柔道部の仲間と一緒に練習に励む皆川優太君(右)=新潟県魚沼市
中越地震10年、生還の少年12歳に 「命救う仕事を」
68人が亡くなった新潟県中越地震から23日で10年。土砂崩れ現場から奇跡的に救出された少年は「人の命を救う仕事に就きたい」と願う。
2004年10月23日午後5時56分。地震発生直後、長岡市妙見町の県道脇の土砂が崩れ、県道を走っていた母子3人が乗ったワゴン車がのみ込まれた。約93時間後、車と岩のすき間にいた皆川優太君(当時2)が奇跡的に救助された。
あれから10年。今、優太君は12歳の中学1年生だ。新潟県魚沼市の自宅で稲作農家の祖父敏雄さん(78)、祖母ミハルさん(76)と3人で暮らす。肉料理とご飯が大好きで、この1年で15センチ近くも背が伸び、170センチになった。
敏雄さんの勧めで、小学校低学年から始めた柔道は、市の大会で優勝するまで力をつけた。「得意技は大内刈り。練習で先輩を投げるときは達成感がある」。勉強に励みながら、毎日、好きな部活の柔道に汗を流している。
土砂崩れ現場で救出され、救助隊員に抱きかかえられる皆川優太君=2004年10月27日、新潟県長岡市、東京消防庁提供