都バス24時間、最後の夜は満員御礼 「眠らぬ街」の夢
バスを24時間走らせ、東京をニューヨークのような「眠らない街」にする。そんな実験台だった都営バスの渋谷―六本木間の終夜運行が1日、打ち切られた。利用者の低迷が理由だが、最終日は皮肉にもハロウィーンで集まった若者たちが大挙し、最多の512人を記録した。最後の夜を追った。
01:00 渋谷駅西口のバス停。バニーガール、アニメのヒーロー……。ハロウィーンで仮装した若者らの列ができた。妖精に扮した大学3年の女性(21)は西麻布の自宅へ帰るところで、2度目の乗車だという。「バイトで遅くなったり、友達と遊んで遅くなったりした時に歩いて帰るのはちょっと怖い。平日の夜も走らせてほしいっていう友達が結構、多かったんですよね」
行列の先頭にいた世田谷区に住む精肉店員郡司利雄さん(50)は昨年12月からほぼ毎週、通った常連だ。「夜のバスは気分がいい。最後に見届けたくて」。酔客対策で配備された警備員さんとも顔見知りになり、メアドも交換した。行列の脇では、10人を超えるバス愛好家が、出発前のバスの車体やバス停の時刻表を撮影していた。
渋谷からの第1便は立ち客であふれ、定員ぎりぎりの70人で出発した。
2:20 渋谷発の第2便。渋谷区の男性(32)は午前3時半から始まるビル清掃のアルバイト先に向かう途中。土曜未明の通勤に重宝していた。バイトの掛け持ちで疲れた時は自腹で2千円弱払ってタクシーを使っていたが、バスなら420円。「浮いたお金で仕事の前にファミレスで腹ごしらえするのが月に1、2度のぜいたくだったんですよ」。普段はガラガラで座れたが、第2便も満席。「毎週、こんなに混んでいたら、存続したんでしょうけど。歩くしかないなあ」と惜しんだ。
バスを24時間走らせ、東京をニューヨークのような「眠らない街」にする。そんな実験台だった都営バスの渋谷―六本木間の終夜運行が1日、打ち切られた。利用者の低迷が理由だが、最終日は皮肉にもハロウィーンで集まった若者たちが大挙し、最多の512人を記録した。最後の夜を追った。
01:00 渋谷駅西口のバス停。バニーガール、アニメのヒーロー……。ハロウィーンで仮装した若者らの列ができた。妖精に扮した大学3年の女性(21)は西麻布の自宅へ帰るところで、2度目の乗車だという。「バイトで遅くなったり、友達と遊んで遅くなったりした時に歩いて帰るのはちょっと怖い。平日の夜も走らせてほしいっていう友達が結構、多かったんですよね」
行列の先頭にいた世田谷区に住む精肉店員郡司利雄さん(50)は昨年12月からほぼ毎週、通った常連だ。「夜のバスは気分がいい。最後に見届けたくて」。酔客対策で配備された警備員さんとも顔見知りになり、メアドも交換した。行列の脇では、10人を超えるバス愛好家が、出発前のバスの車体やバス停の時刻表を撮影していた。
渋谷からの第1便は立ち客であふれ、定員ぎりぎりの70人で出発した。
2:20 渋谷発の第2便。渋谷区の男性(32)は午前3時半から始まるビル清掃のアルバイト先に向かう途中。土曜未明の通勤に重宝していた。バイトの掛け持ちで疲れた時は自腹で2千円弱払ってタクシーを使っていたが、バスなら420円。「浮いたお金で仕事の前にファミレスで腹ごしらえするのが月に1、2度のぜいたくだったんですよ」。普段はガラガラで座れたが、第2便も満席。「毎週、こんなに混んでいたら、存続したんでしょうけど。歩くしかないなあ」と惜しんだ。