
「この人知らない人です!」と叫ぶ車椅子の女性を救ったエピソードがネット上で話題になっている。
衝撃的な体験を8月20日に、Twitterに投稿したのは「僕と日本が震えた日」などの作品で知られる漫画家の鈴木みそさん。10年以上前に東京・新宿の繁華街で、目の前で車椅子に乗った女子高生が男に連れ去られそうになる現場を目撃したという。
女子高生から「この人全然知らない人です!今勝手に車椅子を押してるだけで」と助けを求められたため、車椅子を押している男に「今あんたの顔を撮りました! 警察に行きますよ!」と声をかけたところ、男は立ち去ったという。
子供を連れて行ってしまう頭のおかしなお母さんの話がバズっていたけど、10年以上前に新宿の大ガード下を歌舞伎町に抜けた時、目の前にいた車椅子の制服の女子高生がオレに声をかけてきたんですよ。
— 鈴木みそ (@MisoSuzuki) 2018年8月20日
「すいません、助けてください!」
後ろで短髪の冴えないおっさんが車椅子を押している(続く)
ああ車椅子で段差が超えられないのかなと思って近くに行くと、保護者の男性がすごい目でこちらを睨むんですよ。
— 鈴木みそ (@MisoSuzuki) 2018年8月20日
「助けてください!」と女子高生。
「この人知らない人です!」
え? この人ってだれ?
後ろの男性?
混乱していたら、おっさんが「おまえはあっちいけ!関係ねえ!」(続く)
(続き)落ち着いて彼女にもう一度確認「え? この人は全然知らない人? 勝手にあなたの車椅子を押している赤の他人?」
— 鈴木みそ (@MisoSuzuki) 2018年8月20日
「そうです!」と泣きそうな彼女。
そのやり取りを見てもこの誘拐犯は手を離さず、90度ターンして車椅子を新大久保方向に押していこうとする。
「おおい! 待てや」(続く)
(続き)心臓はバクバクして、頭は混乱していたが、持っていたガラケーをかざした。「今あんたの顔を撮りました! 警察に行きますよ!」ここで本当に撮影しなかったことをずっと後悔するのだが、おっさんはこちらを睨むと、ブツブツ言いながら車椅子から手を離してパチンコ屋の角に消えていった。
— 鈴木みそ (@MisoSuzuki) 2018年8月20日
鈴木さんは、ハフポスト日本版の取材に対して当時の状況を以下のように振り返った。
「いや、新宿怖っ!って思いましたよ。このまま彼女はどこに運ばれていったのか、あのおっさんが勝手に思いついたというより、なんか当たり前のように運んでいたんで、こういうことは普通にあることなのかな、と考え込みました」
男に声をかけたときの状況に勇気が要ったかを聞くと、次のように打ち明けた。
「目の前が西武新宿駅で人通りも多かったので、いざとなったら大声出せばなんとかなるかなと思ったんで、そんなに勇気が必要でもなかったかな。堅気じゃない風貌なんで怖いは怖かったですが...」