ウクライナ、反体制派が首都キエフ掌握 大統領は東部へ離脱

反政権派が首都掌握　ウクライナ、５月に大統領選

反政権派と治安部隊の衝突で多数の死者が出たウクライナで２２日、反政権派は大統領府など首都キエフを掌握した。ヤヌコビッチ大統領は一時行方が分からなくなり、議会は大統領が権限を放棄したと見なし、独自に前倒し大統領選の日程を５月２５日と決めた。その他多数の法案を可決。政権は機能不全に陥った。

大統領は２２日夕、東部ハリコフで、テレビに出演し「これは国家クーデターであり、辞任の考えはない」と語った。大統領はハリコフで自派の議員らと、野党勢力の動きに対抗する構えを見せていた。

大統領の政敵で、職権乱用罪で服役中だったチモシェンコ元首相は２２日釈放され、大統領選出馬を表明した。


服役中のウクライナ元首相、釈放　大統領は首都脱出

ウクライナのヤヌコビッチ大統領と野党指導者らが流血拡大を避けるため合意した首都キエフ中心部は一夜明けた２２日朝、事実上、反政権派の「解放区」になった。大統領はキエフを離脱。イタルタス通信によると、同日釈放された大統領の政敵チモシェンコ元首相は、５月２５日の大統領選に出馬すると表明した。


ウクライナ合意の早期実施を　米ロ首脳、電話会談で一致

オバマ米大統領とロシアのプーチン大統領が２１日、電話で会談し、混乱が続くウクライナ情勢について、ヤヌコビッチ大統領と野党指導者ら３人が署名した合意を早急に実施することが重要だとの認識で一致した。合意では、９月までの憲法改正や前倒し大統領選の実施などが定められた。

　米国務省高官によると、米ロ両首脳はヤヌコビッチ政権と反政権勢力の双方に対し、これ以上の武力行使を自制するよう求めることを確認。欧州連合（ＥＵ）とともに引き続き関与していくことを確認した。

　ロイター通信によると、カーニー米大統領報道官は「ウクライナが暴力にのみ込まれないことはロシアにとっても利益になる」と述べた。