北朝鮮、金正恩氏を称える新曲・詩・ポスターなどを作成　偶像化が加速

正恩氏たたえる新曲・詩・ポスター　加速する偶像化

北朝鮮で、金正恩（キムジョンウン）第１書記を偶像化する動きが加速している。正恩氏への忠誠を誓う歌や詩、ポスターが相次いでつくられ、各地で「忠誠大会」も開催。事実上のナンバー２だった張成沢（チャンソンテク）・前国防委員会副委員長の粛清に伴い、正恩氏の「絶対的な権力」をさらに強める狙いがあるとみられる。

朝鮮労働党機関紙、労働新聞（電子版）は２１日、正恩氏がほほ笑む写真や、人民が国旗や花束を持って行進する写真とともに、「あの方がいないと生きていけない」と題した新曲を楽譜つきで１面に掲載した。「我々の運命　金正恩同志　あの方がいなければ　我々は生きていけない」などと、正恩氏をひたすらたたえる内容だ。

北朝鮮では８日に張氏を党政治局拡大会議で解任した後、正恩氏だけに従っていくという内容の新曲「我々はあなたしか知らない」「革命武力は元帥の領導だけをいただく」などを相次いで発表。正恩氏への忠誠を強調した詩や、「我々は最後まであなたに忠実です」などと書かれたポスターも作られ、忠誠を誓う「決意の手紙」を採択する集会も各地で開かれている。

これまで故金正日（キムジョンイル）総書記に使われてきた「偉大なる領導者」という敬称も、集会などで正恩氏に使われ始めているという。北朝鮮関係筋は「中でも歌は各職場などで繰り返し歌わされ、偶像化には最も効果がある。今後もどんどん作られるだろう」とみている。