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ソチ五輪、世界各国首脳らが「プーチン詣で」 選手らへのお達しは「ユニホームはむやみに着るな」

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「プーチンの五輪」開幕へ 40超す首脳がソチ詣で

史上最多の国と地域が参加するロシア・ソチ五輪が7日、開会式を迎えた。テロの脅威や性的少数者への差別問題がくすぶり続ける中、日本をはじめ40を超える首脳が駆けつけた。「五輪外交」の主役、プーチン大統領に会うためだ。


■黒海沿岸に最新兵器、海上には艦艇

ロシアの威信を詰め込んだ開会式が開かれる「五輪公園」。金属探知機が並ぶ入り口では7日、開会式を観戦する人たちの所持品を多数の係官が入念にチェック。空港並みの厳しさだ。

観客はチケットを買うだけでなく、事前にパスポートデータや顔写真を専用サイトで登録して「観戦者パス」を受け取らなくてはならない。会場入り口で、警備員がパスに登録された情報が観客本人か照合する。

五輪公園から約3キロ離れた黒海沿岸には、迷彩色のネットで覆った、ミサイルや飛行機など空からの攻撃を迎え撃つ最新兵器が設置されている。海上にはロシア海軍の艦艇も見える。

五輪関連施設だけではない。ソチ中心部と空港、五輪開催地を結ぶ鉄道駅でも乗客は金属探知機をくぐり、所持品検査を受ける。ロシア紙「ベドモスチ」によると、警察官や連邦保安庁職員ら計7万人が動員されているという。

過去にテロ事件に関与したとされる女3人がソチに潜入したとの情報があり、警察はホテルや公共施設に手配写真を配るなどして警戒している。

参加国もピリピリした対応ぶりだ。米国は、非常事態に備えて治安当局者ら約140人をロシアに派遣。さらに五輪期間中、ソチ沖の黒海に医療設備などを完備した米艦船2隻を展開し、万一の場合に米国人を救援する態勢を整えた。米国人を狙ったテロを警戒し、選手らに星条旗のデザインをあしらったユニホームを競技場外でむやみに着ないよう呼びかけている。

米ロサンゼルス・タイムズ紙によると、オーストラリア五輪委員会のコーツ会長は「安全面を考えると選手が五輪期間中にソチ以外を旅行することは認められない」と語った。カナダ紙によると、カナダ政府も国民に対して五輪観戦に行くかどうかを慎重に判断するよう警告したという。

ソチに連なる北カフカス地方の一部地域では、今もテロが相次いでいる。特にダゲスタン共和国では複数のイスラム系武装勢力が活発に活動。昨年末にソチから約650キロ離れたボルゴグラードで起きた連続自爆テロも、ダゲスタンの過激派が起こしたとされる。

テロが続く一因には、北カフカスの人々が高い失業率や貧困などに苦しみ、その結果、過激な思想に傾倒する若者らが後を絶たないことがある。ロシアからチェチェンを独立させようと戦った武装勢力は敗れたが、モスクワなど各地でテロ行為を続けた。ほかの過激派も増え続けている。

ソチ五輪開催は、テロの温床になっている貧困層を減らすための地域経済へのてこ入れという意味合いも大きかった。五輪後も年内に主要国首脳会議(G8サミット)や自動車のF1グランプリなど大型イベントを立て続けに開催する予定だ。しかし、政治家や企業の不正のうわさが絶えず、注ぎ込んだ国家予算がどれだけ一般住民の懐に回っているのかは分からない。


■人権問題の中、過去最多の首脳出席か

「外国から皆さんよく来てくれました。五輪の開幕は明日7日ではなく、ここから始まります」。7日未明、ソチ中心部にあるゲイクラブ「灯台」。女装した男性が歌を披露した後、客席に語りかけた。客席の欧米人らはどっと笑い、大きな拍手がわき上がった。

出演した同性愛者のティムールさん(26)は昨年ロシアで成立した、未成年に対する同性愛の宣伝行為を禁止する法律について、「どういう行為が宣伝に当たるのか、法律には規定がない」と批判する。

この法律をめぐり、欧米から同性愛者への差別を助長しかねないとの批判が噴出。識者らが五輪ボイコットを呼びかける事態となった。選手団派遣を見送った国はないが、米国のオバマ大統領やフランスのオランド大統領らは開会式に出席しない。法律への抗議の意味があるとみられている。

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(朝日新聞社提供) 


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