6月25日、日本代表にとってのFIFAワールドカップ・ブラジル大会は、コロンビアに4−1で敗れたことにより、幕を閉じた。決勝トーナメント進出には勝利が絶対条件となる中、先制されながら前半終了間際に追いつくも、後半、突き放されて力尽きた。勝負の分かれ目はどこにあったのか。データダッシュボードで試合を振り返った。
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こうして振り返ってみると、8人スタメンを落として臨んだコロンビアの守りのスキも多かったにもかかわらず、それを活かせなかった、完敗といっていい試合だろう。
データで明らかなとおり、コロンビアは決勝点となる2点目を入れるまで、両サイドを張らせてカウンターを狙っていたため、ボランチの脇が慢性的に守備の穴になっていた。そこから幾度となくチャンスをつくったが、ゴールに結び付けられず、一方で相手は、前線に残したサイドを起点にカウンター攻撃を再三しかけ、ゴールを奪った。またも勝負を分けたのは、サイドの攻防だった。
日本は点を奪わなければいけない状況で、こうした流れになること自体が悪いわけではない。お互い、相手にやりたいことをやらせて力勝負をした結果、負けたという印象だ。
コロンビアは1軍でないだけあって、守りの陣形にほころびがあったものの、カウンターで待ち構えて先制、守備の乱れで追いつかれるが、エースを投入して勝ち越し、さらにカウンター狙いで追加点を挙げたあとは引いてきっちり守る、と、ゲーム運びに余裕があった。また、ハメス・ロドリゲスの存在も大きい。入ったとたんに落ち着いてボールを回せるようになっただけでなく、カウンターに切り替えても、決定的なパスを出せる。彼の投入は、確実に勝負を分ける要因のひとつだった。
一方、日本は縦方向を重視する戦略と、相手のサイドを突く動きで前半までは良かった。しかし後半、相手がハメス・ロドリゲスを入れてボールを持ち出すと対応できず、ディフェンスラインがジリジリと下がって失点。その後は引いて守る相手に左、右、中央とボールを持って攻めるが及ばなかった。
試合の流れの大半を定義付けたのは、「勝たなければならない日本」「2勝しているコロンビア」という状況で、戦前からわかっていたことではあるが、やはり最終戦までに勝ち点を稼いでおかないと厳しい、というのも事実だろう。
3試合通して日本は、ボールを持てども攻められず、というシーンが続いた。
コートジボワール戦の1点は、スローインからの香川のドリブルが起点、コロンビア戦での1点も、カウンターで相手が空けたスペースからクロスでゴール。いずれも日本が志向してきた、ゆったりした攻めと狭い地域でのパス回しで3人、4人が連動するゴールではなく、「自分たちのサッカー」が結果に結びつかなかった。
日本の左サイド潰しを用意していたコートジボワール。ボールキープの軸となる本田に厳しいマークを付けたコロンビア。一人少なくなるやすぐに引き分け狙いで割りきって守ったギリシャ。こうして振り返ると、相手は自らの持ち味も出しつつ、一方で躊躇なく、勝負のリアリズムに徹してきている。それに対して、日本はどうだったか。こうした点が、親善試合では決してない、本番ならではの厳しさだろう。
3試合を戦って、勝ち点1に終わった日本代表。今後、日本のサッカーは、どうなっていくのか。次の4年間に向けて、新たな旅が始まる。
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こうして振り返ってみると、8人スタメンを落として臨んだコロンビアの守りのスキも多かったにもかかわらず、それを活かせなかった、完敗といっていい試合だろう。
データで明らかなとおり、コロンビアは決勝点となる2点目を入れるまで、両サイドを張らせてカウンターを狙っていたため、ボランチの脇が慢性的に守備の穴になっていた。そこから幾度となくチャンスをつくったが、ゴールに結び付けられず、一方で相手は、前線に残したサイドを起点にカウンター攻撃を再三しかけ、ゴールを奪った。またも勝負を分けたのは、サイドの攻防だった。
日本は点を奪わなければいけない状況で、こうした流れになること自体が悪いわけではない。お互い、相手にやりたいことをやらせて力勝負をした結果、負けたという印象だ。
コロンビアは1軍でないだけあって、守りの陣形にほころびがあったものの、カウンターで待ち構えて先制、守備の乱れで追いつかれるが、エースを投入して勝ち越し、さらにカウンター狙いで追加点を挙げたあとは引いてきっちり守る、と、ゲーム運びに余裕があった。また、ハメス・ロドリゲスの存在も大きい。入ったとたんに落ち着いてボールを回せるようになっただけでなく、カウンターに切り替えても、決定的なパスを出せる。彼の投入は、確実に勝負を分ける要因のひとつだった。
一方、日本は縦方向を重視する戦略と、相手のサイドを突く動きで前半までは良かった。しかし後半、相手がハメス・ロドリゲスを入れてボールを持ち出すと対応できず、ディフェンスラインがジリジリと下がって失点。その後は引いて守る相手に左、右、中央とボールを持って攻めるが及ばなかった。
試合の流れの大半を定義付けたのは、「勝たなければならない日本」「2勝しているコロンビア」という状況で、戦前からわかっていたことではあるが、やはり最終戦までに勝ち点を稼いでおかないと厳しい、というのも事実だろう。
3試合通して日本は、ボールを持てども攻められず、というシーンが続いた。
コートジボワール戦の1点は、スローインからの香川のドリブルが起点、コロンビア戦での1点も、カウンターで相手が空けたスペースからクロスでゴール。いずれも日本が志向してきた、ゆったりした攻めと狭い地域でのパス回しで3人、4人が連動するゴールではなく、「自分たちのサッカー」が結果に結びつかなかった。
日本の左サイド潰しを用意していたコートジボワール。ボールキープの軸となる本田に厳しいマークを付けたコロンビア。一人少なくなるやすぐに引き分け狙いで割りきって守ったギリシャ。こうして振り返ると、相手は自らの持ち味も出しつつ、一方で躊躇なく、勝負のリアリズムに徹してきている。それに対して、日本はどうだったか。こうした点が、親善試合では決してない、本番ならではの厳しさだろう。
3試合を戦って、勝ち点1に終わった日本代表。今後、日本のサッカーは、どうなっていくのか。次の4年間に向けて、新たな旅が始まる。