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STAP細胞―どんな細胞にもなれる万能細胞の作成に成功 理研・小保方晴子さんら

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新しい万能細胞作製に成功 iPS細胞より簡易 理研

理化学研究所などが、まったく新しい「万能細胞」の作製に成功した。マウスの体の細胞を、弱酸性の液体で刺激するだけで、どんな細胞にもなれる万能細胞に変化する。いったん役割が定まった体の細胞が、この程度の刺激で万能細胞に変わることはありえないとされていた。生命科学の常識を覆す画期的な成果だ。29日、英科学誌ネイチャー電子版のトップ記事として掲載された。

理研発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の小保方晴子(おぼかたはるこ)ユニットリーダー(30)らは、新たな万能細胞をSTAP(スタップ)細胞と名付けた。STAPとは「刺激惹起(じゃっき)性多能性獲得(Stimulus―Triggered Acquisition of Pluripotency)」の略称だ。

朝日新聞デジタル




泣き明かした夜も STAP細胞作製の30歳女性研究者

いつも研究のことを考えています――。世界を驚かす画期的な新型の万能細胞(STAP(スタップ)細胞)をつくったのは、博士号をとってわずか3年という、30歳の若き女性研究者だ。研究室をかっぽう着姿で立ち回る「行動派」は、負けず嫌いで、とことんやり抜くのが信条だ。

「やめてやると思った日も、泣き明かした夜も数知れないですが、今日一日、明日一日だけ頑張ろうと思ってやっていたら、5年が過ぎていました」

28日、神戸市内の理化学研究所発生・再生科学総合研究センターでの記者会見。無数のフラッシュの中、小保方晴子(おぼかたはるこ)さんはこれまでの日々を振り返った。

朝日新聞デジタル




「生物のロマン見ている」 小保方さん会見一問一答

新しい万能細胞「STAP細胞」を発見した理化学研究所の小保方晴子ユニットリーダー(30)が、1月28日に開いた記者会見の一問一答は次の通り。

――STAP細胞を作るため、細胞に外部から与えるストレスで、酸性の液体を選んだ背景は。

「実は様々なものを試した。細いガラス管の中に通す物理的ダメージを与えたり、毒素で細胞膜に穴をあけたり、飢餓状態にするために栄養を与えず長期培養したり、ヒートショックを与えたり、思いつく限りの条件を試した。その中でたまたまというか、酸性溶液によるストレスが最も効率が高かった」

――なぜ外部から刺激を与えるという方法を思いついたのか。

「(体の細胞から)小さい細胞を取り出す操作をすると幹細胞が現れるのに、操作しないと見られない。幹細胞を『取り出している』のではなく、操作(という外部からの刺激)によって、『できている』という考えに至った」

――STAP細胞にはiPS細胞やES細胞にない分化能があるのはなぜか。

「推測の域を出ないが、iPS細胞はES細胞をゴールに決めた初期化の試みだ。今回の(STAP細胞の)報告は、細胞自身が勝手に(初期化を)起こすので、どこがゴールかわからない。細胞の意思に任せるところに特徴がある」

――STAP細胞は、ES細胞やiPS細胞よりいろいろな組織に分化できる能力が高いのか。

「分化する能力についてはそう言い切れると思う」

――生きている体の中でもSTAP細胞と同じような細胞の「初期化」が起こっているのか。

「研究を進めているが、生体内ではストレスが加わっても完全な初期化が起きない。大きな変化が起きないように制御されているのではないか」

――なぜ細胞はこんな仕組みを持っているのか。

「単細胞生物にストレスがかかると胞子になったりするように、(多細胞生物である)私たちの細胞も、ストレスがかかると何とかして生き延びようとするメカニズムが働くのではないか。そういうロマンを見ています」

asahi shimbun logo

(朝日新聞社提供) 


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