憧れの出世列車…ブルートレイン「あけぼの」ラストラン
上野―青森間を結ぶブルートレイン、寝台特急「あけぼの」の最後の定期列車が14日午後9時16分、JR上野駅を出発した。駅には約2500人が詰めかけ、1970年の運行開始から43年余の歴史に幕を下ろすラストランを見送った。
「ありがとう」「さようなら」。ホームにはかけ声が響き、拍手がわき起こった。通常は青森駅まで約12時間半だが、最後は約1時間長く走る。
高度成長期に東北から上京し、「金の卵」と呼ばれた集団就職者らは、高級な寝台列車にお土産を積んで帰郷することを夢み、あけぼのは憧れの「出世列車」の一つだった。1日3往復に増便された時期もあったが、97年の秋田新幹線の開業などで1往復に。利用客の減少と車両の老朽化のため、15日のダイヤ改定で定期運行は廃止される。
JR東日本は今後、繁忙期などの臨時列車として運行する方針で、大型連休の4月24日~5月6日の運行を予定している。
定期運行するブルートレインの寝台特急は、上野―札幌間の「北斗星」だけになる。