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「あの役は誰が演じているの?」「ストーリーはどんな風に変わっているのかな?」と、見る前からワクワクしてくるリメイク作品。最近では韓国や台湾といったアジア地域の作品を日本でリメイクした作品も数多く登場している。オリジナル作品と改めて見比べることで、より深く楽しめる、リメイク作の魅力とは?
笑いと涙あふれる友情物語『サニー 永遠の仲間たち』
篠原涼子や広瀬すずといった世代の違う俳優たちの共演で話題の映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』の原作となっているのは、11年の韓国映画『サニー 永遠の仲間たち』。家族の無関心を少し寂しく感じつつも恵まれた生活をしてきた40代の女性が、余命の短い高校時代の友人に再会したことをきっかけに当時の仲間たちを探し、自分自身の"価値"に改めて気付いていく姿を描く、笑いと涙あふれる友情物語。主人公のナミたちが高校生だった86年と現在を行き来する構成と、同じ役を演じる俳優たちの組み合わせが絶妙で、「あの子がこんな大人になったのか!」という楽しさを感じさせる。特に高校時代のナミと親友チュナに扮したシム・ウンギョンとカン・ソラのはつらつとした姿はすばらしく、ふたりはこの作品をきっかけにトップ俳優の仲間入りを果たした。タイトルにもなっているボニーMの『サニー』を始めとする音楽や衣装、小物で再現された80年代の風景も魅力的。日本版ではオリジナルよりも少し遅い90年代が舞台となり、"コギャル"たちの青春が描かれているようなので、そんな違いにも注目したい。
世界中でリメイクされた韓国を代表するラブコメ『猟奇的な彼女』
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一方、本国から2年遅れの03年に日本で封切られた『猟奇的な彼女』は、「韓国にはこんなに楽しいラブコメもあるんだ!」ということを広く知らしめた記念碑的作品。地下鉄の中で泥酔していたのを介抱したのをきっかけに"彼女"とつきあうようになった大学生キョヌ。すべてのことを命令口調で話し、暴力を振るうこともしばしばの彼女に振り回されながらも、楽しくデートを重ねていたが、ある日、彼女が姿を消してしまい...というストーリーのおもしろさもさることながら、主演のチョン・ジヒョンがのびやかに演じたヒロインの魅力が圧倒的。彼女が同じクァク・ジェヨン監督と組んだ『僕の彼女を紹介します』と共に日本でも多くの人に愛された。アジアで大ヒットしたこの映画はインド、ハリウッドでリメイクされたほか、日本や中国でもドラマ版が登場。16年にはオリジナル版でキョヌを演じたチャ・テヒョン主演で続編の映画『もっと猟奇的な彼女』、17年には舞台を朝鮮時代に移し、ドラマ『グッド・ドクター』のチュウォンが主人公を演じた時代劇版のドラマも作られた。
多部未華子が主演でリメイク『怪しい彼女』
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『サニー 永遠の仲間たち』で主人公の高校時代に扮したシム・ウンギョンが"見かけは20歳、中身は70歳"のヒロインを見事に演じた『怪しい彼女』も、"リメイク"といえば外せない1本。早くに夫を亡くし、1人息子だけを自慢に生きてきた70代の女性が、あることをきっかけに20歳のルックスへと大変身を遂げ、新しい生活を始める。意外性のあるストーリーに加え、シム・ウンギョン自ら伸びやかな歌声を披露した歌唱シーンも大きな見どころだ。多部未華子が主演した日本版のほか、『20歳よ、もう一度』(中国)、『ベトナムの怪しい彼女』(ベトナム)といったリメイク作を見比べると、音楽や設定にそれぞれのお国柄が感じられる。
台湾・香港で大ヒット!『あの頃、君を追いかけた』
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さわやかな青春映画を次々と生み出してきた台湾映画の秀作『あの頃、君を追いかけた』には、今回、紹介した映画の中で唯一の優等生ヒロイン、チアイーが登場。精神年齢は小学生並みのまま、体だけ大人になったような同級生コーチンの"お目付役"を命じられた彼女は、彼のまっすぐな態度に少しずつ好意を感じ、親しくなっていく。高校生から大学生、社会人と、彼女たちが駆け抜けていく90年代のどこか懐かしい風景にも心ひかれる。10月公開の日本版では「HiGH&LOW」シリーズの山田裕貴と「乃木坂46」の齋藤飛鳥が主演を務めているとのこと。
テキスト:佐藤結
【女に生まれて良かった!日本もリメイクしたヒロインに惚れちゃう映画特集】
『サニー 永遠の仲間たち』9月2日(日) 21:00 〜 23:15
上記、全てAbemaTV【韓流・華流チャンネル)にて放送。