スパイク・ジョーンズ監督の最新作「her/世界でひとつの彼女」は、コンピューターの人工知能と恋に落ちる男性の物語だ(日本公開は2014年6月)。
この映画がきっかけとなり、ブログやツイッター上では、インターネット・コミュニケーションが盛んなこの時代に、人間同士の親密なつながりは今後どのように変化していくのか、熱心に意見が交わされている。科学者や社会学者だけでなくあらゆる人々が、スマートフォン(以下スマホ)がいけないという意見に同意しているようだ。
愛すべきスマホは、たしかに、悲しい時には慰めてくれるし、お腹が空いた時には最寄りのドーナツ屋さんを教えてくれる。けれどもスマホは、リアルでの恋愛のように、人間を変えてしまうほどの影響力を持っているのだろうか?
Siriの声は、上述した映画でスマホの声を演じているスカーレット・ヨハンソンとは似ても似つかない。そんなスマホと恋に落ちるなど、ありうるのだろうか?
以下、あなたがスマホによって人格まで変わりつつあることを示す証拠を挙げていこう。
1.大切なスマホと自分以外の世界が存在していることを、時々忘れてしまう。
幸い、周囲の人間もみな、スマホとカップルになっているようだ。
2.ほかの誰かから、どんなに誘惑されても惑わされない。
自分のスマホ以外、一切目に入らないのだ。
3.ロマンスと熱情の波に、いまだにさらわれてしまう。
これが都会型のロマンスだ。
4.スマホと一緒に人に会いに出かけても、結局は、ほかの誰とも話をしない。
恋人ができたとたん、ほかの人とは話さなくなってしまう人を、あなたも知っていることだろう。
5.人々の中にいても、自分はスマホと2人きりのような気がする。
スマホがおもしろいのに、周囲の人間は何かと邪魔をする。
仕方がないので、とりあえず失礼のないよう対応している。
6.ときには、関係を隠さなければいけないときもある。ふたりの関係を理解してくれない人たちもいるからだ。
これこそ、「マスター級」のメール術だ。
7.自分の子どもともうまくやってくれるので、スマホがますます愛しくなる。
おとぎ話はエンドレスに話してくれる。
8.スマホとの関係を、ほかの人間関係と両立させることは難しい。けれどもとうとう、その方法がわかった。
おかげで、1日の終わりに、スマホと一緒に静かなひと時を過ごせるようになった(隣に座るパートナーもスマホを手にしているから)。
9.家族からは非難されない。なぜなら彼らもスマホに首ったけだから。
家族全員が電子機器に没頭する写真が掲載されたクリスマスカード。「めりくりあけおめ」
何だかんだあったが、スマホも今では家族の一員となったのだ。
10.オバマ大統領の一家さえも、スマホとの関係を支援する意向を示した。
モバイル機器と、どうしたら健全かつ長期的な関係が構築できるのか、大統領一家はそのロールモデルになっている。
11.政治家は、仕事中にこっそりスマホといちゃいちゃすること知られている。
財政の崖?(爆笑) どうだっていいさ;)
12.華やかなセレブたちも、一流ブランドのファッションショーにスマホ同伴で現れる。
ファッション専門家たちは、斬新な曲線や使いやすさを高く評価している……もちろん、洋服の話だ。
13.美術館にも、ぜひ連れていく。
構図も背景もいい。
14.まだまだ互いを知り尽くしていない、と日々実感する。
「君の好きな色は何?」「わたしの好きな色とは…そうですね、あなたの使われる言語では何と言うのかわかりません。それは緑色っぽいですが、もう少し広がりがありますね」
自分の考えをハキハキと述べる彼女なら、母親も気に入ってくれそうだ。
15.どんな時でも、できるかぎり近くに存在したい。
熱いまなざしを浴びせながら。
16.もう独りでは眠れない。
ふたりはベッドで何時間も一緒に過ごす。
ときには、妙な事故が起こったりもする。有名人もそうらしい。
英男性アイドルグループ「ワン・ダイレクション」のハリー・スタイルズはこうツイートした。「顔にスマホを落としちゃった」
Just dropped my phone on my face.
— Harry Styles (@Harry_Styles) October 27, 2013
17.スマホとの絆に不安を抱く必要はもうない。一緒にトイレに入っても平気な間柄になったのだから。
トイレに一緒でも平気、というのは、ハネムーン気分はもう終わりということだが、安定した関係はもっと大切だ。一日の終わりにゲーム「キャンディ・クラッシュ」をするときには、しっかりしたアイコンタクトも必要だし。バーチャル・リアリティに万歳。
[Amanda Scherker(English) 日本語版:ガリレオ]
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