ゴッホが切り落とした左耳、3Dプリンターで再現

ゴッホが切り落とした左耳、３Ｄプリンター使い再現

この夏、「画家ゴッホの切り落とされた左耳」が、ドイツ南西部の美術館に展示された。３Ｄプリンターの最新技術を使って再現された作品だ。耳とつながったマイクに向かって話しかけると、「耳」が受け止めている音が館内に響いた。

米ボストンの芸術家、ディームト・ストリーブ（４７）は、ゴッホが耳を切り落とす前の写真をもとに、３Ｄプリンターで「ゴッホの耳の型」を作製。複雑な耳の形状を、立体的に簡単に再現できるのは、３Ｄプリンターならではだ。

ゴッホの弟テオの子孫であるリーウ・ファン・ゴッホから耳の軟骨組織の提供を受け、「ゴッホの耳の型」のなかで、１年かけて培養した。ＳＴＡＰ細胞の論文（その後撤回）の共著者として知られる、米ハーバード大教授のチャールズ・バカンティらの協力も得た。全遺伝情報の１６分の１がゴッホと一致する。ストリーブは「きちんと世話をすれば、５０年は持つ」という。

医療現場で、本物の耳を再生しようとする取り組みも進んでいる。