都心積雪20センチ超 20年ぶり 東日本、9日も警戒
急速に発達した低気圧の影響で8日、日本列島は広い範囲で強風を伴った雪が降り、平野部でもまとまった積雪となった。東京都心では20年ぶりに積雪が20センチを超えた。東日本では9日も雪が続く見通しで、気象庁は暴風雪や路面凍結、交通機関の遅れに注意するよう呼びかけている。
気象庁は8日午前、13年ぶりに東京23区に大雪警報を発表したほか、神奈川、千葉など各県に暴風雪や大雪警報を出した。
気象庁によると、9日午前0時現在の積雪は、長野県松本市48センチ▽甲府市43センチ▽前橋市32センチ▽千葉市32センチ▽東京都心27センチ▽横浜市14センチ▽仙台市25センチ。東京都心では、積雪23センチを記録した1994年2月12日を超える大雪となった。その月の最も多い積雪量を抽出して比べてみると、戦後4番目になるという。千葉市は84年1月19日の26センチを超えて、66年の統計開始以来、最大値を更新した。
9日午後6時までの24時間降雪量は多い所で、関東北部の山沿い30センチ▽関東の平野部20センチ▽甲信15センチ――と予想されている。
雪による事故も相次いだ。長野県内では除雪中の事故で1人が死亡。このほか、朝日新聞の8日午後9時現在のまとめでは、東日本の1都9県で少なくとも309人が負傷した。転倒して骨折する高齢者も続出した。
交通機関も乱れた。日本航空は、羽田空港発着を中心に国内線304便、国際線3便が欠航した。全日空も羽田空港を中心に国内線274便、国際線2便が欠航した。他に少なくとも175便が欠航し、計11万人以上に影響が出た。
JRや私鉄のダイヤも大きく混乱。東海道新幹線はこの日、上下333本に最大2時間16分の遅れが出て21万2千人に影響した。東北、上越、長野の各新幹線や在来線でも遅れや運休が出た。新交通ゆりかもめは雪と変電所の故障のため午前11時から全線で運休。東武鉄道や小田急電鉄、西武鉄道でも特急を運休した。
新東名高速道路や長野道は全線で、中央道、圏央道などでも一部区間で通行止めが相次いだ。
東京電力管内の1都4県は午後9時半現在で2万世帯弱が停電。神奈川県は一時20万世帯超が停電した。
大学入試では、昭和大(東京)が試験開始時間を2時間遅らせるなどの影響が出た。9日も学習院大(東京)が8日に続いて開始を40分遅らせるなど、各大学が対応をとっている。
◇
西日本では8日夕までに太平洋側の雪はほぼやんだが、厳しい寒さが続いた。
雪の影響で神戸淡路鳴門自動車道は午前0時から5時間、神戸西インターチェンジ(IC)―鳴門IC間の全線で通行止め。本州四国連絡高速道路鳴門管理センターによると、積雪による全線通行止めは1998年の全線開通以来初めてという。
気象庁によると、8日午後11時までの最低気温は、京都市0・4度、大阪市0・2度、神戸市0・8度で、いずれも平年より低かった。午後11時までの24時間の降雪量は、京都市で3センチ、大阪市で2センチ、奈良市で2センチとなった。
雪の中、死亡事故も相次いだ。岡山県倉敷市で同日早朝、市道わきの用水路に転落している軽乗用車が見つかり、運転席にいた近くの男性(46)が死亡した。発見時、現場の積雪は数センチあった。石川県小松市でも同日朝、軽乗用車同士の衝突事故があり、90歳と88歳の女性2人が死亡した。
9日は冬型の気圧配置となり、太平洋側では晴れる所もある。
◇
急速に発達した低気圧が東海地方の南海上を通過した影響で8日、名古屋市や岐阜市の平野部で、今冬初の積雪を観測した。気象庁によると、名古屋市千種区では午前11時に5センチ、岐阜市は正午に4センチの積雪を記録した。
◇
日本列島の広い範囲で大雪が降った8日、九州・山口も厳しい冷え込みに見舞われた。気象庁によると、山口県内では同日朝、山口市と美祢市で13センチの積雪が観測され、高速道路が広範囲にわたって通行止めとなった。9日も冬型の気圧配置で冷え込みが続くが、積雪のおそれはないという。
福岡空港(福岡市)では羽田発着便を中心に欠航が続出。全日空では計43便が欠航し、約6400人に影響が出た。日本航空も計27便が運休。航空各社のカウンターには、便の変更手続きをする乗客らが列をつくった。横浜市の会社員佐々木智美さん(25)は「友人の結婚式で福岡に来て、今日帰る予定だった。よりによってなんで今日なのか」と疲れた様子だった。
陸の交通にも影響があった。北九州都市高速道路や大分県内の一部高速道路も雪で一時通行止めに。JR九州によると、山陽新幹線の運転見合わせなどのため、九州新幹線にも遅れが出た。JR山陰線の奈古駅(山口県阿武町)では停車中の上り普通列車(1両編成)の窓ガラスに数十センチのひびが見つかった。沿線の竹が雪の重みで倒れてぶつかったためという。
福岡管区気象台などによると、雪や雨を降らせた南の海上の低気圧は東に抜けたが、9日も雪や雨が降る所があり、特に山間部は路面凍結などに注意するよう呼びかけている。
急速に発達した低気圧の影響で8日、日本列島は広い範囲で強風を伴った雪が降り、平野部でもまとまった積雪となった。東京都心では20年ぶりに積雪が20センチを超えた。東日本では9日も雪が続く見通しで、気象庁は暴風雪や路面凍結、交通機関の遅れに注意するよう呼びかけている。
気象庁は8日午前、13年ぶりに東京23区に大雪警報を発表したほか、神奈川、千葉など各県に暴風雪や大雪警報を出した。
気象庁によると、9日午前0時現在の積雪は、長野県松本市48センチ▽甲府市43センチ▽前橋市32センチ▽千葉市32センチ▽東京都心27センチ▽横浜市14センチ▽仙台市25センチ。東京都心では、積雪23センチを記録した1994年2月12日を超える大雪となった。その月の最も多い積雪量を抽出して比べてみると、戦後4番目になるという。千葉市は84年1月19日の26センチを超えて、66年の統計開始以来、最大値を更新した。
9日午後6時までの24時間降雪量は多い所で、関東北部の山沿い30センチ▽関東の平野部20センチ▽甲信15センチ――と予想されている。
雪による事故も相次いだ。長野県内では除雪中の事故で1人が死亡。このほか、朝日新聞の8日午後9時現在のまとめでは、東日本の1都9県で少なくとも309人が負傷した。転倒して骨折する高齢者も続出した。
交通機関も乱れた。日本航空は、羽田空港発着を中心に国内線304便、国際線3便が欠航した。全日空も羽田空港を中心に国内線274便、国際線2便が欠航した。他に少なくとも175便が欠航し、計11万人以上に影響が出た。
JRや私鉄のダイヤも大きく混乱。東海道新幹線はこの日、上下333本に最大2時間16分の遅れが出て21万2千人に影響した。東北、上越、長野の各新幹線や在来線でも遅れや運休が出た。新交通ゆりかもめは雪と変電所の故障のため午前11時から全線で運休。東武鉄道や小田急電鉄、西武鉄道でも特急を運休した。
新東名高速道路や長野道は全線で、中央道、圏央道などでも一部区間で通行止めが相次いだ。
東京電力管内の1都4県は午後9時半現在で2万世帯弱が停電。神奈川県は一時20万世帯超が停電した。
大学入試では、昭和大(東京)が試験開始時間を2時間遅らせるなどの影響が出た。9日も学習院大(東京)が8日に続いて開始を40分遅らせるなど、各大学が対応をとっている。
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西日本では8日夕までに太平洋側の雪はほぼやんだが、厳しい寒さが続いた。
雪の影響で神戸淡路鳴門自動車道は午前0時から5時間、神戸西インターチェンジ(IC)―鳴門IC間の全線で通行止め。本州四国連絡高速道路鳴門管理センターによると、積雪による全線通行止めは1998年の全線開通以来初めてという。
気象庁によると、8日午後11時までの最低気温は、京都市0・4度、大阪市0・2度、神戸市0・8度で、いずれも平年より低かった。午後11時までの24時間の降雪量は、京都市で3センチ、大阪市で2センチ、奈良市で2センチとなった。
雪の中、死亡事故も相次いだ。岡山県倉敷市で同日早朝、市道わきの用水路に転落している軽乗用車が見つかり、運転席にいた近くの男性(46)が死亡した。発見時、現場の積雪は数センチあった。石川県小松市でも同日朝、軽乗用車同士の衝突事故があり、90歳と88歳の女性2人が死亡した。
9日は冬型の気圧配置となり、太平洋側では晴れる所もある。
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急速に発達した低気圧が東海地方の南海上を通過した影響で8日、名古屋市や岐阜市の平野部で、今冬初の積雪を観測した。気象庁によると、名古屋市千種区では午前11時に5センチ、岐阜市は正午に4センチの積雪を記録した。
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日本列島の広い範囲で大雪が降った8日、九州・山口も厳しい冷え込みに見舞われた。気象庁によると、山口県内では同日朝、山口市と美祢市で13センチの積雪が観測され、高速道路が広範囲にわたって通行止めとなった。9日も冬型の気圧配置で冷え込みが続くが、積雪のおそれはないという。
福岡空港(福岡市)では羽田発着便を中心に欠航が続出。全日空では計43便が欠航し、約6400人に影響が出た。日本航空も計27便が運休。航空各社のカウンターには、便の変更手続きをする乗客らが列をつくった。横浜市の会社員佐々木智美さん(25)は「友人の結婚式で福岡に来て、今日帰る予定だった。よりによってなんで今日なのか」と疲れた様子だった。
陸の交通にも影響があった。北九州都市高速道路や大分県内の一部高速道路も雪で一時通行止めに。JR九州によると、山陽新幹線の運転見合わせなどのため、九州新幹線にも遅れが出た。JR山陰線の奈古駅(山口県阿武町)では停車中の上り普通列車(1両編成)の窓ガラスに数十センチのひびが見つかった。沿線の竹が雪の重みで倒れてぶつかったためという。
福岡管区気象台などによると、雪や雨を降らせた南の海上の低気圧は東に抜けたが、9日も雪や雨が降る所があり、特に山間部は路面凍結などに注意するよう呼びかけている。