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桜井勝延氏、南相馬市長に再選 「脱原発」掲げる

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南相馬市長選、脱原発の現職・桜井氏が再選

福島県南相馬市長選は19日、投開票され、無所属現職の桜井勝延氏(58)が再選を果たした。東京電力福島第一原発事故で多くの市民が避難を余儀なくされるなか、事故に対する国や東電の責任追及や脱原発を明確に掲げる姿勢が評価された。投票率は62・82%(前回67・43%)。

桜井氏は1万7123票、前市長の渡辺一成氏(70)は1万985票、無所属新顔で前市議会議長の横山元栄氏(65)は5367票だった。桜井氏は「震災と原発に殺された多くの人々の悔しさを国と東電に伝えて闘い続ける。南相馬から一緒にこの国を立て直していこう」と呼びかけた。

南端が福島第一原発の約10キロ北にある南相馬市は、市域の4割が避難指示区域に指定されて約1万3千人が避難し、区域外からも1万人超が市外に自主避難している。こうした状況に加え、東京都知事選で脱原発を掲げる細川護熙元首相が立候補表明した影響もあり、早期の脱原発か否かが争点の一つになった。

桜井氏は、震災後にメガソーラーや風力発電の誘致に取り組んできた実績をもとに「市内全世帯を上回る約3万世帯の電力を再生可能エネルギーでまかなう」と早期の脱原発を主張。賠償格差の解消や国の責任による除染の徹底を再三求めてきた政治姿勢を強調し、「利益優先・原発再稼働の国や東電と闘っていく」と訴え、放射能汚染に苦しむ有権者の支持を広げた。

横山、渡辺両氏は脱原発に慎重な姿勢を示す一方、復興の遅れなどについては「何でも反対の現職の政治姿勢が原因」と批判したが、及ばなかった。

市南部から市内の仮設住宅に避難し、寝たきりになった80歳の義母を世話する主婦(58)は「国や東電にきちんとものを言い、脱原発をはっきり言ってくれる桜井さんに投票した。これだけ原発のせいでひどい目にあってんだから。復興のためにも今は継続が大事だし」と話す。(本田雅和)

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(朝日新聞社提供) 


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