ウクライナ・失脚したヤヌコビッチ前大統領が「落ち武者」状態に

前大統領、いまどこに　ウクライナで相次ぐ出没情報

行方をくらまして議会に解任されたヤヌコビッチ前大統領の出没情報が、ウクライナ南東部で相次いでいる。ロシアと結びつきが強く自らの支持者も多い地域を「落ち武者」のように逃げ回っているようだ。

アバコフ内相代行のもとに、ヤヌコビッチ氏が２３日にロシア黒海艦隊基地がある南部クリミア半島セバストポリの自らの邸宅に入ったとの情報が寄せられた。ここで随行していた警備員の一部が離脱。同氏は側近と車で去り、一切の通信を絶ったという。

アバコフ氏は２４日、大量殺人容疑でヤヌコビッチ氏らを指名手配したことをフェイスブックで明かした。

ヤヌコビッチ氏は２１日、ヘリコプターで東部ハリコフへ。翌日、議会に解任されるとハリコフでインタビューを受け、「辞任しない」と強調。間もなく故郷のドネツクの空港からチャーター機で離陸を試みたが、国境警備隊に阻止されたことが確認されている。（キエフ＝西村大輔）