裁判員制度5年 5万人参加、6391人の被告に判決
殺人事件など重大な刑事裁判の審理に市民が参加する裁判員制度が、21日で施行から5年になる。今年3月末までに5万人近い市民が参加し、6391人の被告に判決を言い渡した。一方、裁判員候補者に選ばれながら辞退する人は年々増え続けている。仕事を休んで公判に臨まなければならない人たちの「裁判員離れ」を懸念する声が強まっている。
最高裁によると、6357人に有罪判決が言い渡され、このうち21人が死刑判決を受けた。うち4人の死刑が確定し、2人は確定からまもなく3年になる。執行されたケースは、まだない。134人が無期懲役となった一方、34人に無罪が言い渡された。
裁判員と補充裁判員を務めた市民は、計4万9434人。一方で、候補者になったものの辞退した人の割合(辞退率)は、制度3年目の2011年以降、3年連続で上昇している。13年は63・3%だった。14年はさらに上昇する傾向をみせている。
辞退率上昇の背景には、審理の期間が長くなっていることが挙げられる。初公判から判決までの「平均審理期間」は、制度が始まった09年が3・7日だったが、13年には2倍以上の8・1日になっている。(西山貴章)