マレーシア航空を完全国有化へ 破綻回避へ同国政府
マレーシア政府は8日、国営投資会社カザナ・ナショナルを通じ、マレーシア航空を完全国有化すると発表した。同航空は今年3月の機体消息不明事件に続き、7月にはウクライナ東部上空で機体が撃墜された事件に見舞われ、客離れが進んだ。政府は国有化で利用者の懸念を払い、政府主導で経営再建を図る。
完全国有化によって、マレーシア航空は同国証券取引所への上場を廃止する。ナジブ首相は8日発表した声明で「(完全国有化は)収益を上げるのに必要な第一歩だ」として、経営陣の交代や人員削減など具体的な再建策を8月末までに発表するとした。運航は今後も通常通り続ける。
政府が実質全額出資するカザナは、すでにマレーシア航空の発行済み株式の69%を保有する筆頭株主。国有化にあたり、同航空は残り31%を保有する株主から株式を1株0・27リンギ(約8円)で買い取って消却するため、カザナが唯一の株主となる。国有化にともなう株式の取得費用は単純計算で約400億円になる。