ミャンマー人口、間違ってました 1千万人少ないと判明
ミャンマー政府が31年ぶりに実施した国勢調査で、実際の人口がこれまでの推計より1千万人近くも少ない約5142万人だった。日本など外国企業向けには近年、「6千万人の新興市場」と紹介されていた。人口増加率を長年、過大に評価したことなどが大きな誤差が生じた理由のようだ。
ミャンマーでは、長く続いた軍事政権下で明確な理由が示されないまま、1983年を最後に国勢調査が行われていなかった。政府や国際機関は、83年調査の結果をもとに毎年の人口増加率を推計して総人口を算出。入国管理・人口省は2012年10月時点で6098万人と推計していた。
11年に民政移管された現在の政府は、「正確な人口把握が、社会のニーズにこたえるために欠かせない」と今年3月末から4月上旬に調査を実施。8月30日に暫定結果を発表した。内戦状態にある北部カチン州や民族対立が続く西部ラカイン州などの一部で調査ができなかったが、調査地域の人口は約5021万人。未調査地域の推計人口約121万人を加えた。
暫定結果に隣国タイなど外国で暮らす人たちは含まれていない。ただ、キンイー入国管理・人口相は記者会見で「外国で働く人を含めても6千万人には及ばないだろう」と述べた。(五十嵐誠)