韓国沈没船の運航会社、過去５年の事故最多 代表を拘束
韓国南西部・珍島（チンド）付近で沈没した旅客船セウォル号を運航していた「清海鎮海運」が、昨年までの５年間で６件の事故を起こしていたことがわかった。同じ時期に韓国で起きた５９件の旅客船事故のうち、運航会社別で最も多い。
野党の国会議員が海洋水産省から資料を入手し、内容を明らかにした。それによると、同社は２００９～１３年に「衝突」１件、「接触」１件、「機関損傷」４件の計６件の事故を起こした。
１１年４月には、セウォル号とは別の船が修学旅行生を含む６４８人を乗せ、今回と同じ仁川から済州島に向かう途中で電気系統が故障。５時間にわたって動けなくなり、緊急修理をしてようやく仁川に戻った。セウォル号のイ・ジュンソク船長が当時、１等航海士としてこの船に乗っていたという。
一方、セウォル号沈没事故の捜査本部は８日、業務上過失致死などの疑いで同社のキム・ハンシク代表の身柄を拘束し、逮捕に向けた手続きを進めている。セウォル号は過積載が常態化していた疑いが出ている。また海洋水産省は同日、同社の旅客運送事業の免許を取り消す方針を明らかにした。捜査本部はこれまでに、セウォル号の乗組員や運航会社関係者ら計１９人を逮捕している。（ソウル＝貝瀬秋彦）
(朝日新聞社提供)