細川氏は立候補の理由について「今の日本のさまざまな問題、とくに原発の問題は国の存亡に関わるという危機感を持っている」と語り、脱原発を中心に訴える考えを示した。具体的な政策に関しては、改めて立候補の記者会見で明らかにする考えだ。
(朝日新聞デジタル「細川氏、都知事選立候補を表明 小泉氏が支援約束」より 2014/01/14 13:23)
都知事選は1月23日告示、2月9日に投開票される。今のところ、自民党が支援する舛添要一元厚生労働相、共産・社民両党が推薦する日弁連前会長の宇都宮健児氏、元航空幕僚長の田母神俊雄氏らが出馬する意向を示している。
原発については、細川氏のほか舛添氏、宇都宮氏も脱原発を目指す意向を明らかにしている。
私も脱原発です、ということを常にそれ(東日本大震災)以来、言い続けています。国民の大多数が原発に依存しない社会をつくろう、というのはこれはもう当然、コンセンサスになり得るという風に思っています。ただ、具体的にどうするんですか、っていうときに、(中略)風力であるとか太陽光というのは安定性とか価格とかいろいろな問題があるんですけど、原発がなくなったときに代替エネルギーをどういうパッケージをやるのかというのはしっかり考えなければいけません。
(ニコニコ生放送「《都知事選出馬へ》舛添要一氏 記者会見 生中継 - 2014/01/14 14:30開始」より 2014/01/14)
【宇都宮けんじの基本政策】①世界一働きやすく、くらしやすい東京を②環境重視、防災・減災重視の東京を③原発再稼働・原発輸出を認めず、原発のない社会と経済を東京から④教育現場への押し付けをなくし、いじめのない学校を⑤安倍政権の暴走をストップし、憲法を守り、東京からアジアに平和を発信
— 宇都宮けんじ (@utsunomiyakenji) January 12, 2014
一方、田母神氏は従来より原発再稼働を支持している。
本日の産経新聞正論、JR東海会長の葛西敬之氏が「再稼動が必要なこれだけの理由」として、原発早期再稼動の必要性を訴えている。私も全くの同感です。皆さん読んでみてください。
— 田母神俊雄 (@toshio_tamogami) September 29, 2013
■有力候補、4人中3人が「脱原発」
細川氏を支持する小泉元首相は、「この戦いは、原発ゼロでも日本が発展できるというグループと、原発なくしては発展できないというグループとの争いだ」とするものの、実態としては、有力候補の多くが「脱原発」を掲げているのが現実だ。
宇都宮健児氏はこの点も踏まえ、脱原発だけが争点ではない、と訴えている。
脱原発を求めている市民グループの中には、細川氏との一本化を求める声もあります。しかし脱原発とは都政が抱える一つの問題ですが、都の問題はそれだけではありません。 (live at http://t.co/8xk5cz7Ul9)
— 宇都宮けんじ (@utsunomiyakenji) January 14, 2014
原発再稼働を前提とする政府はこの動きに警戒。安倍晋三首相自らが釘を刺している。
「エネルギー政策は東京都だけではなく国民みんなの課題だ。そういうこと(脱原発)も当然議論されると思うが、都知事としての課題もバランス良く議論されるべきだ」と語り、争点が「脱原発」に集中することに警戒感を示した。
(朝日新聞デジタル「安倍首相、「脱原発」争点化に警戒感 都知事選」より 2014/01/13 03:34)
■そもそも「脱原発」は争点になるのか
都知事選がそもそも脱原発を争点とすることは適当なのか、という議論も繰り広げられている。
「争点にはならない」とする意見の主な根拠は、「原発のない東京に決定権がない」「エネルギー政策は国政の問題」「直近で国政選挙がないため政争の具とされている」「有力候補が揃って脱原発ではそもそも争点にならない」といったものだ。
そもそも立地自治体でない東京都で、どうして脱原発が争点になるのかよくわからない。さらに東京の電力需要自体も知事の権限で左右できるものでもない。国政選挙を待つのがスジ。政治家の考えることは常人にはよくわからない。
— 澤昭裕 (@sawaakihiro) January 12, 2014
脱原発を都知事選の争点にすることは否定しませんが、成果物を生みづらい舞台で係争化しても失望と裏切りの負の連鎖を招く可能性が高いのでは。
対案なき株主提案は橋下氏の二の舞になりそうだし、電力消費地としての非連続な節電も短期的には難しい。
「脱原発」が使い捨てスローガン化している
— ryoko174 (@ryoko174) January 11, 2014
都知事選で「脱原発」が争点になるとか。地方選でね。しかも東京には原発がない。その東京の「脱原発」とは何か。具体的な政策が聞きたいものだ。「脱被曝」は最低でも必要だろう。それから避難・移住・遷都の問題がある。都民に提示できるかな。「脱原発」は知識人のアクセサリーじゃないのだ。
— 兵頭正俊 (@hyodo_masatoshi) January 11, 2014
一方、「争点となる」とする意見の主な論拠は、「東京都が東電の株主である」「電力の消費地である東京も無関係でない」といったものが多い。
<脱原発を都知事選の争点にするのはおかしい>という論があるけど、そんなことはない。都知事候補として、<都民を守るためには国との対立も厭いません>という宣言なんだから、大いに投票行動の参考になる。また、都は東電の大株主なんだから、実効性もありますしね。
— 松井計 (@matsuikei) January 11, 2014
わざわざ海外からクギを刺すのか↓
脱原発の争点化けん制 東京都知事選で首相
http://t.co/FeNd9F7rNV
エネルギーの大消費地、東電の大株主としての東京が、原発を含めたエネルギー政策をどうしていくのかは極めて重要。もちろん他にも争点はたくさんあるが。
— 満田夏花 (@kannamitsuta) January 13, 2014
脱原発が都知事選の争点になるのはおかしい・・と言う人がいる。 東京都は逃電の大株主で経営方針に影響力がある。 しかしそれ以上に大きな影響力は・・都道・区道上に設置された送電網の権利関係。 地役権が設定されてるところもあれば、ないところも。 「どかせ」 と言われればそれまで (笑)
— 気弱な地上げ屋 (@kiyowanajiageya) January 10, 2014
■世論調査では7割が「争点になってもいい」
なお、ANNの世論調査によると、都知事選において「今後の原子力発電の在り方が争点になってもいい」と答えた人は69%、「そう思わない」と答えた人が17%だった。
※原発問題は都知事選の争点として適当でしょうか。皆さんのご意見をお聞かせください。
【都知事選関連の記事】
ハフィントンポスト日本版はFacebook ページでも情報発信しています。