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白鵬は、なぜ批判覚悟で「猫だまし」を仕掛けたのか。新しい横綱像

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白鵬、批判覚悟の奇襲の理由 夢は「東京五輪まで綱を」

大相撲は10日に初日を迎える初場所(東京・国技館)で2016年の幕が開く。今年も土俵の中心になるのは、横綱の白鵬だろう。昨年は優勝回数で昭和の大横綱だった大鵬の記録を抜き、35回まで記録を伸ばした。強さを示す一方、批判覚悟で奇襲を仕掛け、これまでにない横綱像を描こうとしている。30歳の見据える先にあるものは?

優勝回数で未知の領域に足を踏み入れて以降、白鵬には目標を見失った時期が続いた。

「ずっと背負っていた十字架みたいなものをようやく下ろしたというか」「何と言えばいいのか。心にぽっかり穴が開いたような、変な気持ちになった」

自分は何を目指して土俵に上がるべきなのか。自問自答し、苦悩を乗り越えた状況を振り返ったのは、昨夏ごろだった。

光を見いだしたのは、父ムンフバトさん(74)の存在だった。モンゴル相撲の英雄で、1968年メキシコ五輪のレスリング銀メダリスト。64年の東京五輪にも出場している。だから、「(20年の)東京五輪の開会式で横綱土俵入りが実現するなら、親子で五輪の舞台に上がることができる」と考えるようになったという。

夢が実現するなら35歳になっている。この年齢まで綱を張ったのは、過去30年を振り返ると35歳11カ月で引退した千代の富士(現九重親方)だけだ。難しい目標かもしれないが、モチベーションを高める新たな材料になったのは確かだ。

もう一つ、ある思いが頭をもたげてきたことも動機付けになっているようだ。昨年の九州場所で、周囲を驚かす一番として現れた。

10日目の栃煌山戦で、相手の目の前で両手をたたいて驚かす奇襲「猫だまし」を繰り出した。横綱らしからぬ策に、批判の声が相次いだ。

本人は「一度やってみたいという素直な心。そういう技があるなら、効くのか効かないのか試したかった」。期待するファンがいるなら「記録でなく、記憶にも残るものを」と再びの奇襲、更に珍技、大技への思いも明かした。

横綱だからという足かせを取り払い、自らも土俵を楽しむように普段ではお目にかかれない技も極め、披露する。白鵬なりの新しい横綱像の追求なのだろう。

昨年の秋場所で約9年ぶりの休場を決断した。直接の原因は左ひざ痛だが、長年の蓄積疲労もあっただろう。63連勝を成し遂げた10年の頃と比べると、自身でも「力は少しずつだが落ちている」と認めるが、うまさや安定感は今も頭一つ抜き出ている。



(朝日新聞デジタル 2016年1月9日00時14分)

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(朝日新聞社提供) 

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