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《北海道地震》大規模停電 元経産官僚「北海道電力だけを責めるのはおかしい」

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 北海道を襲った地震によって起きた大規模停電をめぐる論調に対し、7日放送のAbemaTV『AbemaPrime』に出演した元経産省キャリアでコンサルタントの宇佐美典也氏が疑問を呈した。

 宇佐美氏は「全ての電力網を繋げて、足りなくなったら融通すればいいという議論をしたがるが、それではダメになった時のリスクも大きい。北海道と東北が完全に繋がっていた場合、東北まで停電になってしまった可能性がある。言いづらいことだが、今回、北海道が犠牲になることで東北や関東に影響が及ばず守られた側面もあるということを忘れてはならない。東日本大震災後、電力会社に任せきりにするのではなく、みんなで新しい電力システムを作ろうということを国民レベルで決断して、電力システムの制度を大きく変えて歩み始めているのに、誰かのせいにするだけではいけない」と指摘する。

 「日本には『広域的運営推進機関』という仕組みがあり、電力ブロックをまたぐような緊急事態や発電しすぎた場合に電力を融通するよう指示する機能を持っている。広域の電力融通は基本的には卸売市場を通じて余っているところから足りないところへ動かそうという考え方があって、それでも不十分な場合に広域的運営推進機関が出てきて、経済産業省と一緒に命令して緊急対応するという仕組みになっている。試行錯誤をしているが、今回はうまく機能しなかった。しかし、そもそも他人の資産に対して命令するという性格のものなので、最低限の部分で努力する仕組み。過度な期待をしてはいけないと思う。東日本大震災を機に、日本の電力業界は大きく変わった。関東で言えば、かつては東京電力が発送電の全てを管轄していたので、何か起きれば"東電が悪い"と言っていればよかった。しかし今は電力自由化が進み、発電と送配電が分離した。再生可能エネルギーが増え新しい電力会社も出てきた。そんな状況下で、北海道電力だけが悪い、北電なんとかしろ、というのはおかしい」。

 また宇佐美氏は「電力が自由化された国では、どの国でもこういう問題が起きる。アメリカでもロサンゼルスが停電したし、ヨーロッパでは風力発電の不具合も怒った。北海道では太陽光発電も増えたので、晴れた日の昼は電力が余って東北に流しているくらいで、その分老朽火力発電の廃止が進んでいたので、こういう事態が起こる可能性も指摘されていた。そして、今後も起きると思う」とし、「原発は夜に発電しすぎた分の電力で水をダムに汲み上げ(揚水)、必要な時にその水を落として水力発電している。一方、火力発電は需要にピッタリ合わせて発電しているので、ダメになった時の調整弁がない。今回の停電もそのことが影響しているのかもしれない。しかし東日本大震災以前に戻すことはできないし、北電も経営環境が厳しくなる中で経済性を考えた運用をせざるを得なかったのだろう。今後は、中央集中ではなく、緊急時の余剰をブロックごとに持つ方法などを考える必要がある。ドイツでは地域ごとに小さい電力会社を作り、地方自治体が最低限の電力を供給できるような体制にしている。そういう構造も考えていかないといけない」と訴えていた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

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