕生したときは通訳などの専門業務に限られていました。そういう専門家を対象にした派遣制度には意味があったと思います。今は一般業務にまで広がってしまいました。元の状態に収れんすべきという考えもありますが、すでに今のやり方が動いてしまっています。今の制度のなかで、いかにして権利侵害をされないようにするか、サポートをしっかりしなくてはいけないと思っています。

—労働者派遣法のどこに問題があると思いますか?

 個人的な見解ですけど、いまの労働者派遣法を理解するのは難しいと思います。どんなに複雑でも、派遣会社は理解するべきだと言えますが、労働者には難しい法律を読み解くよう要求すべきではないと思うんです。労働者のための法律なので「わかりやすさ」は重要だと思います。

—ありがとうございました。

 連合が立ち上げた特設サイト「2015年改正から3年 知ろう!活かそう!改正労働者派遣法」には、法改正の理解すべきポイント、雇用安定措置の申入書のフォーマット、派遣先会社の労働組合向け職場チェックリストが掲載されています。派遣社員の雇用の安定のためにも、多くの人に知ってもらいたい内容です。

「それ1個ちょーだい」問題、あげる?あげない? みんなの本音は?

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からあげクンと雪見だいふく

ご飯を食べている際に「それ1個ちょーだい」と言われ、あげるかあげないか迷ったことはないだろうか。

「ちょーだい」と言われた側の本音を知るべく、ローソンが「『からあげクン、1個ちょうだい!』と言われたら、あげる?あげない??」というアンケートを11月5日からTwitter上で開始した

「からあげクン、1個ちょうだい!」アンケート

からあげクンは5個しか入っていない。

1個あげることは20%を失うことになり、意見が分かれそうだ。

さらに、同日、ロッテも「雪見だいふくの『それ1個ちょーだい』問題」に終止符を打つべくTwitterにてキャンペーンを始めた

雪見だいふく「それ1個ちょーだい問題」アンケート

雪見だいふくは2個しか入っていないため、1個あげることはかなりの痛手となりそうだ。

雪見だいふくのキャンペーンサイトによると、11月6日10時現在の投票状況は「あげる派」が69%、「あげない派」が31%となっている。

Twitter上の「あげる派」からは、「誰かと食べる方が楽しい」「あげるかな。そしてまた買います」という声が上がっている。

「あげない派」には「最初に言われたらあげるけど、一個食べた後だったら絶対あげない」や、「あげない派」としながらも、「食べてたらどうせ嫁に1つ奪われる派」という声も出ている。

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横浜市が2025年問題に挑む ― 医療広報のあり方を変える「医療の視点」始動

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・医療における2025年問題とは

2025年にはいわゆる団塊の世代であるおよそ800万人が75歳以上となることが見込まれています。それによる医療や介護の需要の急激な増加はしばしば2025年問題と言われます。厚生労働省では、"高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、地域の包括的な支援・サービス提供体制(地域包括ケアシステム)の構築を推進しています。"

厚生労働省:地域包括ケアシステムより引用https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/

・横浜市における2025年問題と「よこはま保健医療プラン2018」

横浜市でも2025 年には3人に1人が 65 歳以上の高齢者となることが予想されています。他地域と同様に高齢化の進展に伴い、医療需要の増加が見込まれているのです。どのように対応していくのか、現在ある医療資源をどのように効率的に用いていくのか...さまざまな課題があります。そのような中、横浜市では医療提供体制を整備するため「よこはま保健医療プラン2018」に実際の医療需要を予測し、さらには3年毎の見直しも含めてさまざまな施策を定めています。

よこはま保健医療プラン2018:http://www.city.yokohama.lg.jp/iryo/i-keikaku/

・横浜市とメディカルノートの取り組み

「よこはま保健医療プラン2018」を円滑に進めるためには医療資源を効率的に用いることが不可欠です。そのためには行政が医療機関の役割や機能などを周知し、市民・医療関係者・行政が医療に関する共通認識を持つことが重要です。平成28年度に実施された「横浜市民の医療に関する意識調査」では、医療機関の役割分担について「知っていて、どの医療機関が該当するかわかる」と回答した人は18.5%にとどまりました。このような状況の中で、横浜市では『ヨコハマ発「医療の視点」プロジェクト』を始動しました。Webサイト「医療の視点」 などを通じて、様々な医療に関する情報を発信します。メディカルノートは横浜市と連携協定を締結し、本企画を全面的にサポートしていきます。

【執筆/インタビュー】

井上祥(メディカルノート共同創業者・取締役/医師・医学博士)

2009年横浜市立大学医学部卒。横浜労災病院初期研修を経て2011年より横浜市立大学大学院医学教育学・消化器内科学、2015年3月に医学博士。一般生活者の医療リテラシー向上と「医師と患者をつなぐ」を理念に株式会社メディカルノートを創業。Medical Noteは2018年7月時点で月間1000万人を超えるユーザー、47000のFacebookフォロワーを持つ日本有数のオンライン医療情報プラットフォームに成長し、Yahoo!と業務提携。2008年北京頭脳オリンピック"WMSG"チェス日本代表。日本医療機能評価機構EBM普及推進事業運営委員。NPO法人医療の質に関する研究会理事。東京都医学総合研究所客員研究員。横浜市立大学医学部非常勤講師。

馴染みの店の奥さんが病気に→早くお店閉められるようにお客たちが爆買いして助ける

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店主のジョン・チャンさん(2018年10月29日)

米カリフォルニア州南部オレンジ郡にある「ドーナツ・シティ」という店で、お客がドーナツを爆買いして店主を助けていると話題になっている。ドーナツを売り切れにさせることで、店主が早く店を閉めての病気療養中の妻の元に行けるよう、お客はたくさんのドーナツを買うのだという。11月2日、CBSニュースなどが報じた。

店主のジョン・チャンさん(62)とステラさん(63)夫妻は、1979年カンボジア難民としてオレンジ郡にやってきた。2人は1990年、太平洋沿岸の高速道路の側にドーナツ店をオープン。午前2時からドーナツを焼き始め、午前4時半から店を開けるという仕事を、28年続けている。

先週、店頭にステラさんの姿がないことに、常連客の1人が気がついた。ジョンさんは、9月下旬にステラさんが動脈瘤を患らって入院したと明かした。ジョンさんは店が終わると、療養施設にいるステラさんのもとに駆けつけるようになっていた。

顧客はジョンさんにクラウドファンディングを提案したが、ジョンさんは断った。「お金ではなく、時間がほしい」と、ジョンさんは述べたのだという。

そのため顧客は、ドーナツをたくさん買って、早めに売り切れにしてあげようというアイデアをブログに投稿。地元住民ら支援を呼びかけたのだった。

ブログを投稿したドーン・キャヴィオラさんは、10年以上ドーナツ・シティに通う常連だ。ステラさんの入院のことが、何日も頭を離れなかったという。

この顧客の投稿は、Facebookなどを通じて拡散。住民らはドーナツ・シティーのドーナツを爆買いするようになった。朝4時半前に店の前に並ぶ人も出ているという。ジョンさんのドーナツは、11月2日には午前8時半までに完売。週明け5日には、午前7時半で完売するなど、数時間で売り切れるようになった。

ジョンさんはワシントン・ポストに「顧客たちの助けに、本当に感謝している」と話した。「感謝してもしきれない。本当にありがとう」

ハフポストの最新記事はこちら

イラク拉致事件の今井紀明さんに聞く、「自己責任論」を乗り越える方法とは?

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シリアで拘束されたジャーナリストの安田純平さんが2018年10月に解放されてから、インターネット上を中心に「自己責任論」が再燃している。思い返せば、自己責任論が大きな問題として初めて可視化されたのは2004年のイラク日本人人質誘拐事件だった。

イラク戦争終結の1年後、現地で武装勢力に拘束された日本人3人が、バッシングの嵐に晒されたのだ。渦中にいた一人で、現在はNPOの代表として活躍する今井紀明さんが11月8日午後10時「ハフトーク」に生出演する。この社会で噴出する「自己責任論」、今井さんにはどうみえているのか?

今井さんに届いた手紙のレプリカ

「人質」「クソガキ」と罵られた過去

今井さんら3人とその家族は、事件以降「自己責任」という言葉で論じられ、誹謗中傷の対象となっていった。自宅にはバッシングの手紙が段ボール数箱分も届き、外を歩けば「人質」「クソガキ」という声が聞こえてくる。

今井さんは事件後、精神の変調をきたして、しばらくひきこもり生活をおくることになる。現在は、大阪を拠点に定時制、通信制高校の支援活動を展開する認定NPO法人「D×P」(ディーピー)の代表として活躍している。

今はNPOの代表としての活動が忙しくなってしまい、当時の話をすることはほとんどない。

意外と知られていない事実だが、当時今井さんは、自己責任論を展開した人に直接会って「対話」を試みていた。

父親が残していた自分宛のバッシングの手紙を読みふけり、住所が記されていれば手紙を送る。そこには「会って話をしたい」「どうして自己責任だと考えるのか知りたい」という思いがあった。

彼自身の記憶からもすっぽり抜け落ちていたが、過去の手記から、当時の気持ちを辿ることができる。

手紙の差出人、本当の怒りの矛先は?

届いた手紙に返事をしていくうちに、新しい出会いも生まれた。会って話を聞きたいという今井さんの申し出に何人かが応じた。ある工場に勤めているという男性は、仕事を終えてから今井さんと食事に行っている。

男性は、事件に対して批判的なのではなく、頭にきたのはマスコミのおかしさだったと今井さんに明かしている。

「『自衛隊を派遣したことで彼らが捕まったのだから、政府は責任をとり自衛隊を撤退させなければならない』ということを論調に出した新聞」が原動力になり、今井さんに向けて批判の手紙を出したと語った。

男性には当時18歳になる不登校の娘がいた。

「多くの若者が、娘と同じようにニートだといわれているこの時代、何か目標に向かって行動している若者をこんなことで潰す社会があるというならば日本社会は終わってしまうんじゃないか、と危機感があるんです」

そう語り、最後は今井さんがバッシングを受ける社会を憂いた。

時を超えて続く対話

筆者である私が2017年9月、このエピソードを記事に書いたところ、一通のメールが届いた。

「ここに書かれている男性は私の父だと思う。今井さんに会って話したいことがある」というものだった。

私信なので、多くは明かさない。大事なのは、今井さんの行動に、対立やバッシングばかりが過熱する社会を乗り越えるヒントがあるということだ。

対話を通じて、少なくともこの父親は、怒りは今井さん本人ではなく別のところにあったと思い至り、最後には今井さんに共感を示した。

そして、十数年の時を超えて「不登校の娘」本人から連絡が届く。

一つ一つのエピソードは小さくとも、彼らの人生を変えるくらい重要なものではないだろうか。

番組では、単なる自己批判論とそれへの批判だけでは終わらない今井さんの経験をじっくりと聞いていく予定だ。2004年よりもインターネットが発展したいまの社会にとって、大事な対話の可能性を指し示す1時間になるだろう。

【ニュース番組「NewsX」 11月8日の放送内容(予定)】

ゲスト:今井紀明さん(認定NPO法人「D×P」理事長)

出演者:竹下隆一郎(ハフポスト日本版編集長)、石戸諭(ノンフィクションライター)

番組はこちらから。

視聴方法がわからない方はこちらをご参照ください。

私にとって「帰国子女」の言葉は免罪符。日本人的規範に合わない「罪」を許してもらうため

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アメリカのイースターで卵探し
私は父親の仕事の都合で、1歳から6歳までアメリカに住んでいました。

しかしながら、自分が「帰国子女」であると気づいたのは小学5年生のことでした。なぜなら、それまで私は「帰国子女」という言葉を知らなかったからです。海外で幼少期を過ごした子どもとそうではない子どもが区別されることを知らなかったからです。

私は東アジア人らしい容姿をしています。日本人にしては少し彫りが深く、背もかなり高いため、しばしば外国人だと勘違いされることもありますが、基本的には日本にいれば日本人だとみなされます。

私がアメリカに住んでいたのはたったの5年でしたが、その経験は私のアイデンティティや精神的な面に大きな影響を与えました。1歳から6歳という、自我の形成期をアメリカでアメリカの子どもたちに囲まれて過ごしたのですから、当然であろうとは思います。

例えば、私が通ったキンダーガーデンとプレスクールでは、自分の気持ちを主張する練習がなされていました。

多くの人が知っていることだとは思いますが、アメリカでは、優等生とは自分の意見を主張し、自ら動き、己の行動に責任を持てる生徒のことをいいます。このアメリカ的優等生像と、真面目で控えめで聞き分けの良い生徒という日本的優等生像はしばしば比較されて語られます。

アメリカでそのように教育された私は、自分の意見を主張することが得意です。しかし、日本の教育現場でそのような振る舞いをすれば、当然ながら浮いてしまいます。「お前はでしゃばりだ」といじめられたこともあります。

アメリカの常識は日本の常識とは大きく異なるものです。たったの5年間とはいえ、アメリカの常識を吸収して育った私が帰国し、日本人として生活すると、まわりの人々に違和感を与えます。

フロリダのディズニーランドで
多様性にも配慮があるインターナショナルスクールや都市部の有名学校ならば、このような事態は起きなかったかも知れません。しかしながら、私が通ったのは関西の市立学校です。生まれも育ちも同じ子どもたちが集まった場所で、でしゃばりで、関西弁が下手で、とにかく何やら様子がおかしい子どもがひとりいた。それが私でした。目をつけられたのは当然の成り行きだったように思えます。

先にも述べたとおり、私は東アジア人然とした容姿をしています。それゆえ、日本人の名前を持ち、流暢な日本語を話す私が、まさか外国にルーツを持っているとは誰も考えません。

ですので、いわゆる「日本人らしくない行為」をすると、大変驚かれ、注意されることさえあります。たとえそれが、法律はもとより、マナーにも違反していないことであってもです。

「もしも私が外国人ならば、外国人だと思われるような容姿をしていたならば、ハーフ顔ならば、恐らくそのように注意されることはなかったんじゃないか?」

そんなことを考えても仕方がないことは分かっていました。ですが、考えずにはいられませんでした。

私の同級生にハーフの子がいました。当時は、ハーフであるだけで日本人らしい振る舞いができなくても許されてしまうその同級生が羨ましくて仕方なかった。ハーフにはハーフなりの、私のものとは逆ベクトルの、しかし表裏一体の悩みがあるのだと知ったのは、もっとあとになってからでした。

私は見た目が日本人です。ですから、日本人らしい振る舞いを期待されています。そして、人々の無意識の領域にある「日本人的規範(私はそう呼んでいます)」から少しでも外れることがあると、「そんなの誰もやらない」「やってるのはあなただけ」「外国人じゃないんだから」といったような注意を受けます。

桜

「帰国子女」という言葉を、小学5年生で知って以来、私はまるでこの言葉を免罪符であるかのように使っていると自分で感じます。日本人なのに日本人的規範に合った行動ができない罪を勘弁してもらうための免罪符です。この免罪符がないと、私は「なんだか様子が変な人」「扱いにくい人」として、場の片隅に追いやられ、攻撃され、無視されるかも知れません。

理想としては、私がまわりの人に与える諸々の違和感が、全て私の個性として受け止められる社会が一番いいのでしょう。

しかしながら、現実はそうではありません。そのような社会がすぐに到来するとも思えません。

これが「島国根性」というものなのかどうかは分かりませんが、日本人には、日本人と非日本人の区別を明確にしたがる人が非常に多いようです。記憶に新しいところでは、大坂なおみ選手の国籍についてもそのような議論が繰り広げられました。

外国人には外国人に対する扱い、日本人には日本人に対する扱いが、人々の無意識の領域で自動的に決められているような気がします。

そして、日本人であるはずなのに何だか日本人らしくない、中途半端な存在が帰国子女です。他の帰国子女がどうかはわかりません。しかし、私は、日本人というアイデンティティと日本人的規範にきっちり合わせていくことができないという矛盾を抱えて、今もそこで苦しんでいます。

東京タワーの下で
いつまでも「帰国子女」という免罪符に頼り続けるのは嫌です。

となると、現時点で私に残された道はふたつだけです。日本人として日本人的規範に合わせるよう努力するか、「なんか変な人」「変わった人」というレッテルを貼られながらも何とかやっていくか。

とはいえ、日本人的規範というのも、あくまで外国人の多い都市部での話ですが、かつてに比べると、その存在感がかなり薄くなってきていると感じます。これが世に言うdiversityの波か、と感心します。

多様性やルーツの議論をするときに、話題に上がるのは移民、外国人、ハーフが主であるように感じています。

ですが、私のような、日本人であるというアイデンティティと日本人的規範の間で股を裂かれる帰国子女という存在も、注目され、議論されるようになることを願っています。

Shiori Clark

様々なルーツやバックグラウンドの交差点に立つ人たちは、自分を取り巻く地域の風景や社会のありようを、どう感じているのでしょうか。当事者本人が綴った思いを、紹介していきます。

「Q」って何者?トランプ大統領を支持するネット界の陰謀論者。中間選挙前に信奉する人が急増

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トランプ氏の講演会で掲げられた「Q」の文字

アメリカ中間選挙が11月6日に開かれる。

中間選挙への盛り上がりが高まるのに連れて、トランプ支持者の間ではインターネット上で陰謀論を唱える「Q」という謎の人物を称賛する人が増えている。

「Q」とは一体、何者なのだろうか。

ネット掲示板に現れた「アメリカ政府内部の人」

「Q」は、2017年10月にインターネット掲示板「4ちゃん」に突如現れた匿名の投稿者。NYタイムズによると、自身がアメリカ政府内部の人間であると主張し、トランプ大統領や支持者をおとしめる陰謀を企てる世界各国の官僚体制の実態を暴露する存在だとしている。

Qが唱える陰謀論は、「Q」と匿名を意味する「anonymous」をかけあわた「QAnon(キューアノン)」と呼ばれている。

QAnonの主張の根幹は、トランプ大統領を支持し、彼をおとしめようとする「deep state(闇の国家)」に反対するという内容だ

BBCによると、次のような根拠のない主張を展開しているという。

2016年アメリカ大統領選挙で、トランプ陣営がロシアと共謀していたとする疑惑に対するミュラー特別検察官の捜査は、実は海外エリート層に対する捜査で、トランプ大統領は、汚職や児童虐待で著名政治家やハリウッドスターを逮捕するための秘密の作戦を裏で操っている。

女優や元メジャーリガーも信奉

WILKES BARRE, PA - AUGUST 02: David Reinert holds up a large 'Q' sign while waiting in line to see President Donald J. Trump at his rally on August 2, 2018 at the Mohegan Sun Arena at Casey Plaza in Wilkes Barre, Pennsylvania. 'Q' represents QAnon, a conspiracy theory group that has been seen at recent rallies. (Photo by Rick Loomis/Getty Images)

こうしたQAnonの陰謀論は、信奉者がインターネットで発信することで広まり、さらに信奉者が増えていった。2018年夏ごろからは、トランプ大統領の演説会に「Q」の看板を掲げる支援者が目立ち始めた。

信奉者の中には著名人も含まれ、QAnonを思わせるツイートを投稿した女優のロザンヌ・バーや、元メジャーリーガーのカート・シリングなどの名前が挙げられている

タイムズ紙が発表したインターネット上で最も影響力のある25人の中にも、「Q」が選ばれた。数多くの人が支持し、QAnonに言及した動画が13万件以上もYouTube上に投稿されていると紹介された。


コミケ有料化へ、2019年から検討。史上初の4日間開催の経費として

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2017年のコミックマーケット

コミックマーケット準備会は、2019年夏の「コミックマーケット96」と冬の「コミックマーケット97」において、参加者の有料化を検討していると発表した。

2019年は東京オリンピック・パラリンピックの開催に伴い、東京ビッグサイトの展示棟の使用が制限される。

その中で、サークルの当選率を下げないために、コミックマーケット96・97はコミケ史上初の4日間開催となり、有明と青梅の2会場で実施されることとなった。

今回の有料化は、4日間・2会場という経費増への対応策とされている。

準備会は、2会場を行き来するためにリストバンドを導入し、カタログを購入しない一般参加者にもリストバンドを購入させることで実質的な有料化を検討している。

準備会は共同代表からの挨拶として、「『有料化』はこれまでのポリシーやスタイルとは異なる」としながらも、「4日間開催と合わせてご理解をいただけると幸いです」とコメントしている。

準備会の共同代表からの挨拶文

2018年に投票に行く私、2016年とはこんなに違う…米中間選挙ネタの大喜利が盛り上がる

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11月6日に投票を迎えるアメリカ中間選挙。Twitterなどでは、2年前の大統領選とは投票に対する自分の意識が変わっていることを画像で表現した投稿で盛り上がっている。

2016年のアメリカ大統領選挙では、事前の予想を覆し、トランプ氏がが当選した。今回の中間選挙では「必ず投票に行く」に回答した人(特に若い世代)が、過去と比べて大幅に増えているのだ

ネットユーザーたちは「2016年に投票に行く私 vs. 2018年に投票に行く私」という文章とともに、様々な画像比較ネタを投稿。大喜利状態になっている。

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過労死の根絶を!~労働組合の役割~ その1

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11月は「過労死等防止啓発月間」だ。2014年に成立した過労死等防止対策推進法で設定されたものであり、「二度と働き過ぎでいのちを落とす人がないように」という遺族や支援者の痛切な思いが込められている。

法施行から3年が経過した今年は、対策強化に向けて「過労死等の防止のための対策に関する大綱」の改定が行われ、勤務間インターバル制度導入割合を含む数値目標が示され、労働組合の役割についても踏み込んだ記述がなされた。

過労死ゼロへ、何ができるのか、何をすべきなのか。過労死等防止啓発月間に何を訴えるのか。労働組合の役割をあらためて考えよう。

-過労死ゼロの社会を-

過労死は「企業病理」の現れ

社会の意識を変え、勤務間インターバル制度をすべての職場に広げよう

なぜ、過労死はなくならないのか。過労死ゼロへ、求められる対策は何か。多くの過労死事件に取り組んできた川人博弁護士は、「過労死は企業病理の現れだ。防止対策として、勤務間インターバル規制導入、ハラスメント対策を急ぐべきだ」と説く。

川人 博(かわひと・ひろし)

弁護士、過労死等防止対策推進協議会委員

1978年東京弁護士会に弁護士登録。過労死弁護団全国連絡会議幹事長。

著書に『過労死と企業の責任』(社会思想社)、『過労自殺 第二版』(岩波新書)、『過労死ゼロの社会を』(共著・連合出版)など。

認定件数は氷山の一角

 私は、1988年から「過労死110番」の活動に参加し、以来、過重労働やハラスメントの問題に取り組んできたが、実は戦前にも深刻な「過労死」が起きていた。大正末期から昭和の初めにかけて、長野県の諏訪湖では、製糸工場で働く女性労働者の投身自殺が後を絶たず、湖畔には「ちょっとお待ち」という立て看板が立てられ、慈善団体が巡回活動を行っていたという。

 戦後、1947年に労働基準法が制定され、1日8時間労働が原則となったが、高度経済成長の過程で、長時間の時間外労働を可能にする36協定が定着し、不払い残業(サービス残業)も横行。さらにバブル崩壊以降は、職場におけるストレスや雇用不安が高まり、精神疾患・過労自殺が急増した。

 現在、脳・心臓疾患、精神障害の労災認定件数は、合わせて年間約800件、うち死亡が約200件。これは、申請が認められた件数であり、氷山の一角だ。警察庁統計では、「勤務問題」を理由とする自殺者数は、年間約2000人で推移している。

 今年、国会では働き方改革関連法案が成立し、新しい「過労死等の防止のための対策に関する大綱」も閣議決定されたが、その間にも、職場では、次々と働く人のいのちと健康が奪われている現状がある。

不正会計と違法な労務管理

 なぜ、過労死が起きるのか。2000年3月、最高裁は、大手広告会社電通の男性社員の過労自殺について会社の責任を認め、仕事で社員の心身の健康を損なわないようにする義務があるとの判決を出した。男性社員は、2カ月で14回もの徹夜勤務を行うなどの過重労働に加え、酒席で上司からハラスメントを受け、心身ともに疲労困憊し自殺に至った。初めて「会社の責任」を認めた電通第一事件判決は、その後の過労死防止対策に大きな影響を与え、厚生労働省の通達が改定され、労働契約法第5条に労働者への安全の配慮が規定された。

 ところが3年前、同じ電通で新入社員の女性が過労自殺する事件が起きた。インターネット広告を担当していた女性社員は、24時以降に退勤し、翌朝9時に出勤する日が続き、2泊3日の徹夜勤務もあった。SNSには「1週間に10時間しか寝れないのでは体がもたない」などの発信が残っているが、上司は、慰労するどころか「キャパがなさすぎる」などと精神的に追いつめた。極度の睡眠不足とストレスから精神疾患を発病し亡くなった。この事件についても、昨年、会社の刑事責任を認める判決が出されたが、これは電通だけの問題ではけっしてない。日本の多くの企業が同様の問題を抱えていると考えるべきだ。

 実は、過労死が発生した職場では、同時に業務の不正が起きている。電通第二事件でも、女性社員が担当していたネット広告に関して2億3000万円もの不正請求が発覚した。同社副社長は謝罪会見で「担当部署が恒常的人手不足に陥っていた」と弁明したが、業務量過多・人員不足の中で、一方では過労死が発生し、他方では不正が発生するという構図になっている。極限まで労働者を酷使し、それでも目標が達成されないと水増請求や不正会計が行われる。過労死は、何らかの「無理」をしている職場で起きているのだ。

「働き方改革」をめぐる課題

 政府の「働き方改革」では、長時間労働の是正が大きなテーマとなり、労働基準法に時間外労働の上限規制が規定されたが、建設業、運送業、医師は適用猶予となった。いずれも過労死のリスクが非常に高い職種だ。

 また、労働時間規制を適用除外とする高度プロフェッショナル制度も盛り込まれたが、すでに裁量労働や管理監督者において、過労死が多発している。28歳の男性は、裁量労働制が適用された直後から徹夜労働が続き、くも膜下出血で亡くなった。「管理職」は、法律で規定されているより低いレベルの役職者まで対象とする企業が多く、残業手当の支払いがされないだけでなく、労働時間管理がまったくされない中で過労死が起きている。最近は、部下を早く退社させるために、仕事を抱え込んでいる管理職も多く、非常に危険な状況だ。

 また、海外出張・海外赴任を要因とする過労死も急増している。中国などアジア諸国への出張・赴任が増え、労働環境が悪化しているからだ。例えば、2008年からの6年間で上海とその周辺で亡くなった日本人は247人。死因は、突然死、心疾患、がん、事件・事故、自殺などだが、私は、その多くは過労死の疑いがあると見ている。

 高齢労働者、障がいを持つ労働者の過労死防止対策も、今後の重要な課題だ。精神障がい者の雇用が義務づけられたが、職場の受け入れ態勢がなく不適応を起こして自死に至るケースも出ている。

職場労使の迅速な対応を

 過労死が発生し労災申請しても、認定されるまで半年、1年という時間がかかる。対応が遅れれば、その間に同様の問題が起きかねない。在職中死亡が発生した時は、職場の労使が、個人的問題だけでなく、背景に過重労働やハラスメントなど共通する問題がないか検証し、労働時間の把握をはじめ、速やかに対策をとることを徹底してほしい。

 今、最も重要な過労死対策は、勤務間インターバル制度をすべての職場に広げることだ。私が担当した事件でも、この制度があれば死なずに済んだのにと思うケースが本当に多い。新大綱に数値目標が入ったが、労働組合としてもぜひ取り組みを強化してほしい。

 ハラスメントをなくし、人間関係の良好な職場をつくることも重要だ。疲れると人間はやさしくなれない。ハラスメントが起きる職場では、過労やストレスが蔓延している。また日本の職場には、軍隊で見られる「抑圧の移譲」という風土が根強く残っている。それが社会に向かって発散されるとクレーマーになる。過酷なノルマなど上からの抑圧を含め、その風土、構造自体を変える努力をしないと、職場は変えられない。

 勤勉であることは大事だが、それと過重労働は別の問題だ。風邪をひいたら、早めに病院に行って休む。健康を第一に考える価値観を定着させる意識改革も不可欠だ。

 課題は多いが、そうした一つひとつの積み重ねが、健康な社会をつくり、過労死ゼロ社会の実現につながるはずだ。

こちらのサイトもご覧ください。

ナメクジ食べて体が麻痺、8年闘病の男性が死亡。人間の脳に感染する「広東住血線虫症」とは?

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車椅子生活を送っていたサム・バラードさん(右)と母親(2018年2月撮影)

8年前にナメクジを食べた結果、体が麻痺していた29歳のオーストラリア人の男性が死亡した。11月2日にシドニーの病院で亡くなったと、現地メディアの9NEWSが報じた。

 

■パーティーの席でナメクジを飲み込む

news.com.au」などによると、亡くなったのはサム・バラードさん。問題の出来事があった2010年当時は、19歳の有望なラグビー選手だった。

庭で開かれたパーティーで赤ワインを飲んでいるとき、テーブルを這っていたナメクジを見つけた友人たちの間で「食ってみろよ。やれるもんならな」と話題になり、バラードさんはナメクジを飲み込んだ。

すぐに症状が出なかったが、数日後には脚を激しい痛みが襲った。ニューズウィークによると、ナメクジを食べたことが原因かと気になった彼が病院で診察を受けた結果、ナメクジの寄生虫「広東住血線虫」が原因だと分かったという。

ヤフーニュースUK版によると、寄生虫が脳に感染したことで、バラードさんはまもなく420日間の昏睡状態となった。バラードさんは3年間の入院生活を経て退院したが、その後も体の麻痺は残り、車椅子生活を続けていたという。

 

■広東住血線虫とは?

デジタル大辞泉と家庭医学館によると広東住血線虫は、もともとネズミを宿主とする寄生虫だ。

幼虫期はカタツムリやナメクジに寄生しているため、調理が不十分なカタツムリやナメクジを食べることで、人間にも感染する。脊髄から脳に侵入して、好酸球性髄膜脳炎を起こす。

約2週間の潜伏期間を経て、激しい頭痛・発熱・嘔吐・知覚異常・昏睡などの症状が起こる。2~4週間で自然に治癒することが多いが、感染虫数が多く重篤な場合は死亡することもあるという。

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理想の上司vs.悪魔的起業家 ゆうきまさみ『機動警察パトレイバー』--高井浩章

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「理想の上司像は?」という質問に、私は定番の答えをもっている。「パトレイバーの後藤さん」というのがそれだ。

 ゆうきまさみの『機動警察パトレイバー』(小学館)は、東京を舞台とする近未来SFマンガの傑作だ。多足歩行式ロボット「レイバー」が広く普及し、急増するレイバー犯罪に対処するため、警視庁が本庁警備部内に設置した「パトロールレイバー中隊」特車2課の活躍が描かれる。「後藤さん」はこの特車2 課の第2小隊を率いる後藤喜一隊長のことである。

「大人の世界」が作る味

 アニメ、実写と何度も映画化されたこのマンガが極上のエンターテインメントであることは、今さら指摘するまでもないだろう。掲載誌は『週刊少年サンデー』だったが、大人の鑑賞にも十分耐える。というより、大人でなければ十分味わえないほど、警察や企業など「大人の世界」の機微や緊迫感が作品の味を作っている。

 例えば、当時はテレビや映画でもほとんど取り上げられることがなかった警察組織内のキャリアとノンキャリの微妙な関係も、スパイスとして効果的に使われている。敵役のレイバー「グリフォン」の母体になる多国籍企業「シャフト・エンタープライズ」の社内抗争の綱引きも、戯画的ではあるが十分なリアリティーがある。多様なレイバーも技術発展の裏付けを持ったリアルな存在として描かれ、キャラクターの造形やそれぞれのドラマも丁寧で、恐ろしく完成度が高い。

「有事」に抜群の切れ味

 さて「後藤さん」である。

 このマンガの「表の主人公」は特車2課のレイバー98式AV(アドヴァンスト・ビーグル)、通称「イングラム」と女性操縦士である泉野明(いずみ・のあ)だ。彼女を中心とする若手の隊員たちの活躍と成長の軌跡がストーリーの軸なのは間違いない。

 だが、大人の読者がもっともシビれる登場人物は、後藤隊長だろう。

 昼行燈ともいわれる飄々とした風貌で、仕事は部下任せ、シリアスな場面でも不謹慎で乾いたジョークを連発する。「平時」は高田純次的ないい加減さを漂わせるこの中年男が、「有事」には抜群の切れ味をみせる。

 そのギャップに加え、「むき出しの肌のように敏感」と後藤が描写してみせる、ナイーブな若手隊員たちとの接し方の絶妙さが実に魅力的なのだ。

 野明やコンビを組む篠原遊馬(あすま)など20代の隊員たちは、次々にトラブルや「壁」にぶち当たる。後藤は、ある時には厳しい指導によって、またある時には対話や「飲みニケーション」で、部下の成長を促す。そうした場面では、後藤の警察官の社会的使命への真摯な姿勢と、諦念にも近い覚悟を持った現実主義者の顔がのぞく。

 隊員の士気を高めるべきとき、あるいは現場の判断を重視すべき局面では、組織内の手続きをすっ飛ばす決断力を発揮し、「上」との摩擦も辞さない。そして、隊員の不手際に際しては、組織の長として責任を取りながら、部下は責めず、むしろユーモアをもって柔らかく接し、「前」を向かせる。まさに「理想の上司像」ではないだろうか。

「組織のはみ出しモノ」

 この後藤と対峙する敵役、「シャフト」日本法人の企画7課課長の内海、別名リチャード・王(ウォン)も、後藤に引けを取らない魅力的なキャラだ。

 企画7課は表向きビデオゲームの開発を担っているが、実際には極秘プロジェクトとして戦闘用レイバー「グリフォン」を開発・製造している。「手段のためには目的を選ばない」男・内海は、企業の損得や倫理観などは眼中になく、「世界最強のレイバーを作り、それを見せびらかす」という自らの子供じみた欲望のため、当代最高性能を誇る特車2課の「イングラム」に挑戦する。

 新規プロジェクトに邁進する内海は社内起業家のような存在だが、会社からすれば悪魔のような異分子だ。開発資金が足りなければ社内システムをハッキングして使途不明金を不正流用し、グリフォンの少年パイロットは人身売買組織から調達。密輸やテロ支援もためらわない。反社会性は露わなのに、「世界最強のレイバーを作る」というビジョンと大胆な行動力に引っ張られ、エンジニアや企画7課のスタッフは内海と一蓮托生の道を歩む。この人材を引き付ける悪魔的な魅力も、スティーブ・ジョブスやイーロン・マスクなど狂気を宿した起業家に通じるものがある。

「パトレイバー」を傑作たらしめているのはこの後藤と内海というオジサンのキャラの立ち具合であり、2人の駆け引きや組織内遊泳術に作品の醍醐味がある。後藤と内海は直接対峙することはなく、終盤に電話で2度会話するだけだが、「組織のはみ出しモノ」という似たもの同士でもある両者の間には、物語を通じて因縁が絡み続ける。特に、ある事件を巡る電話での駆け引きは、緊迫感とユーモアのバランスが絶妙で、会話の流れや後藤の表情や仕草の描写が素晴らしく、漫画史に残る名場面といっても過言ではないだろう。

「ないもの」と「あるもの」

 オジサン2人の対決という本筋以外にも、この作品には「過去から見た未来像」と現実を比較するという楽しみ方がある。

 本作の時代設定は連載開始時1988年から10年後の近未来、つまり20世紀末となっている。今、その20年後の未来の目でみると、現実と比較して作中に「ないもの」と「あるもの」がパラレルワールドを覗き見するような興を与えてくれる。

「ないもの」の筆頭は携帯電話だ。堀井憲一郎は好著『若者殺しの時代』でテレビドラマを徹底検証し、携帯電話は「1989年に一部の人が使い始め、1995年にかなり出回り、1997年からみんなが持つようになり、1998年以降、持ってないことが許されなくなった」と簡潔にまとめている。『パトレイバー』の『サンデー』の連載は1994年に終わっている。自動車電話は何度か出てくるが、個人はまだポケベルどまりで、「すぐつかまらない」ことがしばしばトラブルの火種になる。つくづく、我々のコミュニケーションが「携帯以前」と「携帯以降」で様変わりしたのを感じさせられる。前述の後藤と内海の交渉シーンも、固定電話と公衆電話でなければ「味」が損なわれるだろう。

 逆に「あるもの」に目を向けると、本作の先見性には驚かされる。レイバーの性能を握るオペレーションシステムの対立という構図や、手の動作と連動したレイバーの操作系などのテクノロジーだけでなく、人手不足と外国人労働者受け入れ問題、自動運転の普及に伴う労働者側の失業への懸念、過激化する環境保護運動、日本の対テロ対策の甘さなど、その視野は社会問題にまで及んでいる。

 先見性という面では、巨大生物「廃棄物13号」事件のエピソードにみられる、「巨大怪獣と対決する政府・行政組織」という展開と撃退の決定打となる対抗策には、映画『シン・ゴジラ』の先行作という趣もある。

 今回、このコラムを書くにあたって再読した際には、第2小隊のまとめ役である熊耳武緒(くまがみ・たけお)の内海に対する愛憎半ばする複雑な思いが、意外なほど胸に響いた。ネタバレになるので詳細は避けるが、最終盤、熊耳が内海に「リチャード‼」と呼びかけるシーンが、強い印象を残した。不可解にも思える熊耳の一連の行動を説明しつくす、うなるような絶妙なセリフだ。ぜひ、本編で味わってみてほしい。

 映画版やアニメ版も一流のスタッフが腕を振るった秀作ぞろいで私も一通り見ているが、マンガ版がもっともバランスのよい娯楽作品に仕上がっていると思う。脇役も含め、魅力的なキャラクターたちに再会したくなると、ついつい再読してしまう。

高井浩章 1972年生まれ。経済記者・デスクとして20年超の経験があり、金融市場や国際ニュースなどお堅い分野が専門だが、実は自宅の本棚14本の約半分をマンガが占める。インプレス・ミシマ社の共同レーベル「しごとのわ」から出した経済青春小説『おカネの教室 僕らがおかしなクラブで学んだ秘密』がヒット中。 noteの連載はこちら https://note.mu/hirotakai
関連記事 (2018年11月6日フォーサイトより転載)
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