富士山噴火の広域避難計画 降灰避難対象地域に47万人
富士山が噴火した場合の広域避難計画を山梨、静岡、神奈川の3県と国などが6日、まとめた。降灰の堆積(たいせき)で住宅倒壊の恐れがあるとして、避難を迫られる住民は47万人に上る。世界遺産を目当てに観光客らも集まる山麓(さんろく)では最悪の場合、静岡県の2市に溶岩流が達し、23万8千人の住民避難が必要になる。
富士山では宝永噴火(1707年)以来、大きな噴火はないが、被害や影響が他の火山に比べて甚大だと判断して、2年前に富士山火山防災対策協議会を設けて議論してきた。
計画によると、宝永噴火と同規模の噴火が起きると、南関東全域で2センチ程度の降灰があり、範囲は房総半島にまで及ぶ。健康への影響が指摘される2センチ以上の降灰の堆積が想定される地域には東京都心、横浜市や川崎市も含まれる。
降灰が理由で堅牢な建物や域外への避難が必要とされたのは、神奈川県南足柄市や秦野市、静岡県御殿場市、山梨県山中湖村など12市町村で、雨が降った場合に木造住宅が倒壊する恐れがある降灰30センチ以上の地域。47万人のうち、40万6千人を神奈川県が占めた。