イエメン政府当局は12月12日(現地時間)、米軍の無人航空機が、結婚式へ向かう車列をミサイルで攻撃する事件が発生し、少なくとも13人が死亡したと発表した。
ロイター通信はイエメン警察当局の発言を引用し、結婚式の車列は、「アルカイダの車列と間違えられて」標的にされたと報じている。現地放送局の報道では、この事件で15人が死亡し、5人が負傷したという。
警察当局のある人物によると、「この攻撃によって、本来の標的ではない結婚式の車列が襲撃された。事件発生時に10人が死亡し、さらに5人が搬送先の病院で死亡した」という。
いっぽう、その後のAP通信の記事によれば、この車列には実際にアルカイダのメンバーがいたという情報もある。
この事件は、バイダ県の首都ラッダ市で発生したと現地当局は発表している。同市はアルカイダの活動拠点として知られている。
米国政府は、イエメンを拠点に活動する組織「アラビア半島のアルカイダ(AQAP)」について、現在世界で最も活発なテロ組織のひとつだと考えている。同組織が好戦的な活動を活発化させてきたことに伴い、米国は2011年以降、イエメンにおける無人航空機の出動回数を増加させている。
今年の12月5日には、AQAPのメンバーがイエメンの軍事基地を攻撃し、医者や看護士等を含む56名が死亡した(以下の動画:閲覧注意)。AQAPはこの攻撃について、同集団の指導者たちが何人も無人機で殺されてきたことへの報復だと主張していた。
AQAPは、アルカイダのサウジアラビア支部のメンバーが2009年、米軍およびサウジアラビア政府の攻撃・弾圧を避けて活動拠点をイエメンに移し、同国のアルカイダ支部のメンバーと合同して発足したテロ組織。イエメン国内に構成員を500-600人抱え、パキスタンとアフガニスタンを除くと最も有力なテロ組織になっている。
■閲覧注意
[Ryan Craggs(English) 日本語版:丸山佳伸/ガリレオ]
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