大都市の飲食業、時給上昇 人手不足で時給1200円も
大都市圏の飲食業界で働くアルバイトやパートの時給が、求人業界の統計で上がり続けている。景気が回復し、人手不足の影響が最初に表れているのが背景とみられる。ただ、厚生労働省の統計では、全国でパートで働く人の1人当たりの平均月収は減少傾向が続く。パートで働く人たち全体に恩恵が広がっているわけではない。
求人情報大手リクルートジョブズが20日まとめた飲食業界の11月の平均募集時給は、3大都市圏平均で前年同月より1・3%高い930円。25カ月連続で前年を上回り、2007年1月の調査開始以来、最も高い水準になった。
首都圏は6カ月、関西地方は24カ月、東海地方は17カ月連続で前年同月を上回った。背景には、景気回復による人手不足がある。飲食業界は賃金水準が低いため、労働市場で人手が不足すると、最初に時給引き上げを迫られる面がある。
20日に開業した「イオンモール幕張新都心」(千葉市)に入る飲食店では11月、都内より200~300円高い時給1200~1300円でのアルバイト募集が相次いだ。和食店などを出すフォーシーズ(東京)の担当者は「アルバイトの争奪戦だった」。