黒子のバスケ事件「作者をねたんだ」 被告、初公判で
週刊少年ジャンプ(集英社)の人気漫画「黒子(くろこ)のバスケ」をめぐる連続脅迫事件で、威力業務妨害罪に問われた派遣社員渡辺博史被告(36)=大阪市東成区=の初公判が13日、東京地裁であった。被告は「一切まちがいございません」と、起訴内容を認めた。
検察側は冒頭陳述で、渡辺被告が以前からバスケットボールの漫画が好きだったと指摘。犯行の動機について、黒子のバスケの作者である藤巻忠俊さんをねたみ、「成功を傷つけたい。漫画を世間から消したい」と考えたと主張した。
起訴内容は、2012年10月、藤巻さんの出身校である上智大学(東京都千代田区)の体育館に、脅迫文と硫化水素が発生した容器を置いた▽13年10月、コンビニ大手セブン―イレブン・ジャパン(同区)と玩具大手バンダイ(台東区)に、黒子のバスケの単行本などの販売中止を求める脅迫文と、ニコチンを混入させた漫画のカード入り菓子を郵送。商品撤去や販売中止に至らせたというもの。
セブン―イレブンによると、2万個を超える菓子などを店舗から回収し、約500万円の損害が生じた。またバンダイによると、菓子約23万個の販売中止などで損害は1600万円を超えたという。両社とも損害賠償請求を検討している。