世界的なPCメーカー、デル株式会社 広域営業統括本部の同社執行役員の清水博さんによるブログが連載中です。第6弾は、「インサイドセールス」という電話やメールなどを使い、直接対面せずに営業活動を行う部署で活躍する女性社員の方々の座談会です。DELLで営業として活躍する彼女たちが、仕事のやりがいについて語りました。
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清水「本日はインサイドセールス女性座談会ということで、いろいろ質問していきます。デル広域営業統括本部では、昨年も多くの人が入社してくれましたが、今年度も多くの仲間に来てもらいたいので、『デルの中の人に聞く』的に、オープンな会話が出来ればと思います。リラックスしてお話を聞かせてください」
全員「はーい」
経歴はみんなバラバラ。多様な人材が集まる職場
清水「まず、皆さんの前職についてお話を聞かせてください」
巻木「私は九州で企業向けの大規模な設備を販売する営業をしていました。大手のお客様にフォーカスして営業戦略を練っていました」
善財「私は信州で、システムインテグレーション(SI)を行うSIerの営業をしていました。様々なシステムを提供することができ、プライムコントラクター(元請け)としてお客様としっかりした関係性を構築する企業でした」
小杉「私は、広告関係でファッション関連事業者をお客様としている営業職でした。ファッション関係が好きで、とても華やいだお客様に囲まれている職場でした」
藤村「関西圏で、人材系の営業をしていました。スタッフさんや派遣先など、調整先がいくつもあり活気のある職場でした」
急な呼び出しや片道2時間の車移動も。前職で苦労したこと
清水「それぞれ前のお仕事では、どのような難しさがありましたでしょうか?」
巻木「大規模な設備を販売していたため、数億円もするプロジェクトもよくあり、商談のサイクルも極めて長いものでした。また、かなり高度で専門的な知識を要求する製品群であったので、チームで提案していました。勉強はしていたのですが、難し過ぎて全てを理解することは不可能でした。そこがジレンマで、もう少し、自分でハンドリングしたいと考えていました」
善財「常にお客様と対面する営業手法であり、何かあると平日休日に関わらず、お客様にすぐ伺うことをしていました。これは良い面もあると思うのですが、効率を考えると、最近のお客様はスピードを要求されるので、他のコミュニケーション手段も使うのはどうなのかな?と考えていました」
小杉「お客様のご都合で、営業打ち合わせが、夜の8時、9時から始まることも多くありました。夜型のお客様だから仕方ないのですが、どうしても毎日遅くなってしまう職場でした」
藤村「ビジネスの中心が人材なものですから、一般的な商品と異なり、様々な事情が発生いたします。その中には突然起きるアクシデントも少なくなく、特に日曜の夜などに市場が急変すると、翌月曜日からクライアント様との緊急ミーティングとなることもありました」
清水「当然、お客様によっていろいろな苦労があり、生活にも影響してきますね。」
清水「顧客訪問の場合は移動が伴いますが、どのくらいの時間をかけて訪問されていましたか?」
巻木「私は、月に数回は数時間かけ近隣県で営業活動をしていました。車で行こうが、電車で行こうが、最低片道2時間はかかりました。お客様も数社しかいないこともあり、効率面で少し工夫したいなという気持ちがありました」
善財「私も2、3時間の範囲を車で移動していました。冬の雪道の中でも、同じように運転していました。また、休日でもトラブルが発生すると、お客様に行かなければいけないこともあり、車の中には常にビジネススーツを忍ばせて、緊急訪問に備えていました」
清水「数時間の運転も頻繁にあったのですね?」
善財「はい、とても多くありました。今思うと車の中でプレゼンテーションの練習をしたり、提案のアイディアなどを思い浮かべたり、今の自分を形成する大事な時間だったような気もしていますが、とにかく忙しい職場でした」
効率性と明確な評価基準がカギ。私たちがインサイドセールスを目指した理由
清水「みなさんが経験してきた営業と今のインサイドセールスは、180度異なるように思います。なぜそのような職種を目指したのでしょうか?」
巻木「自分自身でもう少し完結した営業活動ができないかなと思っていました。自分の営業力や成長などが、目に見える形で結果として見えることを望んでいました。今までは個人の目標があるようでなかったので、明確な目標の中で実行してみたいと考えていました。また、いろいろな業界を担当して、様々なITシステムでお客様のお役に立ちたいという自身のキャリアデザインを描いていました」
善財「従来型の営業の良い点もあるのですが、デルの内勤営業の仕組みには前職時代から興味があって、自分の営業力を試すことと、同時に営業力も向上できる、大型案件もインサイドセールスでドライブできるところに関心がありました。ITをやっていた人間からすると、ITのグローバルカンパニーで働いてみたいということもありました」
小杉「営業の活動量を考えると外勤の営業には限界を感じていたので、インサイドセールスという新しい手法に挑戦することで、営業力を最大化するようなことができないかなと思い挑戦しました。中々、アポが合わなかったりして無駄な時間が多かったので、電話やメールによる営業で生産性を上げたいなと感じていました。また同時に、夜型だった生活をもう少し改善できないかなと感じていました」
藤村「オンとオフがはっきりしている職場で、自分自身の働き方改革を実現しようと思いました。前職でも営業での達成度は高かったと思うのですが、もう少し数字面での正確な評価をしてもらいたいところもあり、合理性の高い外資系の評価システムに興味があって応募させていただきました」
清水「まとめると、営業を経験していた人がより効率性を高めることを目指し、明確に自分の努力が反映されやすい目標設定のできる職場などを望んでいたということでしょうか?私が海外でセールスマネージャーをやっていたときには、女性がほとんどセールスだったのですが、目標にこだわり、インセンティブボーナスを狙っている姿が印象的でした。やはりインセンティブの要素は大きいでしょうか?」
小杉「やはり、自分の努力が目に見える形で給料に反映されるのは、とてもやりがいがあります」
藤村「以前、受注は一件ごとのカウントで、中身は関係無かったのですが、今は金額や製品の違いにより評価のシステムが異なるので、自身が貢献した努力が見えやすくてモチベーションが高まります」
チームプレーが強みに。DELLならではの達成感
清水「DELLのインサイドセールスならではの面白い点や達成感はありますか?」
巻木「インサイドセールス個人に多くの権限委譲がされているので、自分自身でお客様の課題を理解して提案することできることがとても面白いです」
善財「US本社から来た情報を朝一番でチームでシェアして、すぐにお客様とコミュニケーションをすることにより、メーカーの人間として、世界最先端の情報をお伝えすることができます。お客様の選択肢が増えることが、ITでより経営競争力を強化できるものと考えています」
小杉「インサイドセールスは、社内のコントローラーだと思っています。難しい提案の場合などには、社内のシステムエンジニアやプロダクトスペシャリストと情報を共有し、最適な提案をクイックに行うことができます。一般的な外資系のイメージのように、一人ですべて実現するのではなく、DELLのチームスピリットを体現しているところがとても楽しいです」
藤村「ITは、様々なことを勉強していかなければいけないので、社内のトレーニングカリキュラムや、ロールプレイングをして習熟していく風土はとても重要だと考えています」
清水「ITをお客様に提案することは、チームプレーが重要です。チームを通じて知識を深めることもできますし、社内のベストプラクティスを知ることができます。また、自分自身勉強して知識が増えてくると、お客様への提案の幅が増えますので、確実に成果につながります。自分自身もそうですが、チームメンバーと楽しく時間を過ごしながら、スキルを上げることが、とても有効だったと思います」
藤村「数字の評価以外にも、毎週行われる全体ミーティングで、素晴らしい案件などのプレゼンテーションをする機会があることも励みになります。様々な方から、『あの案件凄いね!頑張ったね!』と声をかけてくれる人も多くなり、とてもうれしくなります」
善財「デルの広域営業統括本部では、目標達成者で焼き肉を食べに行くアワードの伝統があり、モチベーションアップにつながります。達成した人同士で食事をするのは、本当においしいですし、その方々と話をするととても刺激を受けるので、コミュニケーションイベントとしても大好きです」
「クイックに、正確に」を追求していく
清水「仕事の難易度は低くないですよね?皆さんは、どんな目標を持っていますか?」
巻木「DELL Technologies(デル・テクノロジーズ)として幅広い製品群を持っていますが、目下、多くのソリューションを習熟して、幅広い提案をできるようになっていきたいです。また、お客様の要求として、クイックなレスポンスを期待しているところがあり、仕事をさばくスピードについてはもっともっとあげていかなければいけないなと感じています」
善財「大型のサーバーが含まれる案件のプロジェクトマネジメントについて、自分自身をより高度化していく必要があると感じています。また、テクノロジーの進歩はさらに加速しているので、勉強することも仕事だと思い、もっとスピードアップしたいと考えています」
小杉「お客様がDELLに依頼する理由の1つとして、『クイックに、正確に対応する』ことへの期待がありますので、スピード感を高め様々な判断力を正確にして、お客様に対応していけるようにしていきたいです。また1人でハンドリングする範囲の業務量が多いので、仕事の優先順位の設定、進め方の改善など、常日頃から生産性を高めていきたいと考えています」
青「インサイドセールス単独でも、より高いレベルの仕事ができるようにコミュニケーションを洗練していくことが現在のテーマです。これは永遠のテーマでもあるかもしれません。ここに挑戦していきたいです」
清水「数十年も前からITの営業は難しいですが、とてもやりがいのある仕事だと思い、私はIT一筋でやってきました。皆さんのこれからの課題が明確になっているのを見て、これから大きな成功を待ち望むことができるような気がします。また、マネジメント担当者として、より速く成長するような支援プログラムを積極的に考えていきたいと思います」
こんな人がインサイドセールスで活躍できる
清水「皆さんがインサイドセールスに向いていると思うポイント、仕事にやりがいを感じる瞬間を教えてください」
巻木「やはり細やかさが評価される事は多いです。システムの提案について細かいところを十分に調査してご連絡すると、そこまで細かい確認をしてくれるのですか、もうそうなるとお任せでお願いします、などとお話されることがとてもうれしいです。細かい部分と全体を鳥瞰する能力が発揮できる仕事だと思います」
善財「私は洋服を買う際にも、とても多くの店を見て比較して、どれにしようかな?と考えることが好きです。このことはお客様がシステムを検討しているときにも言えることだと思います。私は自分自身の買い物のように、お客様の選択肢が増えるような提案を常に心掛けており、お客様からとても親切だということで高評価をいただきます」
小杉「お客様と商談を通じて仲良くなってきますと、プライベートなことなども少しお話ししたりして距離が近づくように思います。想像力を生かして、電話をしながらお客様の表情なども思い浮かべてお話したりすることができて楽しいです」
藤村「外勤営業ではアグレッシブな営業手法で対応することも多いと思いますが、内勤営業では導入後のアフターフォローなど含めていろいろな能力が要求されます。アグレッシブさに加え、細やかな気づかいが常に重要になると思います。また、細かい仕事を正確に実施できる人が活躍できるフィールドがあるように思います」
清水「皆さんが電話営業をしているお客様とセミナー会場でお会いした時に、にこやかにお話ししている姿がとても印象的です。私は15年程前に、女性営業を増やすというプロジェクトに関わったことがあります。その時には、少し込み入った商談状況になると『男性社員を出せ』とか、『上司を話がしたい』などと、お客様に言われたりすることもありました。また、昔語られた一般論ですが、女性営業は詰めが甘いことや感情的になるなどという指摘もありました。これらのデメリットを現在感じることがありますでしょうか?」
全員「あまりそのようなことは、感じたことはありません。特に、女性だからと言って難しいことなどありませんし、むしろ女性の強みを活かせることの方が多いように感じます」
清水「もうIT業界でも、男女の比較は必要無いのかもしれませんね。私どものデル広域営業統括本部でも女性正社員比率が増えています。これからもどんどん増えていくのかもしれません。今日はどうもありがとうございました。また、最後まで読んで頂きまして誠にありがとうございました。是非、興味ある方はデル広域営業統括本部の女性インサイドセールスたちを見に来て下さい」