カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授の中村氏は、日亜化学工業在籍時に、青色LED関連の特許を取得。退職後に、その対価をめぐって裁判で争い、和解で決着した経緯がある。日亜化学工業は、中村氏の受賞を受け、「大変喜ばしい」とコメントした。
「日本人がノーベル賞を受賞したことは大変喜ばしい。とりわけ、受賞理由が中村氏を含む多くの日亜化学社員と企業努力によって実現した青色LEDであることは誇らしい」
(【ノーベル物理学賞】「大変喜ばしい」中村氏の古巣、日亜化学工業 - 産経WEST 2014/10/07)
しかし、中村氏が活躍の場をアメリカへ移し、市民権を得たことから、日亜化学工業や日本企業のありかた、研究者への待遇などをめぐって、ネット上で議論が続いている。
なお今回のノーベル物理学賞受賞で「日本もまだ捨てたもんじゃない!!」という声に溢れておりますが、青色ダイオードの主たる発明者の一人である中村修二教授は、数千億円もの利益を生んだ青色ダイオードの発明対価を認めなかった日本の司法に絶望し、日本を捨ててアメリカ国籍を取得しております。
— sekkai (@sekkai) October 7, 2014
不調のソニーを支えているイメージセンサ事業を立ち上げた立役者の技術者が、最近アメリカの企業に移った。理由を聞くと、「日本では管理職として昇進しないとリスペクトされないから」と。中村修二さんだけなく、今でも技術者の流出は続いている。 http://t.co/SAhCrOoVuL
— 竹内健 (@kentakeuchi2003) October 7, 2014
Nakamura 氏は Nambu先生同様 日系アメリカ人であって 日本が喜ぶような代物ではまったくない 諸外国の論調・・・ ご本人は黙して語らんでしょうが、日本国内では官民そろって邪魔ばっかされ 結局頭脳流出なわけだから なにいってんだ ってなもんでしょう。
— Ken ITO 伊東 乾 (@itokenstein) October 7, 2014
これで頭脳流出の問題が取り沙汰されればよいのお。日本の大学の研究環境はこれからどんどん悪くなるからね
— 菊池誠 (@kikumaco) October 7, 2014
だが、企業が研究開発をすることは、大きなリスクがあるため個人にだけ対価を認めるのは難しい、という意見も根強い。
しかし最先端を走ろうとする企業ならば研究/開発をしなければそのような、場合によっては開発費をドブに捨てるような投資をしなければ生き残れない。
そして利益を得れたとしても、ドブに捨てた分の埋め合わせをしたり、新しい研究/開発に投資している。まず企業のこの現状を理解して頂きたい。
— 鼓腹撃壌(規制/まとめ用垢) (@KohukUGEKIJO) October 7, 2014
また、アメリカも状況が大きく違うわけではないと指摘する声も。
誤解のないようツッコんでおくと、米国では職務発明の特許権は雇用契約により企業へ自動譲渡されるのが一般的なので、報酬はごく少額です。/<ノーベル賞>中村氏「日本に自由ない」、研究環境の改善を(毎日新聞) - Y!ニュース http://t.co/LZObSsn7BA
— Naoki Asakawa / 浅川直輝 (@nasakawa) October 8, 2014
一方で、中村氏と裁判で争ったことで、批判が集まる日亜化学の対応については、中村氏の昇進など、裁判記録を根拠として、「決して低い待遇ではない」という意見もある。
日亜化学は中村氏にボーナスや昇給という形で報いてきた。1989年から11年間の合計で,同世代の一般社員よりも6195万円ほど上乗せして支給。中村氏が退職する際の給与所得は2000万円弱。 http://t.co/ivpTzkKVju
— 三毛猫 (@EnterFree) October 7, 2014
しかし一方で、日亜化学のインフラや当時の社長の理解があって中村氏は窒化ガリウム青色LEDの研究が出来たのも事実で、その点でも日亜化学の貢献も評価されるべきでしょう。
— 大平貴之 (@ohiratec_mega) October 7, 2014
日亜が本当にブラックで研究者を使い捨てにするのなら、中村氏のように日亜を辞めて日亜を訴える人が続くはずでは?青色LEDと並ぶ発明、青色レーザー素子や白色や緑青色のLEDも生まれなかったのではないだろうか?
— 鼓腹撃壌(規制/まとめ用垢) (@KohukUGEKIJO) October 7, 2014
おまけ。近いうちに日亜化学叩きが起きるだろうから、中村さん自身の回想による、当時の日亜化学の研究状況抜粋http://t.co/7TrCjb5BGh 80年代から20日間の夏休みという欧米並みの処遇、潤沢な研究資金、月に数回爆発事故を起こしても許される環境、なかなか凄いと思う
— シータ(N-Shiraishi) (@Perfect_Insider) October 7, 2014
中村氏は、日亜化学の創業者が恩人だと語っている。
中村さんは「とてもうれしい。多くの人たちに支えられてここまできた。夢が実現した」と語りました。
中でも、以前勤務していた「日亜化学工業」の創業者で社長も務めた小川信雄さんを恩人として挙げ、「社長のところに行って青色発光ダイオードを開発したいと言ったら小川さんは『いいよ』と即答し、開発資金を都合してくれて留学もさせてくれた」と打ち明けました。
(中村氏 「多くの人に支えられ 夢が実現」 NHKニュース 2014/10/08)