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バンクシーの新作は皮肉たっぷり。雪を喜ぶ少年の絵と思いきや…

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バンクシーの新作

覆面アーティストのバンクシーが12月19日、Instagramで新作の完成を明らかにした。

空から降ってくる白いものに喜ぶ少年の姿がガレージの壁に描かれているが、よくよく見ると、雪に見えた物体は実はごみの焼却施設から出た灰だったという作品。大気汚染の問題を皮肉たっぷりに表現しているようだ。

. . . . Season's greetings . . .

Banksyさん(@banksy)がシェアした投稿 -

バンクシーは作品を撮影した動画をInstagramに投稿。「季節のご挨拶です」との文を添えており、クリスマスに合わせて作品を仕上げたとみられる。

動画は、ほのぼのとするBGMとともに、両手を広げて空を見上げる少年の絵がアップで表示される。口を開けて舌を出し、まるで雪を食べようとしているかのようだ。

カメラが作品の全体を映すと、絵は壁の端に描かれ、直角に交わる別の壁にも続きがあることがわかる。そこには、小さなごみの焼却設備が描かれており、雪だと思われた白い物体は、ごみの灰だったという「オチ」が付いている。

最後にガレージの向こう側にある大きな工場が映される。工場の煙突からは白い煙が上がっている。

作品があるガレージは、イギリス南部の工業都市ポートタルボットにある。特に製鉄会社「タタ・スチール」による鉄鋼業が盛んだが、それに伴って大気汚染が深刻な問題となっているという。

BBCによると、ここで長年暮らしてきたゲーリー・オーエンさん(55)が2018年8月、Instagramでバンクシーに「ポートタルボットで何か作品を発表してみませんか。ここは鉄鋼業によって毎日、たくさんの粉塵が飛び交い、地元民はうんざりしています」などとするメッセージを送った。

バンクシーからの返事はなかったが、約4カ月たった12月18日、作品が出現した。オーエンさんはバンクシーの投稿動画を見て、「信じられない」と思ったという。

一方、絵が描かれたガレージを所有するイアン・ルイスさんは連日、見物人が殺到して困っており、自家用車が壊されるかもしれないなどと心配で夜も眠れないという。

タタ・スチールの広報担当者は地元メディア「ウェールズ・オンライン」の取材に対し、「我々は現場での改善を模索し続けており、近隣住民や現場の取引業者、当局とも緊密に連携しています」と話したという。


ドイツ週刊誌「シュピーゲル」スター記者、ねつ造で解雇。欧州メディア界最大のスキャンダル

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Claas Relotius

ドイツ週刊誌「シュピーゲル」は12月19日、同誌に所属する記者が大規模な記事のねつ造をしていたとして解雇したことを発表した

シュピーゲルは調査報道や政権批判において、質の高い報道で定評のあるメディア。同誌の事実確認を担当する部門は、かつては世界最高ともいわれていた。

シュピーゲルの発表などによると、解雇されたのはクラース・レロティウス記者(33)で、ドイツ国内で報道に関する数々の賞を受賞し、ルポルタージュを得意としてきたスター記者だった。

信頼性が高かっただけに、ヨーロッパメディア界最大のスキャンダルに発展している。

60本中14本で「ストーリーをでっち上げ、架空の人物を作り上げた」

シュピーゲルの調査結果によると、レロティウス記者がこれまでにオンラインや紙面上で執筆した記事60本ほどを調べたところ、少なくともそのうちの14本で、架空の人物を作り上げたり、ストーリーをでっち上げるなどの何らかのねつ造が見つかったという。

レロティウス記者は、2011年にフリージャーナリストとしてシュピーゲルで記事を書き始め、その後7年間、シュピーゲルの記者として勤めた。1年半前からは編集にも携わっていた。

彼はシリアの内戦孤児の話や、グアンタナモ米軍基地にある収容所で間違って投獄されたイエメン人が、14年の間独房に入れられたせいで精神に異常をきたし、もう釈放されることを望まなかった話などを感情豊かに書いた

しかしそれらの記事は、今までに会ったことのない人や、話したこともない人の言葉や、引用を自分が聞いた話として入れ込んでいた。それだけでなく、全文が作り上げだった記事もあったという。

架空の人物は、記事の核となる中心人物であり、これらのねつ造は他のメディアも影響を受けている可能性がある

経緯は?

発覚のきっかけは、共著の記事を執筆していたファン・モレノ記者(46)が、レロティウス記者の取材に不信感を抱き、調査したことからだ。

メキシコとアメリカの国境近くの自警団についての記事で、武装したトランプ支持派が移民を捉えようとしているという内容のものだった。

モレノ記者は2018年11月、記事の中の矛盾を指摘。

だが当初、 CNNジャーナリスト・オブ・ザ・イヤ―2014など数々の受賞歴があるレロティウス記者のねつ造を上層部も信じず、「レロティウスは中傷の犠牲者だ」という人も少なくなかった

モレノ記者は渡米してねつ造の証拠を集め、報告書にまとめた。

それらを基にして、シュピーゲル社内で調査が始まった。調べに対し、レロティウス記者はねつ造を否定していたが、12月13日になって自身の罪を告白。19日にシュピーゲルが公表した。

シュピーゲルはこの事件を受け、透明性を確保するためのキャンペーンを開始。レロティウス記者の書いたすべての記事を検証し、結果を公表していくという。

ドイツ紙ツァイト編集長「メディア非難者への一風変わったクリスマスプレゼントに」

Giovanni di Lorenzo

キャンペーンの一環として、シュピーゲルは今回の事件を、ライバル紙でもあるドイツの週刊新聞「ディー・ツァイト」の編集長にインタビューをした。

ツァイトのジョバンニ・ディ・ロレンツィオ編集長は、国内でレロティウス記者の記事が高く評価されていた背景に言及し「戦場記者など、人生をかけたルポルタージュをしている記者たちの記事にも真実性に疑いがかけられる。本当に害悪だ」と痛烈に批判。

メディア不信を一気に高めた事件として「メディアを非難する人たちにとっての、一風変わったクリスマスプレゼントになりましたね」と語った。

この事件について「ジャーナリズムは文学に寄りすぎているのではないか」というシュピーゲルの質問に「これは我々が日々もがいている問題。平凡でつまらなすぎる話は失望するし、本当のことにしては良い話過ぎるというものも一方である」とし、記事について「できるだけ魅力的に問題をドラマ化する傾向がある」と話した。

また、CNNはかつてレロティウス記者に与えた賞をはく奪する方針であることを公表した。

ロシアのフィギュア女子が「戦国時代」。ザギトワやメドベを下した4回転ジャンパーの14歳コンビとは?

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ロシア選手権のフリーで演技するアンナ・シェルバコワ選手=12月22日、ロシア・サランスク

ロシアのフィギュアスケート女子が「戦国時代」の様相を呈してきた。

2018年2月の平昌オリンピックでは、世界女王のエフゲニア・メドベージェワ選手(19)を抑えてアリーナ・ザギトワ選手(16)が優勝したかと思えば、12月22日にあったロシア選手権では、そのザギトワ選手を抑えてジュニアの選手たちが表彰台を独占した。

4回転ジャンプを成功させるなど驚異の実力を発揮しており、国際大会での今後の活躍が注目される。

青紫色のコスチュームをまとったアンナ・シェルバコワ選手(14)が空中を4度回ってきれいに着氷した時、会場からは大きな拍手がわいた。

12月22日、ロシア・サランスクで開かれたフィギュアスケートのロシア選手権。女子のフリーで、シェルバコワ選手は冒頭、4回転ルッツを成功させた。

フリーで演技するアンナ・シェルバコワ選手=12月22日、ロシア・サランスク

「やりました。男子の選手だってこんなに上手にできませんよ」。試合を解説していたロシア・フィギュアスケート界の大御所、タチアナ・タラソワさんも思わず、興奮した。

勢いに乗ったシェルバコワ選手はこのままノーミスで滑り切り、ショートプログラム(SP)5位からの優勝を成し遂げた。

「滑走前のウォーミングアップでは、いつも4回転ルッツが成功しているわけではないけど、日々の練習のおかげで調整することができました。どう跳躍すればいいのかわかっているし、あとはすべてコントロールし、実行することが必要なだけです」。地元メディアによる優勝後のインタビューで、シェルバコワ選手は冷静に答えた。

シェルバコワ選手のほか、表彰台に上ったのはいずれもジュニアの選手たちだった。2位に輝いたのはアレクサンドラ・トルソワ選手(14)で、フリーで4回転ルッツを成功させた。

3位に輝いたアリョーナ・コストルナヤ選手(15)はジャンプこそ4回転は跳ばなかったが、豊かな表現力と完成度の高い演技で1、2位に肉薄した。

シェルバコワ選手(中央)と、2位のアレクサンドラ・トルソワ(左)、3位のアリョーナ・コストルナヤの両選手=12月22日、ロシア・サランスク

一方、平昌オリンピックで金メダルを獲得したアリーナ・ザギトワ選手はSPで首位に立ったが、フリーの演技で2度転倒するなど振るわず、7位に終わった。

フリーで演技するアリーナ・ザギトワ選手

平昌オリンピックで銀メダルに輝いたエフゲニア・メドベージェワ選手も5位だった。

フリーで演技するメドベージェワ選手

表彰台を独占した3人はいずれも、ザギトワ選手を育てたエテリ・トゥトベリーゼ氏(44)から指導を受けている同じ門下生だ。

フィギュアスケート界の発展に尽力したとして、プーチン大統領から表彰されるエテリ・トゥトベリーゼさん=11月27日、モスクワ

実力選手が「群雄割拠」しているロシアは今、世界で最も選手層の厚いスケート王国と言える。

12月上旬にあったグランプリシリーズで、紀平梨花選手(16)がザギトワ選手を下したが、今後もロシア勢との激闘が予想されるだろう。

天皇陛下が愛用していた「ホンダ・インテグラ」ってどんな車?

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天皇陛下が皇居内で運転するホンダ・インテグラ

天皇陛下は12月23日に85歳の誕生日を迎えたことに合わせて、自動車の運転を取りやめることになった。宮内庁からの情報として、21日に共同通信などが報じた。陛下の運転免許は2019年1月に有効期限を迎えるが、更新や返納はせず、そのまま失効する見通しという。

 

■64年間にわたって国産車のみを乗り継いできた

時事通信社によると、陛下は免許を取得した1954年にプリンス自動車工業(現在の日産)の「プリンス」を購入して以来、64年間にわたって国産車のみを乗り継いできた。

最後に陛下が愛用していたのはホンダの「インテグラ」。公道に出ることはないが、週末にテニスや散策をする際など皇后さまを乗せて皇居内を運転。2016年1月には、皇居内で高齢者講習を受け、運転免許を更新していた。

 

■「かっこインテグラ」のCMで話題に

2013年9月30日の朝日新聞デジタルなどによると、陛下が愛用しているのは1991年式の2代目インテグラのハードトップ。色はグレーで、排気量は1600ccのマニュアル車。当時の価格は120万円程度だという。

世界初の可変バルブタイミング・リフト機構を採用したVTECエンジンを搭載するグレードもあるなど、スポーティーなイメージの車だった。アメリカの俳優、マイケル・J・フォックスさんが「かっこインテグラ」と日本語で話すCMで、若者を中心に人気を集めた。陛下が購入した経緯は不明だ。

陛下は、週末に皇居内のテニスコートや東御苑に向かう際などに、助手席に皇后さまを乗せて運転していた。2013年に政府インターネットテレビで公開された動画では、52分ごろから陛下がインテグラを運転する様子が映されている。

クリスマス、焦らなくても大丈夫。過半数が「いつも通り自宅で過ごす」(調査結果)

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イメージ画像。サンタさんも焦らず安全運転でね!

さあ、クリスマスの到来だ。特に何も予定がなくて「今年も1人か...」「どこも行くところがない」「仕事だ...」と、ぼやいている人も多いかもしれない。でも、そんな貴方に朗報だ。

2018年12月24日のクリスマスイブから、25日のクリスマスにかけて「いつも通り自宅で過ごす」が51%で過半数を占めたのだ。10歳以上の男女のLINEユーザーを対象にした調査(有効回答約42万サンプル)を、「LINEリサーチ」が発表した。

年齢別の内訳

「仕事やアルバイト」も19%(複数回答可)を占めたため、クリスマスを、いつもと変わらず過ごす人は少なくなさそうだ。

外出をしてアクティブにクリスマスを楽しむ人は、「ホームパーティーをする」で25%で最多。「イルミネーションやツリーを、見に行く」8%、「飲みに行く・ファミレスに行く」6%と続いた。

 

■20代独身では「クリぼっち」が最多に

20代独身男女のアンケート結果

また、20代独身では、男女ともに仕事や1人でクリスマスを過ごす「クリぼっち」が最多だった。男性では39%、同様に女性では30%を占める結果となった。

2018年のクリスマスは平日であることが影響したのか、2年前の日曜日だったときと比べて男性では6ポイント、女性では4ポイント増加している。「恋人、好きな人と過ごす」は男性25%、女性29%だった。

【調査概要】

  • LINEユーザーを対象にしたスマートフォンWeb調査
  • 調査対象:日本全国 10歳以上の男女
  • 実施時期:2018年11月22日~30日
  • 有効回収数:422,402サンプル
  • 性別年代構成比を市場にあわせてウェイトバック

ホワイトクリスマスになるのは、どこの地域?

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ホワイトクリスマスのイメージ写真

24日午後3時現在、北陸から北の日本海側では所々で雪が降っています。25日クリスマスにかけて、雪が降るのはどこでしょうか? 最新情報です。

    クリスマスイブの天気

    24日夜、平地も含めて広い範囲で雪が降るのは、強い寒気の影響を受ける北海道から東北にかけての日本海側となりそうです。ふぶく所もありますので、ご注意ください。新潟県や東北の太平洋側の山沿いも一部に雪雲が流れ込むでしょう。また、長野県や群馬県のスキー場でも、雪の降る時間がありそうです。

    そのほか、関東から九州にかけては太平洋側を中心に晴れて、天気の崩れはない見込みです。ただ、引き続き、冷たい風が強めに吹く所がありそうです。

    クリスマスの天気

    25日も、広い範囲で雪が降るのは、北海道と東北の日本海側。東北の太平洋側と新潟の山沿いに限られそうです。また、寒気が弱まるため、朝晩が中心となりそうです。そのほかは、広く晴れるでしょう。

    今年も普段雪が降りやすい地域でのホワイトクリスマスとなる見込みですが、寒さの緩んだ先週と比べると全国的にグッと寒く感じられます。暖かくしてお過ごし下さい。

    日本気象協会 本社気象予報士

    徳田 留美

    空を眺めるのが好きで、気象予報士になりました。 現在はテレビ局の原稿作成やアドバイザーをしています。 その日の防災情報や天気トピックスを分かりやすく解説できるように日々努力しております。よろしくお願いいたします。

    【関連記事】

    制作者も当事者だ。マスコミのハラスメントを特集、自ら出演したTVプロデューサーの思いは

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    津田環さん(44歳)は、制作会社「テレビマンユニオン」のプロデューサーで、AbemaTV「Wの悲喜劇」を担当している。

    テレビ業界に入って15年、職場でセクシャルハラスメントやパワーハラスメントの被害を受けてきた。母親に電話して辞めたいと泣いて訴える一方で、マスコミで起きているハラスメントを特集した番組を制作し、自ら出演したほか、所属先の会社にもハラスメント対策を講じるよう粘り強く求めてきた。

    その結果、2018年秋になって、会社はセクハラの研修を開くなど、対策を講じ始めた。セクハラ対策が特に遅れているテレビ制作業界での一歩になると見られている。

    #MeToo、財務省事務次官によるセクハラ、東京医科大での入試差別。この1年、日本では深刻な女性差別が相次いで明らかになった。一方、個人や団体が声を上げ、企業や国がセクハラ/パワハラ、差別対策に取り組み始めた年でもあった。

    津田さんの語りから、この国で働く女性が置かれた状況の一端が見えてくる。


    津田さんは日本の大学を卒業後、フランスやスペインに留学して映像を学び、2003年、派遣社員としてテレビマンユニオンの制作番組で働き始めた。番組の海外ロケの補助担当だった。その後、同社との契約社員を経て、2010年から「メンバー」と呼ばれる同社の正社員になった。

    津田環さん

    ■「ハラスメントは、あらゆる方面から、それこそ腐るほど受けてきました」

    仕事はやりがいを感じる一方、職場でのセクハラやパワハラが渾然一体となって存在する日常があったという。津田さんの証言からは、めまいのするような、その量と内容がみて取れる。

    津田)セクハラを受け始めたのは、テレビマンユニオンの直接雇用の契約社員として働くようになった2004年ごろから。ハラスメントは、あらゆる方面から、それこそ腐るほど受けてきました。

    飲み会で隣に座る男性ディレクターからお尻をもまれ続けました。他の人に気づかれないよう、後ろから手を伸ばしてくるのです。ショックでしたが無言で手を振り払うくらいしかできなかった。このディレクターは常習犯で、関わった女性スタッフが何人も同じ目に遭っていた。「いつものことだから」と、みんな泣き寝入りです。

    大手コンテンツ制作の会社役員と、コンテンツ売買の打ち合わせで食事した際、「いま◯◯語を勉強しているのだが、○○語の歌を聴いてほしい」と誘われ、カラオケボックスに行きました。リモコンで曲を探している間に背後で服を脱いで上半身裸になった会社役員が「乳首触ってよ」「不倫したいんだよねー」などと迫ってきました。早々に退散しましたが、その後も「また飲みましょう」と何度か誘われました。

    テレビ局の男性スタッフから、ブレスレットが食い込むほど手首を強く握られ「不倫したいんだよね」などと言って抱きついてきました。翌日、「楽しかったね、これからも会おうね」というメールが来て無視したら「ちょっと酔っちゃったけど、楽しい会だったよね?」などと電話してきました。会社へ報告されるかもと恐れていたみたいです。

    1年半ほどほぼ毎日、上司の飲み会につきあわされました。断ると本人の態度がよそよそしくなり、無視されることも。おかげで7kg太りました。飲めば飲んだで「お前は太ってみっともない」「お前にはテレビがわかってない」「お前なんかに才能はない」と説教が続く。その一方で「みんな触らせてる。おっぱいを触らせろ」と何度も要求されました。抗議すると「こんなのセクハラじゃない」と怒り出すのです。新入社員の女子が入ってきてお役御免となりました。

    部署の社員旅行で混浴を強要されました。男性スタッフがゲームし、勝った人が、私と2人きりで混浴するというルール。「全員やっているから」と周囲は誰も助けてくれません。一応タオルは巻くものの風呂に入らされ、その後結局全員が入ってきました。

    男性スタッフが、飲み会などで独身の女性プロデューサーを引き合いに「お前も気をつけないとあんな風に独身でかわいそうな女になるぞ」と説教する。ほかにも彼氏の有無、独身かどうかが常に話題になり、「あの女とはつきあえない」などとからかいの対象になる。

    「女性からプロポーズしたら絶対に断れない南の島」という番組の企画を話し合う会議で「津田、お前も結婚できるからこの島に行けよ」と言われました。そこに女性ディレクターが「津田さんの容姿レベルならその方がいいですね」とかぶせてきました。

    ■制作者として番組で被害を告白

    津田さんが、実際に行動を起こし始めたのは2017年4月。AbemaTVの「Wの悲喜劇」で「マスコミ女子のセクハラ・パワハラ」の特集を組んだ。この特集で津田さんは、「番組スタッフ」として出演、自ら受けてきたハラスメントの経験を語った。制作者自身がハラスメントの当事者として出演すること自体、過去に例のないことだった。

    津田)Wの悲喜劇は、インタビュアーが、当事者の体験や本音を引き出すという構成です。この回に関しては、マスコミで働く当事者として、私も出演することで、スタッフの間で合意していました。

    当時、電通で働いていた高橋まつりさんが自殺した件をめぐり、広告代理店での働き方や社員へのセクハラ・パワハラが問題視されていたことも背景にありました。

    マスコミ内部で起きていることにもっと目を向けて自ら話さないといけない。番組でこのテーマを取り上げるのなら、中の人はどんな思いで番組を作り、セクハラやパワハラを報じているのか、制作者が自ら話すことこそが意味がある、と思ったのです。

    だから、会社名も番組名もプロデューサーとしてのポジションも公表した上で、出るつもりでした。

    なぜ、このテーマを放送するのか。番組のプロデューサー、津田環さん自身に、ある問題意識があったからだと言います。「メディアは、自分たちのことは棚にあげ、他の業界のことを偉そうに語ったり、批判したりしがちです。でも、実際のところ、自分たちの業界はどうなのか? 他人ごとではなく、自分たちに起こっていることを検証する必要がある。そんな問題提起をしてみたかった」と制作意図を語ります。(2017年4月22日付弁護士ドットコム記事「最近いつやった?」は挨拶がわり...メディア業界のセクハラを問うより抜粋)


    だが、津田さんが出演の予定を会社に伝えると、反対された。

    津田)テレビマンユニオンの代表と女性の上司から「会社の名誉を傷つける」「会社が不利益を被る」「プロデューサーである人間が自ら出演すると番組内容の公平性が保てない」などと反対されました。「わたしはそうは思いません」と反論しました。

    自分たちの経験を振り返り、反省し、証言することは、公平性を阻害するものではない、と考えたのです。メディアで起きている問題をメディアが検証するのなら、むしろ制作者自身が顔を出したほうが視聴者に誠実だろう、と。公平公正さの判断をむしろ受け手にも問うて、より対等な立場で議論しよう、という思いがありました。

    ですが結局、仮面をつけて、仮名で出演せざるをえませんでした。

    このときの特集が注目され、2018年になってから欧州のテレビ局から、日本のメディアでのセクハラに関する取材が相次ぐようになる。

    津田)1月にはスウェーデンの放送局(Sweden TV4)から伊藤詩織さんのレイプ事件を受け「なぜ日本では#MeToo運動が盛んにならないのか」などとインタビューされました。6月には、イギリスのBBCからも取材を受けました。顔と名前を出し、過去に受けたセクハラ/パワハラの被害を話しました。

    BBC記者の取材を受ける津田環さん(右)


    津田)BBCに話した内容はその後、私の名前や肩書とともに、ニュースメディアで記事として紹介されました。記事を読んだ会社の役員に呼ばれ、「社内外から問い合わせが来ている。なぜこういう記事が出たのか」などと経緯を聞かれました。私は経緯を説明するとともに、「私個人としては(取材を受けたことや実名で記事になったことで)何ら不都合があるとは思わない」と答えました。

    この場では、「同じ社員として、(過去に受けたセクハラ/パワハラを)いまどう思っているのか話を聞きたい」と、次のような内容も尋ねられました。

    「何年も前のセクハラの経験で受けた不快さは、今も変わず感じているのか」

    「ハラスメントを受けながら、会社を辞めようとは思わなかったのか」

    「セクハラを受けた当時、その都度抗議はしたのか」

    「ハラスメントをした社内の人間に(正式な場での抗議など)どういう形をとりたいという思いがあるのか」

    私は過去に受けたハラスメントの経験を話すとともに、こう答えました。

    「セクハラをたくさん受けてきたことはいつまでも忘れないし、変わらない」

    「Wの悲喜劇の特集で、ほかの出演者は全員顔出しだったのに、なぜ制作者であるわたしが仮名・仮面で出演しなければならなかったのか、今でも腑に落ちない」

    「セクハラした相手に抗議したこともあったが、こんなのセクハラじゃないと言われた。周囲もそういうものだと。だから止める人もいない。『あれはひどいよね』といってくれるスタッフもいたが、うちの会社にセクハラなどない、と信じないスタッフもいた」

    「実名で経験を伝えたのは、加害者を告発したいのではなく、こういうハラスメントがなくなればいいと思いがあった。発言することで、加害者への抑止力にもなる」

    「男女関係なく、ハラスメントを受けている実態はいまも見聞きするし、土壌としてあると今も思っている。会社として(セクハラ対策で)できることはやってほしい」

    抗議したかどうかについては繰り返し問われたので、違和感を覚えました。「その場で抗議しなかったらセクハラOK」という理屈で聞いているのか?と。

    された人なら分かると思いますが、すぐにリアクションなどとれません。そんなことは常識だと思っていましたが、知らない人は多いのだ、と改めて気づかされました。

    また、前年のWの悲喜劇でのセクハラ特集の収録を巡る会社とのやりとりでも、セクハラの対策をとるよう会社に求めていたのですが、その後、具体的に何か行われているようにはみえない、と指摘すると「具体的な例があれば(ハラスメントの加害者/被害者の)当事者と話し合うなどしている」と言われました。

    これにも、驚きました。もし、加害者と被害者の話し合いで解決させようとしたこともあるのだとすれば、被害者にとってハラスメントの相手に会うのは恐怖以外の何物でもないのに、よくないやり方だと思いました。だからこの場でも「当事者である相手と直接会うのは厳しいものがある」と指摘しました。

    どんなセクハラ対策が有効か、具体策を聞かれた津田さんは、次のような内容を役員に求めた。

    ・啓発ポスターを社内に貼るなどの初歩的なことから始め、研修を開き、どういう行為がセクハラ/パワハラになるのか、現場のケースに即して解説する機会を設けること

    ・通報・相談がもみ消されることのないよう、窓口を社内外に設け、第三者委員会で検討するなどの仕組みを作ること

    ・就業規則などに、ハラスメントへの罰則規定も盛り込むこと

    津田)レベルの高い要望とは思っていません。一般企業並みの対策を立ててほしいと思っただけです。テレビマンユニオンは、テレビ業界の制作会社では老舗です。制作会社の模範となる対策を早急にとってほしい。会社のイメージにもつながる、と伝えました。

    9月1日、同社の正社員全員が対象の「メンバー総会」が開かれた。津田さんは、この総会で発言し、会社全体としてセクハラ/パワハラ対策をとるよう、改めて会社に求めた。10月、同社はセクハラを受けた経験の有無や具体例を尋ねるアンケートを実施。11月までに、管理職や社員が対象のセクハラ/パワハラの研修が開かれた。

    ハフポスト日本版は10月25日、メールでテレビマンユニオンの担当役員に、セクシャルハラスメントの対策をとるに至った経緯や今後の取り組みの具体的な内容について取材を申し込んだが、「現在 検討中ですのでお答えすることはできません」とした上で「取材の対応は、控えさせていただきたく存じます」という返答だった。

    ■「わたしを大事にしない組織を、どうしてかばわないといけないの?」

    メンバー総会の翌日、津田さんは、自身のFacebookで、これまでの思いを綴った。

    おかんは、わたしがわけのわからんセクハラやパワハラにあってたときからずっと深夜に泣きながら電話をかけるわたしにつきあってくれた。これは長年にわたる話だ。

    (中略)

    でも親はわたしが海外帰りで、この子ちゃんと日本社会で働けるんか?と相当心配だっただろうから、会社はやめたらだめだよ、ていうてた。しかもわたしは、もちろん就職氷河期世代で、かつ海外から帰ってきてなんかニート感満載だったし。

    「もう辞めたい」ていうても「もうちょい頑張れ」の繰り返しで、くそーと思って(なぜか)親と喧嘩。

    だから、ここまできた。

    だって悔しかったから、わたしはお前らに言われ放題、されるがままに、アホで海外かぶれの、テレビの才能がない女で、太って結婚もできないかわいそうな女で、AP(アシスタント・プロデューサー)はできてもプロデューサーができない女ではありません、と堂々と言えるまで、ここまでかかったんだよ。絶対負けないよ。

    でもこれはいま辛い思いをしているひとに推薦できる戦いではない。たまたまわたしは、そういう喧嘩上等メンタルだっただけだから。

    (中略)

    わたしのことを嘲笑する人もいれば、なぜこういうことを外に公表するのかわからないという人もいる。

    ただ、人の働く意味っていうのは、組織の(誰かの)いうことをきくことじゃないんだと、わたしは微微たる力を持って言います。

    わたしを大事にしてくれない組織のことを、どうしてわたしがかばわないといけないの?
    (後略)

    (2018年9月2日付Facebookページ投稿から抜粋)

    ■ハラスメントの継承、もう耐えられない

    津田)テレビ業界で働いて15年、1人で仕事ができる立場にならないと、被害を訴えても誰も絶対に耳を傾けてくれない。そういう業界だと思って今まで黙ってきました。

    いまセクハラ/パワハラの経験を公言し、会社にも対策を強く求めているのは、私がプロデューサーという立場になれたからです。プロデューサーは、自分の番組の予算を掌握するなど、様々な権限を持つ立場です。仕事を依頼されるだけの人脈もあります。だからセクハラ/パワハラを訴えたくらいで、干される心配はありません。

    10月にテレビマンユニオンで開かれたセクハラ/パワハラの研修で、弁護士が話していたのですが、マスコミの中でも特にテレビ業界が、対策が遅れているそうです。

    思い当たる節は多いです。セクハラ/パワハラが起きやすい土壌として、テレビ業界の明確な身分・待遇の「格差」も一因ではないかと思っています。

    テレビ番組は、大手代理店やテレビ局が制作会社に発注し、制作会社だけでなく、その下請け、孫請けの小規模の制作会社のスタッフも参加して作られています。正社員は少なく、スタッフの多くは、かつての私がそうだったように、番組ごとに契約を結んだフリーランス、派遣社員です。女性が極めて少ない業界に加え、いまだに補助業務についているのは大半が女性です。

    さらに、クリエイティブ要素の強い仕事なので、アイデアやセンス、才能という俗人的なもの、感覚的なもので評価されます。先輩ディレクターの命令は絶対ですし、ミスの指摘も、能力や人格に言及しがちです。「このままじゃディレクターになれないよ」「お前、つまんない」「女と仕事してよかった番組など一度もない」などですね。

    制度や啓蒙といった介入がないままハラスメントの文化が受け継がれ、かつて上司や先輩からのハラスメントに耐えてきた「被害者」の同僚・後輩たちが、今度は「加害者」となって、自分の後輩に「指導」という名の執拗な説教や罵倒をするのです。

    セクハラのメカニズムや差別意識、人権侵害への理解も不十分なままで、被害者や加害者の直接の話し合いの場を持つなど、会社も誤った知識で対処してきたと思います。「セクハラに遭うなんて、まともな女性と認められている証拠」と悪気なく言う人も職場にはいます。こうした状況で、会社を居づらくなって辞めるのはいつも被害者側で、加害者は反省もせず開き直って仕事している状況は理不尽だし、悔しかった。

    こんな環境で働いてきた私自身にも、きっとハラスメントの文化は受け継がれています。実際のやりとりにも、パワハラ的なコミュニケーションが染み付いているでしょう。そう思うと耐えられない。トラウマも、一生抱えるでしょう。それに、ハラスメントを受けなければ、もっと違うキャリアの道もあったかもしれないという思いも抱いています。失われた時間への代償は、誰も払ってくれません。

    正直、加害者の考えは一朝一夕で変わるものではないと思います。彼/彼女たちは、悪いと思っていませんから。でも制度があれば、少なくとも言動の抑止力にはなると思います。

    あなたの笑顔が、新聞広告になるかも。”ユニーク・スマイル フォトキャンペーン”開催

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    東京の女性たちをエンカレッジするプロジェクト「WOMAN&TOKYO」は、この度「ユニーク・スマイル フォトキャンペーン」を実施いたします。

    東京ができて今年で150年。次の150年につないでいきたい"女性の笑顔"を募集します。

    ハッシュタグ「#womanandtokyo」または「#私と東京」をつけてInstagramに投稿していただいたお写真の一部をコラージュし、朝日新聞朝刊(首都圏版)に全面広告として掲載させていただきます。(掲載は2019年2月下旬~3月を予定しています)

    東京を舞台に、同僚や友達と一緒に笑っている写真、家族みんなで笑顔の写真、子供がにっこりご機嫌に笑う写真、おばあちゃんのチャーミングな笑顔写真など、ずっと守り続けたい笑顔を集めます!

    今の東京で生き、働き、学ぶ、女性たち・少女たちの、笑顔の写真を、是非投稿してください。

    ▼募集テーマ
    東京で生きる女性たち・少女たちの笑顔の写真

    ▼投稿要件
    「#womanandtokyo」または「#私と東京」をつけて、Instagramへ投稿

    ▼その他要件
    "なにか赤いもの"と一緒に写った笑顔の写真(必須条件ではございません)。

    茜色は、東京ブランド(※1)の価値のひとつ、「UNIQUE」のイメージカラーです。

    例)

    ・東京タワーを背景に笑顔。

    ・サンタの恰好で笑顔

    ・リンゴを片手に、にっこり など

    ▼公式アカウント

    当キャンペーンの公式Instagramアカウントはこちらです

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    <WOMAN&TOKYOプロジェクトとは>

    明治維新から今年で150年。首都・東京が魅力的な都市として発展してきた背景には、各地から集まったユニークな人材が活躍してきたことが挙げられます。

    東京都と朝日新聞社は、東京ブランド推進プロジェクト(※2)の一環として「WOMAN&TOKYO」を立ち上げ、来年3月8日の国際女性デーに向けて、さまざまな企画を展開しています。

    WOMAN&TOKYOの目的は「今の東京を生きる女性たちを励まし、エールを送る」ことと、「未来の東京を担う少女たちに、自分を誇る言葉を獲得してもらう」ことです。  

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    プロジェクト第一弾では、国際ガールズデーの10月11日、津田塾大学髙橋裕子学長を講師に招き、東京の若者を集めたユースセッションを東京・渋谷で行いました。

    この150年間に東京で活躍した女性たちについて、若者たちが学び、時代を切り開く生き方を高校生に伝えるための授業案を考え、発表し合いました(朝日新聞DIALOG主催、ユースセッション「東京の女性たちよ、ユニークであれ! 」)。このセッションで考えられた授業案をもとに、来年1~2月にかけて都内の高等学校で出張授業を開催する予定です。

    今回の「ユニーク・スマイル フォトキャンペーン」は、プロジェクト第2弾として行います。素敵な笑顔の写真をぜひ投稿してください!

    さらに来年3月8日の国際女性デーには、津田塾大学千駄ヶ谷キャンパスでシンポジウムを開催いたします(共催:ハフポスト日本版 )。津田塾大学・高橋学長の講演や、様々な分野で活躍する方々のパネルディスカッション、東京150年間の女性の装いの変遷や、恋愛の形の変化などを取り上げる予定です。

    こちらのイベントへの参加募集の開始は、2019年1月半ばを予定しています。


    ↑ WOMAN&TOKYO ユースセッションの様子(2018年10月11日渋谷にて開催)

    ※1...「東京ブランド」とは

    東京都は、旅行地としての東京を強く印象づける「東京ブランド」の確立に向けた取り組みを行っています。「東京ブランド」では、Unique、Excellent、Exciting、Delight、Comfortの五つのキーワードで東京が持つ独自の価値や魅力を表現しています。

    WOMAN&TOKYOでは、この五つの価値に、「東京がUniqueなモノ・ヒト・コトを受容することでExcellent、Exciting、Delightな価値が生まれ、誰もが暮らしやすいComfortな空間へ成長し、そのことによって新たなUniqueが生み出される」という循環を見出しました。

    東京にUniqueな女性たちが活躍できる場があることで好循環が生まれている、という視点から、さまざまな企画を通じて東京ブランドを広く浸透させ、シティープライドを醸成することを目指しています。

    (東京ブランドコンセプトについてはこちらから)

    ※2...「東京ブランド推進プロジェクト」とは

    東京ブランドロゴ「&TOKYO」を効果的に活用しながら、東京都及び東京観光財団と民間事業者が連携して、東京の魅力の発信等を行う事業です。


    紅白歌合戦2018、曲目は? 一覧で紹介します

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    紅白歌合戦のロゴ

    12月31日午後7時15分から生放送される、大晦日恒例のNHK「紅白歌合戦」。平成最後となる今年の紅白歌合戦の曲目が発表された

    「第69回紅白歌合戦」出演者と曲目一覧

    ※12/25(火)時点

    ▼紅組

    「カブトムシ」aiko

    「マリーゴールド」あいみょん

    「じょいふる」いきものがかり

    「天城越え」石川さゆり

    「恋するフォーチュンクッキー」AKB48

    「鳰の湖」丘みどり

    「ガラスを割れ!」欅坂46

    「夜桜お七」坂本冬美

    「時代」島津亜矢

    「Gifts」Superfly

    「打上花火」DAOKO

    「ソーラン祭り節2018~どさんこver.~」天童よしみ

    「紅白メドレー2018」TWICE

    「トリセツ」西野カナ

    「帰り道は遠回りしたくなる」乃木坂46

    「Future Pop 紅白SP」Perfume

    「SEIKO DREAM MEDLEY 2018」松田聖子

    「私が好きなユーミンのうた~紅白スペシャル~」松任谷由実

    「アイノカタチ 2018」MISIA

    「水に咲く花・支笏湖へ~イリュージョンスペシャル~」水森かおり

    「世界はあなたに笑いかけている」Little Glee Monster

    ▼白組

    「嵐×紅白スペシャルメドレー」嵐

    「VIVA・LA・VIDA!~生きてるっていいね!~」五木ひろし

    「EXILE紅白スペシャル2018」EXILE

    「ここに」関ジャニ (エイト)

    「シンデレラガール」King & Prince

    「GOLDFINGER'99~GO!GO!2018~」郷ひろみ

    「VOLT-AGE」Suchmos

    「R.Y.U.S.E.I.」三代目 J Soul Brothers

    「プロポーズ」純烈

    「サザンカ」SEKAI NO OWARI

    「カラクリだらけのテンダネス〜2018紅白ver.〜」Sexy Zone

    「U.S.A.」DA PUMP

    「勝負の花道~世界に響く和太鼓SP~」氷川きよし

    「2018スペシャルメドレー」福山雅治

    「Ultra Music Power ~Hey! Say! 紅白スペシャルver.~」Hey! Say! JUMP

    「アイデア」星野源

    「Be Myself~紅白スペシャル~」三浦大知

    「いごっそ魂~けん玉世界記録への道、再び~」三山ひろし

    「さらせ冬の嵐~刀剣男士コラボスペシャル~」山内惠介

    「うたエール」ゆず

    「Red Swan」YOSHIKI feat.HYDE

    ▼特別企画

    「獣ゆく細道」椎名林檎と宮本浩次

    サザンオールスターズ

    ▼企画コーナー

    「刀剣乱舞~出陣!紅白歌合戦~」刀剣男士

    「君のこころは輝いてるかい?」Aqours

    平成最後の紅白、見どころは...?

    同番組では、2016年から、オリンピックイヤー前の2019年の「第70回」まで、4年間共通で「夢を歌おう」をテーマに掲げている。

    2018年を彩る豪華アーティストが出演するが、注目の一人は2013年以降、5年ぶりの出演となる北島三郎。NHK公式サイトによると、「平成最後の紅白」に「やっぱりサブちゃんを紅白で見たい!」という期待の声を受けたため、特別出演が決まったという。当日は「まつり」を披露する予定だ。

    また、ユーミンこと松任谷由実さんやサザンオールスターズなど、時代を超えて歌い継がれる名曲を生み出したアーティストの出演も見どころだ。

    ゲスト審査員は阿部サダヲ、安藤サクラ、池江璃花子、小平奈緒、佐藤健、出川哲朗、永野芽郁、中村勘九郎、夏井いつき、野村萬斎、長谷部誠の計11人。

    また、放送中に副音声で楽しめる「紅白ウラトークチャンネル」では、人気芸人のサンドウィッチマンと渡辺直美が初担当する。

    「同一労働同一賃金」の意味を知っていますか? 派遣社員316人に聞いた結果は…

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    日本最大級の派遣のお仕事まとめサイト『エン派遣』上で、現在、派遣社員として働くサイト利用者を対象に「同一労働同一賃金(※)」についてアンケート調査を行ない、316名から回答を得ました。以下、概要をご報告します。

    ※本調査では「同一労働同一賃金」を下記のように定義して伺いました。

    先日の国会で成立した働き方改革関連法の一環。「正規雇用と非正規雇用の間の不合理な待遇差を解消すること」を目的としており、賃金(基本給)の他にも、賞与や研修制度などの待遇差の解消も目指すとされています。

    ■調査結果 概要

    ★ "同一労働同一賃金"について、概念を正しく理解している方は2割に留まる。8割が"同一労働同一賃金"の考え方に肯定的。

    ★ "同一労働同一賃金"導入で期待すること、「賞与支給」「給与アップ」「交通費の支給」。

    ★ 賃金の差について納得できる理由は、「責任の重さ」「役職」「資格・スキル」。

    ■調査結果 詳細

    1:"同一労働同一賃金"について、概念を正しく理解している方は2割に留まる。8割が"同一労働同一賃金"の考え方に肯定的。(図1、図2)

    「"同一労働同一賃金"について知っていますか?」と尋ねたところ、「言葉も意味も知っている」が23%でした。「言葉は聞いたことがあるが意味はよく知らない」(40%)、「知らない」(38%)が8割を占めており、"同一労働同一賃金"の周知が、まだ進んでいないことが伺えました。

    "同一労働同一賃金"は、先日の国会で成立した働き方改革関連法の一環で『正規雇用と非正規雇用の間の不合理な待遇差を解消することを目的に、賃金(基本給)の他にも、賞与や研修制度などの待遇差の解消も目指す』とされています。この"同一労働同一賃金"の考え方について、74%が「良いと思う」と回答しました。

    肯定的な理由を伺うと、『業務内容が同じなのにも関わらず待遇に差が出ることは前々から不満に感じていた点だったので、解消されれば嬉しい』(27歳女性)、『正社員と同じか、それ以上の仕事量をしているのに、給与や賞与で待遇に差が出るのはおかしい。解消されれば仕事へのモチベーションも上がると思う」(32歳女性)といった、現状の不平等感を訴える声が多く挙がりました。

    【図1】"同一労働同一賃金"について知っていますか?

    ※小数点以下を四捨五入しているため、必ずしも100%にならない

    【図2】"同一労働同一賃金"をどのように感じますか?

    2:"同一労働同一賃金"導入で期待すること、「賞与支給」「給与アップ」「交通費の支給」。(図3)

    先日の国会で"同一労働同一賃金" について、大手企業は2020年4月から、中小企業は2021年4月から導入されることが決まりました。"同一労働同一賃金"の導入が進むことで期待することを伺ったところ、第1位は「賞与の支給」(80%)でした。『ボーナスがないと、生活するのに精一杯になってしまう』(23歳女性)、『賞与があることで、しっかりと評価をされる機会が設けられると思うから』(35歳女性) といった声が寄せられました。

    第2位は「給与アップ」(71%)でした。『給与が上がれば、働くモチベーションにつながる。もっと給与を上げるために、社内外の勉強会にも積極的にでるようになると思う』(25歳女性)、『給与の格差が埋まれば、正社員の方に感じる壁もなくなると思う』(34歳女性)といった声が挙がりました。

    同率第2位は「交通費の支給」(71%)でした。『交通費がかかると、仕事選びも制限が出てきてしまう』(26歳女性)、『交通費が課税対象になってしまっている現状を解消したい』(39歳女性)といった声が寄せられました。

    【図3】同一労働同一賃金の導入が進むことで期待することは何ですか?(複数回答可)

    3:賃金の差について納得できる理由は、「責任の重さ」「役職」「資格・スキル」。(図4)

    「賃金の差について、仕事上のどのような差なら納得できますか?」と尋ねたところ、最も多い回答は「仕事への責任の重さ」(69%)でした。次いで「役職の有無」(67%)、「資格やスキルの有無」(60%)が続きました。 "同一労働同一賃金"に関して、不安なこと・気になることもご紹介します。

    【図4】賃金の差について、仕事上のどのような差なら納得できますか?(複数回答可)

    "同一労働同一賃金"について、不安なこと・気になること

    ○今は非正規から正規になりたいと頑張っているが、"同一労働同一賃金"が導入されたら、みんな正社員になりたいと思わなくなるのではないかと感じる。(23歳女性)

    ○非正規社員の給与を上げるにあたり、正社員の賃金が下がったり、待遇が悪くなってしまうのではないか。(25歳男性)

    ○正社員にばかり責任ある仕事のしわ寄せがくるのではないか。社員になる必要がないという考え方の人が増え、派遣やバイトといった雇用形態を選ぶ方が増えたら、正社員1人当たりへのしわ寄せが、さらに大きくなるのではないかなと思います。(26歳女性)

    ○"同一労働同一賃金"には賛成だが、年功序列制度が完全に撤廃されて、能力だけで賃金が決まるようになれば、今度は、能力が発揮できないという理由で、生活が脅かされることになるのではと不安を感じる。(32歳女性)

    ○現状でも、労働法や派遣法が守られていないと感じている。果たして本当に実現できるのか、疑問。(39歳男性)

    【調査概要】

    ■調査方法:インターネットによるアンケート

    ■調査対象:『エン派遣』を利用している、現在派遣社員として働くユーザー

    ■有効回答数:316名

    ■調査期間:2018年9月27日~10月29日

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    ローラさん、辺野古基地をめぐる発言が波紋。芸能人は黙っていた方が良いの?

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    ローラさんと辺野古移設

    タレントのローラさんの「政治的発言」が話題だ。沖縄・辺野古への米軍基地移設計画に関するインターネット署名に対して協力を呼びかけたことがきっかけだ。基地問題は賛成派と反対派が対立している。「芸能界から干される」「ローラは左傾化!?」などの指摘がネットや一部メディアから聞かれた。

    芸能人がSNSを使って、ファンに直接呼びかけられる時代。おいしいご飯の写真を紹介したり、ドラマの宣伝をしたりするだけではなくて、ニュースにコメントすることも増えるはずだ。芸能人は、口を閉ざしていた方が良いのか。激しい論争が起きている。

    WE the PEOPLEのサイトより

    ■「ローラが左傾化!?」の報道も

    We the people Okinawaで検索してみて。美しい沖縄の埋め立てをみんなの声が集まれば止めることができるかもしれないの。名前とアドレスを登録するだけでできちゃうから、ホワイトハウスにこの声を届けよう」

    ローラさんは12月18日、Instagramでこう呼びかけた。「We the people」は、沖縄・名護市辺野古への移設計画をめぐり、アメリカのホワイトハウスに向けて、建設中止を求めるインターネット署名のことだ。

    計画を早く進めたい政府と、基地移転や進め方の強引さに反発する沖縄県民らの間で激しい対立が起きている中、ハワイ在住の作曲家が提案し、10万筆が集まった。

    ローラさんのInstagramに対して、デイリー新潮は12月21日にネット配信した記事で、「ローラが左傾化!?」というタイトルをつけた。

    芸能人やタレントは、多くのファンの人気に支えられている。米軍基地の辺野古移設には、賛成の人も反対の人もいる。どちらかのスタンスをとってしまうと人気が落ちてしまう恐れもある。

    新潮の記事では、ローラさんのことを支持する声を紹介しつつも、スポンサー企業が本人をCMに起用することを敬遠するリスクや、安倍政権側からの反発の可能性などに触れている。

    米軍キャンプ・シュワブのゲート前で行われた集会で、発言する沖縄県の玉城デニー知事=沖縄県名護市  撮影日:2018年12月15日

    日本で『モノが言える』タレントが生まれない理由とは

    過去にも、2015年、安全保障関連法案の成立をめぐって、俳優の石田純一さんが「戦争は文化ではありません。誇るべき平和を戦後100年に続けていこう」(2015年9月18日 朝日新聞)と訴えるなどしたときは、反発や戸惑いの声が聞かれた。

    一方、アメリカでは、芸能人が政治的なテーマについて発言をすることはある。世界的なポップスターのテイラー・スウィフトさんは、肌の色やジェンダー、性的志向などの権利を擁護する立場から、インスタグラムで2018年の中間選挙についてコメントした。

    テイラーさんは、保守的な白人層に人気があるとされるカントリー・ミュージック出身だったこともあり、その「リベラルな姿勢」は特に注目をあつめた。

    テイラー・スウィフトさん ( REUTERS/Steve Marcus)

    芸能取材の経験が豊富なライターの松谷創一郎さんは、アメリカは、タレントや俳優が「個人事業主的」な立ち場を取りやすい一方、日本は、事務所に所属する「社員」のような立場になりがちだと指摘する。もちろん芸能人の契約は様々なので一概には言えないが、一般の会社員が上司を無視して自由にTwitterに投稿が出来ないのと同じようだ、という。

    また、テイラーさんをはじめアメリカのスターは世界に進出してグローバルなマーケットで収益をあげているため、特定のファン層やスポンサーを気にすることなく、「自由にふるまいやすいのではないか」と松谷さんは指摘する。

    ■現れてきた変化の兆し

    日本のある老舗芸能事務所の男性マネージャーに話を聞いてみた。もし所属タレントがローラさんのような投稿をしようとしたら、「(自分だったら)ストップさせていた」と断言する。

    「沖縄や歴史問題はとても複雑で、背景を知らないと『勉強不足』だと思われてしまう。意見をしたことが一般の世論と違ってしまうと、ワイドショーでコメンテーターから批判的な意見をいわれてしまう。そうなると批判が大きくなり、テレビ局にとっては『使いづらい』タレントになる」という。

    「ただ」と、このマネージャー取材の最後で言った。

    「海外のように、芸能人がどんどん発言をするような世の中になったら良いですよね。自分も変わらないといけないし、これから世の中はどんどん変わっていってほしい」。

    実際、変化の兆しはみられる。

    お笑いコンビ「ウーマンラッシュアワー」の村本大輔さんは、12月9日に放送されたフジテレビ系の「THE MANZAI」で沖縄米軍基地問題などを漫才のテーマにして大きな話題を呼んだ。

    村本さんをはじめ、インターネットテレビの「AbemaTV」では政治的なテーマを話す討論番組に、お笑い芸人を呼ぶことが多い。同番組の主要スタッフの一人は「芸能人といえども有権者なので、政治的な意見は持っている。そうしたことに視聴者も慣れてきたのではないか」と話す。

    取材に応じる村本大輔さん(2017年撮影)

    ■芸能人の「個人の声」

    広告業界も変わりつつある。有名タレントのCMなどを多く手がける、ある大手広告代理店の男性はこう話す。

    「SNSの登場によって、芸能人やタレントの生の発言が身近になった。作られたイメージではなくて、政治をはじめとする時事問題に関する素直な意見を述べる著名人の方が、ファンや消費者から『共感』される時代になる可能性がある」。

    2017年には、女性の地位向上を訴えるキャンペーンが、世界最大級の広告・クリエイティブの祭典「カンヌライオンズ」でグランプリを受賞。広告業界でも、社会問題を告発するメッセージが支持され始めているという。

    もちろんローラさんの行動によって、ファッションやブームとして沖縄の問題に興味を持つだけでは、本当の意味では基地問題の長い歴史や沖縄の人の苦しみは分からない。ローラさんではないが、芸能人の発言には事実誤認が混ざっていることもある。

    女性の地位向上を訴えたキャンペーンの「少女像」(REUTERS/Brendan McDermid)

    ■「政治的でない人は、1人もいない」

    1960〜1970年代以降、アメリカでの学生運動や女性の地位向上を訴える運動では「個人的なことは政治的である」というスローガンが注目された。女性として感じる生きづらさや働きづらさ。それらを単なる「本人の個人の問題」ではなくて、政治や職場での男女差別など広く「政治的な問題」としてとらえようという動きだ。

    タレント、エッセイストの小島慶子さんはハフポスト日本版の取材にこう答えた。

    「今後も(ローラさんの発言のような)動きは広がっていくと思います。政治というのは『誰が好きか嫌いか』という話ではありません。『何を大事だと思うか』という話です」

    「たとえば自分は子どもたちの命を大事にしたいとか、虐待をなくしたいという思いを表明することも、政治的なことなのです。そう考えれば誰だってなにかしら『これは大事にしたいな』『こんな世の中は嫌だな』という思いはあるでしょうから、政治的でない人は、実は一人もいないのだと思います」

    港区が南青山に児童相談所を含む施設をつくるべき3つの理由

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    (仮称)港区子ども家庭総合支援センターの外観図

    時間に追われ、なかなかブログまで手が回っていなかったのですが、ようやく一息つけたので、書いておきたいと思います。今、メディアなどで盛んに取り上げられている、港区が南青山5丁目に建設予定の「港区子ども家庭総合支援センター」についてです。児童相談所などを併設することから、不動産会社の方など一部の人たちが反対している一方、日々街を歩く私の肌感覚で言えば、大多数の港区民は「子どもたちにとって必要な施設」と賛成しています。

    施設設置の経緯

    そもそも、児童相談所については、もともと東京都が管轄していました。それが、一時保護所の定員が100%を超えるなどキャパオーバーになっていること、また、基礎自治体である区との連携が急務であったことなどから、法改正があり、23区で設置することができるようになりました。現在、練馬区以外の22区で設置のための計画が進められています。

    そのような中、区は「区内の家庭が生き生きと子育てを楽しむことができ、多様な文化や人との出会い・交流や学習の場として子育てを応援するとともに、子どもと家庭の状況に応じた支援機能と児童相談所の専門機能を一体化させ、総合的に支援していくため」(港区ホームページより)、子ども家庭支援センター、児童相談所、母子生活支援施設の複合施設である「(仮称)港区子ども家庭総合支援センター」を平成33年4月に開設することとしたのです。

    なぜ、南青山なのか?

    施設の建設に反対している方々の多くは、その理由として「児童相談所を設置すれば、不動産価値が下がってしまう」としています。

    (本当にそうなのかについては検証が必要ですが、住宅評論家の櫻井幸雄氏の記事はとても参考になります。

    https://news.yahoo.co.jp/byline/sakuraiyukio/20181219-00108061/

    確かに、「南青山のようなブランド力のある土地に敢えてつくらなくても」という声、また「保護された非行少年や触法少年が逃げ出すかもしれず、不安」「合意がないまま進めることは許せない」という意見にはきちんと耳を傾け、区としても納得のいくまで説明する必要があります。しかし、私は以下の3つの理由で、今ここにつくらなければならないと感じています。

    南青山に児童相談所をつくるべき3つの理由

    一つ目は、需要が逼迫していることです。上述したように、東京都の児童相談所はキャパオーバーになっており(全国的にも、児童虐待の件数は10年前の約3倍となっています)、港区でも、新規に相談のあった児童虐待の件数が平成28年度で500件近く、さらに東京都の児童相談所が受けた相談件数のうち、港区在住分が約300件という現状があります。また、虐待は何も貧困家庭だけで起きているわけではなく、家庭の事情の変化により年収や住む地域に関わらず、いつでもどこでも起きうることを考えると、子どもたちのセーフティネットのために必要な施設だと考えています。加えて、ここは児童相談所のみならず、子育て支援のための拠点となる場所であり、様々な親子が交流できる楽しい場ともなるはずです。

    二つ目は、「なぜ南青山か」に関わる部分です。実はこの土地は、なんとか国から取得できたものだったのです。国や都有地は、まず地元の自治体に需要があるかを問い合わせ、あれば自治体に適正価格で払い下げを行うことになっています。年に5,000人のペースで人口が増えている港区としては、保育園をはじめ、子どもの施設に対する行政需要が急増しており、そのような土地を職員がまさに血眼になって探してくださっているのですが、民有地も含め、なかなか見つからない状態が続いています。そのような中、また、子どもが特に増えている芝浦・港南地区では保育園の設置が最優先される中、国にやっと払い下げてもらえた土地が、たまたま南青山にあったのです。

    三つ目は、合意は、時間をかけて既になされてきているということです。平成28年8月の国からの情報提供に基づき、区が検討を開始し、この間地元の町会、学校関係者、周辺住民、その他多くの地域に関わる方々と話し合いを続け、「懸念はあるが、子どもたちのためになるのなら」と合意に至った場所です。この土地で長く商売をされ、住まわれている方々も、自らつくってきたブランドを毀損するものではないと判断してくださいました。港区議会としても幾度となく議論がなされ、全会一致で計画に賛成した経緯があります。(平成29年10月の港区議会定例会で、補正予算が議決されました。)実は私も以前、反対する方々から一度だけ相談を受けたことがあるのですが、ご懸念は受け止めた上で、本経緯をご説明しました。

    「合意」の難しさ

    以上が私の賛成理由です。とはいえ、3点目の「合意」については、相当難しいものだと感じています。区の職員の方々からすれば、相当苦労してこの土地を取得し、次はセンターの内容を充実させるため、また地元に愛される施設となるために(NPOなどとも組みながら)どう発展させていけるかを熱心に考えていた段階でした。説明会等での発言を聞く限りでは、「一度合意したものを急に蒸し返されても...」というのが本音であると伺えます。私は職員の方々の努力に本当に頭が下がる思いなのですが、それでもここはぐっとこらえて、ぜひ彼らの納得のいくまで、コミュニケーションをとっていただきたいと考えています。周辺で賛成している方にしても、「詳しく聞いていない」という人がまだいらっしゃいます。

    最近、この施設に限らず、都市計画道路の整備、保育園の設置などで、各地で反対運動が起きています。それは、地元の合意がいかに難しいかを示すものです。以前なら、町会や自治会、商店会などのコミュニティのまとまりがしっかり見えており、多くの人がそこで顔の見える関係を築いていたため、議会を含め、行政はこれらときちんと話し合いをして合意が取れれば、それでことが足りていました。しかし、今は高層マンションが増え、地域に古くからあるコミュニティに入る人は減っています。新聞を購読する人が減り、タワーマンションにはポスティングができないところが増えている現状では、区の広報誌も届かず、SNSの導入を進めてもなかなかフォローしてくれません。パブリックコメントは頻繁に求めていますが、それがあることすら伝わっていません。これは都心部を中心に、全国各地で起きている悩ましい問題です。

    このような現状に対して、区は様々な手段で引き続きコミュニケーションに努めています。また、僕自身も地域のつながりをどう高めていくか、老若男女が思わず参加してしまう面白いイベントやコミュニティをどうつくっていくかを日々考え、それを政策にしてまとめ、議会で提案しています。(詳しくは、「港区を良くする20の新アイディア」をご覧ください! http://ecotoshi.jp/vision)また、NPO法人グリーンバードの代表としても若者を地域につなげる活動を繰り返してきました。(http://www.greenbird.jp

    それでも、まだまだです。どうしたら細分化し、分断されたコミュニティに等しく情報が届くか、またどうしたらそれらの関係性をつむいでいくことができるかについては、試行錯誤するしかありません。

    未来志向で考える

    最後に、理想論を言います。私はせっかくの機会なので、こうした現状を理解していただいた上で、より多くの人に、区の行政や政治にもっと積極的に関わっていただくことを呼びかけたいと思います。港区には、来庁、電話やメールでの手段に加え、区民の声センター、それに政策提言のための「みなとタウンフォーラム」(https://www.city.minato.tokyo.jp/kikaku/kuse/shisaku/kihonkoso/town-forum/index.html)など、区民参画のための様々な手段が用意されています。(個人的には、アプリの導入やAI を使った対話など、もっと手軽な方法も提案しているところです。)また、私自身も、「みなとーく」という港区に住む人、学ぶ人、働く人、港区が好きな人との対話の機会を2〜3ヶ月に一度は設けています。

    だから、今回反対されている方々も含め、ぜひこの機会にどんどんこうした場に参加していただき、日頃から意見を述べてほしいと思っています。場に多様な意見が出ること、多様なアイディアが出ることが、これからの港区を良くすることにつながります。

    子どもたちのセーフティネットとなり、彼らの未来を育む施設の建設に際して生まれた議論が、港区の多様性をつくり、より豊かな国際都市になるためのきっかけとなればと、心から願っています。

    メルカリの新聞折り込みチラシ、仕掛け人が語る裏側 「これからはイオンや西武がライバル」

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    メルカリの新聞折り込みチラシ

    年間流通総額、約1140億円を誇るフリマアプリ「メルカリ」が12月12日・15日に新聞折り込みチラシを使った宣伝を実施した。

    地域は、北海道と愛知県限定。しかし当日の夜には「メルカリの新聞折り込みチラシ」という単語がTwitterで話題にされているキーワードTOP5に入ったことが東京エリアで確認されるなど、大きなインパクトを与えた。

    メルカリはなぜ、ネットやスマホと無縁に見える「折り込みチラシ」という手法を使ったのか。

    このキャンペーンを手がけた、The Breakthrough Company GOの三浦崇宏さんが12月13日、ハフポストのネット番組「ハフトーク」に出演し、その裏側を語った。

    「ハフトーク」に出演した三浦崇宏さん(左)と明石ガクトさん

    ■フリマアプリがフリマを超えた

    いらなくなった日用品や洋服、時には「夏休みの宿題」まで、スマホ一つあれば何でも手軽に売り買いできるのが「メルカリ」だ。

    2013年7月にサービスを開始して5年強、今では7500万ダウンロード誇る超巨大アプリになった。

    「メルカリは自分たちを『フリマアプリ』と呼んでいるが、それでいいんだっけ?というのが出発点でした」と三浦さんは語る。

    環境省によると、2015年のリユース市場において、「フリーマーケット・バザー」という項目における「購入金額」の総計は 約161 億円

    一方、メルカリの連結売上高は2017年7月から2018年6月までの1年間で、約357億円にのぼる。

    どの程度のお金が動いているか、という視点で見ると、もはや「フリマアプリ」を名乗るメルカリが現実の「フリマ市場」を超えたという見方もできる状況だ。

    こうした状況を踏まえて「今、メルカリが『フリマアプリ』を名乗ると、自ら市場を狭めてしまうことになる」と三浦さん。

    「メルカリはフリマアプリからステージを上げて、『日本で一番品揃えが良くてお得な、お買い物のプラットフォーム』を目指さなければならない」という訳だ。

    「これからのメルカリの競合はイオンや西武になるんです」

    そうすれば当然、打つべき手立ては変わる。イオンや西武に足を運ぶお客さんにメルカリの存在を知ってもらうには何をすべきか、どう向き合うべきか。

    新聞の折り込みチラシという施策は「必然だった」。

    ■クリエイティブはこうして発揮される

    一通り背景を説明し終えた三浦さんは「でも、ここから先が本当の『クリエイティブ』なんです」という。

    チラシの中には細かくて、くだらない仕掛けが多くある。

    「『徒歩0分』や『24時間営業』など、メルカリの特徴を、いかにも既存のチラシのような言葉遣いで語るんです」。

    ツッコミどころのある言葉やアイテムは、思わず写真にとってSNSに投稿したくなるような仕掛けにもなっている。

    メルカリの新聞折り込みチラシ

    ■実際の効果は?

    大きな話題となったメルカリチラシだが、宣伝効果はあったのか。

    「もしかして、東京にいるマーケティング界隈の人たちがTwitterで盛り上がっただけだったのでは、という不安もあった」と三浦さんは本音をこぼしたが、結果はどうだったのか。

    ハフポスト日本版がメルカリ担当者に取材したところ、「チラシを配布した地域のインストール数は、他の地域と比べて伸びがみられた」といい、新しい顧客の獲得につながったようだ。

    ■「僕の知ってるメルカリじゃない...」

    こうした施策の背景を聞いていた動画メディア「ONE MEDIA」の代表・明石ガクトさんは、「一抹の寂しさを感じていた理由が腑に落ちた」と語った。

    明石ガクトさん

    「もともと、フリマが大好きな人種」だという明石さんは、メルカリがサービスをはじめた頃からの利用者。「お金に困ると服を売っていた」のだという。今回のチラシキャンペーンについて「盛り上がっていて凄いなという気持ちと、どこか『寂しい』気持ちで眺めていた」。

    「でも今、三浦さんの話を聞いて、自分の知っている『フリマのメルカリ』ではなくなったから寂しかったんだと気づいた」。

    「身近だった『メルカリ』との別れの気持ちはあるが、このチラシをきっかけにメルカリがさらに大きな市場に飛び込んで、社会を動かして欲しい」とエールを送った。

    三浦さんは「2019年もメルカリはどんどん仕掛けるので、明石さんをさらに寂しくさせてしまうかもしれない」と笑顔で応えた。

    プーチンカレンダーの日本での人気っぷりに、海外メディアが驚愕

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    上半身裸で、冷たい池に入るプーチン大統領

    ロシアのプーチン大統領の2019年用のカレンダーが、日本で大人気になったことが、世界を驚かせている。ハフポストUS版などが報じた。

    このカレンダーは、生活雑貨店「ロフト」限定で販売されたもの。プーチン大統領の2019年カレンダーは、俳優の田中圭さんやフィギュアスケートの羽生結弦選手を抑えて、全店舗の売り上げ1位に輝いた。購入者の多くが若い女性だという。

    カレンダーでは、プーチン大統領の様々な姿が紹介されている。

    1月は凍りそうな冷たい池に上半身裸で入るプーチン大統領、2月はアイスホッケーをするプーチン大統領、そして12月は雪の中で犬と戯れるプーチン大統領...。

    プーチンカレンダーのあまりの人気ぶりに、海外メディアは驚きを隠さなかった。

    アメリカのネットメディア「VICE」は、「日本では66歳のプーチン大統領が、34歳の人気俳優や24歳のオリンピック金メダリストより人気だ」と報じた。

    イギリス紙「ガーディアン」も、「カレンダーを購入する多くの女性が、プーチン大統領の型破りなスタイルと、あからさまな男らしさに惹かれている」と伝えている。

    人種差別は思っているよりも根が深かった

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    わたしにとって『人種差別』と聞いてまっさきに浮かぶのは、アメリカです。英語の授業でマーティン・ルーサー・キング・ジュニアの演説を聞き、音読させられたから。そこで、黒人が白人にバスで席を譲らなかったことをきっかけに起きたモンゴメリー・バス・ボイコット事件についても習いました。いや、それは社会の授業だったかな。

    そういう教材から習ったからか、わたしのなかでの人種差別というのは、『意識的に人種によって人を区別し、不当に扱うこと』というイメージでした。

    でもドイツに来てみて、人種差別というのは必ずしも『自覚したあからさまな行為』ではないことを知りました。

    日本で抱いた人種差別へのイメージ

    『人種差別』はいけないこと。そういう倫理観や道徳心は、大多数の人がもちあわせていますよね。しかし、人種による差別はいまでもなくなってはいません。「白人警官が黒人を射殺した」「収入格差や学歴格差がある」なんてニュースを、今年に入って何度も見かけました。

    でもその主語が、『日本』や『日本人』になることは稀です。日本に住んでいる人の多くは日本人の両親から生まれた日本人で、母語も日本語。「就活は黒髪がスタンダード」と断言できちゃうくらいには、人種の多様性がありません。

    だからわたしは、『人種差別』は主に欧米で起こっている、いわば倫理観の欠けた白人がそれ以外の人を見下すことをいうんだろうと、そう思ってたんです。

    さらにいうなら、人種差別は意識的なものだという認識もしていました。「俺は白人でお前はちがう。だから××だ」というように、本人が「自分が優位」と自覚していて、だからこそ他人を貶すのだと。

    わたしはそんなひどい人ではないし、わたしのまわりにもそんな偏った思考をしている人はいない。人種差別は悪いことなのだから、それをわからないなんてやばい人だ。そう思っていたわけです。

    実際、ドイツでわたしを「アジア人」と嘲笑する人はいませんでした。自分の経験上。

    英語で手続きしようとして無視されてたアジア人は結構見かけたましたが。

    ドイツで知ったナチュラルな人種差別

    でもドイツで思ったのは、自覚なく、悪意なく、ごくごく自然なかたちで人種差別をする人がいるということです。

    このツイートどおりなんだけど、本当にすっごくナチュラルに、アジアを下だと思っている人がたくさんいるんです。

    わたしのイメージでは、「アジアから来たの? ハハン(半笑い)」「アジア人は出てけよ」「日本人がドイツに何しに来たんだよ」みたいな反応が人種差別だと思っていました。アジア人だとあからさまに冷たくされるとか、無視されるとか。

    幸いそういう経験はしませんでしたが、差別って、そういうあからさまな行為だけを指すんじゃないんですね。

    仲いい人たちが笑顔で、「アジア人でも日本人なら不利にならないよ。君はドイツ語もできるし」「日本人なら大丈夫さ」「日本は先進国なんだから差別されることはないと思うよ」と言ってくるんです。

    本人に悪意はないし、なんなら親切なことを言っている、くらいの意識だと思います。でもこっちとしては、「そもそもアジア人が不利になる前提がムカつくし、日本人なら大丈夫ってなんであんたらに認めてももらわなきゃいけないの?」って感じなわけです。

    好きでもない男に「お前は女としてアリ」って言われる違和感というか。「お前に評価されずともこっちはこっちでやってるんで!」みたいな気持ちになるんですよ。

    こういった発言を『差別』の区分に入れていいかはわかりません。でも「その言い方はアジアを見下してる感じがしてイヤだからやめて」と言っても、たいてい「なんで? 俺、差別なんてしてないでしょ?」って返事が返ってくる。

    あーちがうなぁ。と思いました。前提条件や価値観、立っている場所がちがうんです。

    人種差別に悪意と自覚があるとは限らない

    人種差別って、基本的な概念として『悪』じゃないですか。だから、「まともな人ならやらない、たとえ思っていても表に出さないもの」みたいに思ってたんです。あと、保守的な人が外国人を敵視してるとか、そういうの。

    でもそういうあからさまで自覚的な『排除』とはまったくちがうベクトルの差別もあるんですね。ドイツに来て、それを知りました。

    そしてこれがすごく厄介で、本人は自分が差別的な言動をしているなんて万が一にも思っていません。だからこっちが指摘してもわからない。本当に、ナチュラルに、上から目線なんです。

    で、「じゃあ自分は?」と考えてみると、自分もそういうナチュラル差別をしているのかもしれません。もちろん自分ではその気はないけど、ほかのアジアの国、たとえば日本に出稼ぎ労働者を多く輩出している国たちの人に、知らず知らず上から目線発言をしていたかもしれない。

    それって、すごく怖くないですか?

    自分は差別なんてひどいことはしない。理解のある人間だ。そう思いながら、無意識で上から目線になっている。

    人種(出身国)による差別は、自覚的であからさまなものばかりじゃない。もっと身近で日常のワンシーンに転がっている何気無い出来事なんです。

    そう考えると、今後自分のささいな言動も気をつけようと思うし、納得いかないことにはちゃんと抗議する強さをもって相手にわかってもらわないと、と痛感するのでした。

    ⇒関連記事『なんで外国人のわたしに道を聞くの?日常に転がる差別的思考

    ⇒元記事『人種差別は思っているよりも根が深かった

    ⇒著者のブログ『雨宮の迷走ニュース

    ⇒著者twitter『@amamiya9901

    ⇒著書『日本人とドイツ人 比べてみたらどっちもどっち


    ゴーン再逮捕!「特捜部」は本命「特別背任」を立証できるか--磯山友幸

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     東京地検特捜部は身柄を勾留中だった日産自動車前会長のカルロス・ゴーン容疑者を、12月21日に特別背任容疑で再々逮捕した。

     ゴーン容疑者は金融商品取引法違反の有価証券虚偽記載罪で12月10日に再逮捕されており、12月20日が勾留期限だった。特捜部は金商法違反での10日間の勾留延長を請求していたが、20日に裁判所がそれを却下、ゴーン容疑者が保釈申請する見通しで、21日にも拘置所から出ることが予想された。特捜部が新たな容疑でゴーン容疑者を逮捕したことにより、当面、10日間の身柄拘束がされ、再度の勾留延長申請で、年明けまでゴーン容疑者は拘置所住まいを余儀なくされる見通しとなった。

    胸三寸で「活用」できる罪状

     特捜部の勾留延長請求を裁判所が認めなかったのは極めて異例だ。日本では容疑を否認する容疑者に対して再逮捕を繰り返し、長期にわたって取り調べを続けることが、普通に行われている。最近では森友学園による補助金詐欺容疑で、籠池泰典夫妻が約10カ月にわたって勾留された。

     裁判所が延長を認めなかった理由は明らかではないが、有価証券虚偽記載罪での再逮捕と長期勾留に無理があると判断したのだろう。ゴーン容疑者は、本来は報酬として確定していたものを記載せず、報酬を低く見せていたとして、有価証券虚偽記載罪で11月19日に腹心の前代表取締役グレッグ・ケリー容疑者と共に逮捕された。もっとも、逮捕直後から、報酬の未記載を理由に身柄を取ったことに、かなりの無理があるとの指摘が司法関係者からも出ていた。

     最初の逮捕と、その後の10日間の勾留延長については、金商法違反を突破口として使うのも致し方ない、というムードもあった。ところが勾留期限の12月10日に同じ容疑で再逮捕したことには、「危うさ」が見えた。そうでなくても日本型の司法のあり方について、国際的な批判が懸念されている。虚偽記載を記載年限で分割することで「別の事件」として再逮捕し、勾留を引き延ばしたことに、海外メディアなどは批判的な論調をとっていた。勾留延長に裁判所がNOを突き付けたのも、「ある意味当然」という声が出ている。

     だが、突破口として特捜部が「有価証券報告書虚偽記載罪」を使ったことが、今後に大きな禍根を残すことになりそうだ。というのも、検察の胸三寸で「活用」できる罪状ということになってしまったからである。

    明白な粉飾決算では事件化せず

     この罪は、文字通り有価証券報告書に嘘の記載をする罪である。一見、形式犯のように思えるが、資本市場を使って資金調達をする上場企業などが、虚偽記載で投資家を欺くことを罰する法律で、経済犯罪としては「大罪」だ。

     本来は粉飾決算などを想定しており、それによって投資家が大きな損害を被ることを避けることに目的がある。虚偽記載を行った経営者のみならず、企業も上場廃止などの処分を受けることになる。投資家を裏切る行為なので、市場から強制退場させられるわけだ。

     今回、ゴーン容疑者の逮捕に当たって虚偽記載罪が使われたが、当初から資本市場関係者は首をひねっていた。退職後に支払われる報酬について、実際に決まっていたとしても、その決算期に記載しなければ日産の決算に大きな影響を与えたというわけではない。法の趣旨からすれば、虚偽記載を適用するには無理がある。企業会計の一部の専門家からも、虚偽記載罪でゴーン氏を有罪とするのには無理がある、という意見が出ていた。

     実際、特捜部は、有価証券虚偽記載罪を「都合よく」利用している感がぬぐえない。戦後最大の粉飾決算事件だった東芝の会計不正では、証券取引等監視委員会の佐渡賢一委員長(当時)が、明らかな粉飾決算なので監視委が刑事告発するから受理して事件化するよう繰り返し求めた。検察庁は佐渡氏の古巣である。ところが東京地検は頑なに事件化は難しいとして、歴代社長は逮捕すらされなかった。

     明白な粉飾決算では社長の身柄を取ることはせず、事件化もしない。一方で、「形式犯」に近い容疑にもかかわらず、現役経営者の身柄を取り、再逮捕までする。有価証券虚偽記載罪を自分たちに都合の良いように利用しているのではないか。そんな印象を受ける。

     どうやら特捜部は、経済犯罪としての粉飾決算にはほとんど関心がないようだ。だからこそ、資本市場にとっては重要な法律である有価証券虚偽記載罪を、「形式犯」として事件の突破口に使ったのだろう。だが、こうして検察による「解釈の幅」が広がることで、今後ますます有価証券虚偽記載罪の適用は恣意的なものになっていくという懸念が強まる。大会社ならば粉飾決算しても検察は目をつぶる、そんな風潮が広がりかねないのだ。

     あたかも虚偽記載が「形式犯」で「微罪」であるというムードが広がるのではないか、と気懸りだ。政治資金収支報告書は、繰り返されてきた政治とカネの問題に終止符を打つために導入されたが、しばしば「違反」が表面化する。決まって政治家は「記載ミス」で「修正した」と頭を下げるだけで問題は過ぎ去っていく。

     東芝が不正会計問題を「粉飾」とは最後まで認めず、「不適切会計」という言葉を使い続けたのも、これと共通する。決算数字を操作する粉飾決算を、「ちょっとした間違いで不適切でした」ということで終わらせることにつながりかねない。

     そういう意味では、裁判所が虚偽記載での勾留延長を認めなかったことで、東京地検が「本丸」とみられる特別背任容疑での再逮捕に踏み切ったことは、重要な一歩だろう。

    とてつもなく大きな代償

     だが、ここからも正念場が続く。虚偽記載という「形式犯」の立証は簡単だが、特別背任となると、会社に「意図的に」損害を与えたことを立証しなければならない。

     特別背任での逮捕後の報道をみていると、『朝日新聞』が11月27日付朝刊1面でスクープした「疑惑」が、どうやら逮捕容疑となっている模様だ。リーマン・ショックでゴーン容疑者が私的に被った投資損失約18億5000万円を日産に付け替えたという内容で、取引を行った銀行が金融庁から繰り返し指摘を受けていた、というものだ。

     だが、その後の別の報道においては、金融庁の指摘を受けて、実際には付け替えは実行されていなかった、という見方が出ているなど、本当にこれで特別背任を立証できるのか分からない。この不正は10年前で、本来ならば公訴時効の7年を過ぎているが、ゴーン容疑者の場合、国外にいる時間が長く、時効は成立していないのではないか。

     付け替えが実際に行われていれば、特別背任は十分に成り立つ。おそらく、ゴーン容疑者本人が否定しても、ゴーン容疑者の「意図」を示す証言や物証は出てくるだろう。司法取引もあって会社側が全面協力しているわけだから、立証は難しくないはずだ。

     だが、再逮捕での長期勾留に特捜部がこだわっていたところをみると、そうすんなり決着する問題ではなさそうだ。仮に、損失付け替えが立証できないとすると、その他に報道されている日産によるゴーン親族への報酬支払や海外住居の購入などだけでは、特別背任とするには「弱い」と思われる。

     世界的な著名経営者を逮捕して長期勾留したうえで、世界が納得する罪で立件することができなかったとしたら、東京地検特捜部、いや日本の司法制度そのものが世界から嘲笑されることになる。それを機に日本の検察や司法制度が先進国並みに進化すればよい、と語る識者もいるが、そのためにはとてつもなく大きな代償を払うことになる。


    磯山友幸 1962年生れ。早稲田大学政治経済学部卒。87年日本経済新聞社に入社し、大阪証券部、東京証券部、「日経ビジネス」などで記者。その後、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、東京証券部次長、「日経ビジネス」副編集長、編集委員などを務める。現在はフリーの経済ジャーナリスト。著書に『2022年、「働き方」はこうなる』 (PHPビジネス新書)、『国際会計基準戦争 完結編』、『ブランド王国スイスの秘密』(以上、日経BP社)、共著に『株主の反乱』(日本経済新聞社)、編著書に『ビジネス弁護士大全』(日経BP社)、『「理」と「情」の狭間――大塚家具から考えるコーポレートガバナンス』(日経BP社)などがある。
    関連記事 (2018年12月21日フォーサイトより転載)

    篠山輝信さんと雨宮萌果アナ、結婚へ。「あさイチ」で共演

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    篠山輝信さん、雨宮萌果アナウンサー

    NHK放送の情報番組「あさイチ」でレギュラーとして共演している俳優の篠山輝信(あきのぶ)さんとNHKアナウンサーの雨宮萌果さんが、2019年1月に結婚することが明らかになった。

    所属事務所によると、2人は約1年前から交際をスタートし、2019年1月にも婚姻届を提出する予定という。

    篠山さんは1983年生まれの35歳。写真家の篠山紀信さん(78)と元歌手の南沙織さん(64)夫妻の次男で、俳優として舞台やテレビなど幅広く活躍している。

    雨宮さんは2011年、NHK入社。沖縄放送局で勤務後、2016年から東京勤務に。2018年の大晦日に放送される「第69回NHK紅白歌合戦」の副音声「紅白ウラトークチャンネル」では、サンドウィッチマンや渡辺直美らとともに司会を務めることが決まっている。

    SNSが死産の女性にベビー用品の広告を出す

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    アルゴリズムが残酷な仕打ちをする事例が、また明らかになった。

    声を上げたのは、ワシントン・ポストのビデオエディター、ジリアン・ブロッケル氏。

    死産を経験したブロッケル氏に、ソーシャルメディアがベビー用品の広告を出し続けたのだという。

    By Joe Shlabotnik (CC BY 2.0)

    さらにフェイスブックでそれらの広告の配信を停止させようとしたところ、今度は養子縁組の斡旋業者の広告が表示されるようになったという。

    アルゴリズムは、人の気持ちに配慮することができない。

    そしてソーシャルメディア企業も、それをハンドリングできていない。

    ●テクノロジー企業への公開書簡

    ブロッケル氏がツイッターに公開書簡を投稿したのは12月11日。宛先は、フェイスブック、ツイッター、インスタグラム、そして信用情報会社「エクスペリアン」の4社だ。

    さらに同趣旨の文面を、ワシントン・ポストのサイトにも掲載している。

    ブロッケル氏は、来年1月24日が出産予定日だったが、11月30日には妊娠していた男の赤ちゃんが死産であることをツイッターで明らかにしている

    失意の中で自宅に戻ったブロッケル氏は、ソーシャルメディアに、なお赤ちゃんが元気であるかのように、ベビー用品の広告が掲載され続ける状況を目にする。

    そして、私たちのような失意にある数百万人の人々が、何とか「この広告を非表示にする」をクリックしても、「非表示にする理由」に答えることになる。そこで「自分に関係ない」という残酷な事実を選ぶことになる。テクノロジー企業の人々は、自分たちのアルゴリズムがどんな判断を下しているのか、わかっているのだろうか。

    ブロッケル氏は、確かに「#妊娠30週」「#ベビーバンプ(大きくなったおなか)」といったハッシュタグでインスタグラムに投稿していたこと、フェイスブックに表示されたマタニティウェアの広告をクリックしたことはあった、と認める。理想的な「エンゲージメント」をするユーザーだった、と。

    だが、その後、状況は変わる。

    投稿には、「失意」「問題」「死産」などの表現が含まれ、友人たちも涙の顔文字でリアクションをしている。「それらを追跡することはできなかったのだろうか?」とブロッケル氏。

    さらに、宛名に信用情報会社「エクスペリアン」が入っている理由も述べている。

    「エクルペリアン」から迷惑メールが届いたのだという。「あなたの赤ちゃんの登録を」と信用情報登録を売り込む内容だったという。

    テクノロジー企業のみなさん、どうかお願いします:私が妊娠していた、あるいは出産に臨んだことがわかるほど、あなた方のアルゴリズムが賢いのなら、私の赤ちゃんが亡くなったことも理解できるぐらい十分に賢いものにしてほしい。そして、それにふさわしい広告にしてもらいたい。あるいは、もしできるなら、広告など一切表示しないで。

    ●フェイスブック副社長の回答

    ブロッケル氏のツイッター投稿から8時間後、フェイスブックの広告担当副社長、ロブ・ゴールドマン氏が返答をする
    お悔やみを申し上げるとともに、私どものプロダクトによって、つらいご経験をされたこと、お詫び申し上げます。私どもは、子育てなど、皆様が苦痛に感じる話題についての広告をブロックできる設定をご用意しています。なお改善が必要ですが、どうぞ私どもがこの問題に取り組んでいるということはご承知おきください。フィードバックを頂戴しありがとうございました。

    これに対し、ブロッケル氏は、こう答える。

    私の投稿を受けて、妊娠/子育ての広告を非表示にする設定方法を教えてくれる人がいた。数日前に、試してみようとしたけれど、悲しみに暮れている人間にとっては、あまりにわかりにくいものだった。だから、「死産」といったキーワードをトリガーに、広告配信を止めて欲しいといっているんです。

    すると、フェイスブックのゴールドマン氏。

    "設定>広告設定>広告トピックを非表示にする"で見つかりますよ。

    そして、ブロッケル氏がフェイスブックの広告設定で「子育て」を非表示にしたところ、出てきたのは、「12月31日までに養子助成金の申請を」とうたった養子縁組斡旋業者の広告だったという。

    ●「アルゴリズムの残酷さ」再び

    ちょうど4年前にも、フェイスブックによる「アルゴリズムの残酷さ」が指摘された。

    ※参照:フェイスブックの「不用意なアルゴリズムの残酷さ」が心を深く傷つける(12/27/2014)

    舞台となったのはフェイスブックが行っている、「今年のまとめ(Year in Review)」という1年間の投稿をまとめてグリーティングカードにするサービス。

    そのサービスのプレビュー画面が、半年前に亡くなった娘の写真とともに繰り返し表示された、とウェブデザイナーのエリック・メイヤー氏がブログで明かしていた

    今回のブロッケル氏のツイッター投稿に対し、そのメイヤー氏からも「2014年の古い投稿だけど、何かのお役に立てば」と「今年のまとめ」の一件を紹介するコメントがあった。

    4年という時間が流れても、状況はあまり変わっていないようだ。

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    ■新刊『信じてはいけない 民主主義を壊すフェイクニュースの正体』(朝日新書)

    (2018年12月19日「新聞紙学的」より転載)

    【動画あり】タイ最大の国立公園でトラの調査を開始

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    今も広大な森林が残るタイとミャンマーの国境地帯。ここは繁殖可能なインドシナトラの個体群が生息する数少ない地域の1つです。この一帯の北部では、WWFや他団体による調査の結果、約100頭のトラが生息していると推定されていますが、南部ではこれまでに十分な調査が行なわれておらず、未だ個体数は不明のままです。そこで、WWFジャパンはWWFタイと協力して、南部に位置するタイ最大のケーン・クラチャン国立公園で2018年6月に調査を開始。まずこの地域のトラの個体数を明らかにし、タイとミャンマーにまたがる保全計画を策定することを目指しています。

    タイ・ミャンマー国境に広がる生物多様性の宝庫


    タイとミャンマー国境に残る広大な森林。

    WWFは、約18万平方キロメートル(日本の面積の約半分)に及ぶこの地域をダウナ・テナセリウム・ランドスケープと名付け、優先保護地域の1つとしています 。 この地域は、依然として8割以上が森林に覆われており、トラやヒョウといった8種の野生のネコ科動物の他、アジアゾウやマレーグマといった絶滅危惧動物の重要な生息地となっています。

    中でも、東南アジアの大陸部に生息するトラの亜種インドシナトラは2015年の段階でカンボジアでは既に絶滅、ベトナムでは5頭以下、ラオスでは2頭と推定されており、繁殖可能な個体群はタイとミャンマーにしか残されていません。

    WWF Japan

    約100頭のトラが生息する北部地域


    ダウナ・テナセリウム・ランドスケープは、保護区が集中しているエリアが北部と南部に分かれています。

    北部には11の国立公園と6つの保護区が集まっており、すべ合わせると、1万8,000平方キロメートルに及ぶ森林地帯を形成しています 。

    その中でWWFは、タイの国立公園当局と協力して、2012年からマエ・ウォン国立公園とクロン・ラン国立公園でインドシナトラの調査を継続的に実施 。

    WWF Japan

    2015年11月から2016年10月までの1年間にもこの2つの国立公園内の82か所に164機の自動撮影カメラを仕掛けて調査をした結果、オスの成獣4頭、メスの成獣6頭、幼獣6頭の計16頭を確認しました 。

    この北部一帯の地域では、WWF以外の環境保全団体もトラの調査を行なっており、地域全体では100頭前後の成獣が生息していると推測されています 。

    トラの個体数が不明の南部地域


    一方、ダウナ・テナセリウム・ランドスケープの南部には、タイ最大のケーン・クラチャン国立公園を中心とする、4,800平方キロメートルに及ぶ森林地帯が広がっています 。

    WWF Japan

    しかし、この一帯では、これまでに十分なトラの調査が行なわれておらず、同地域に何頭のトラが生息しているのか未だ明らかになっていません。

    ケーン・クラチャン国立公園では、過去に自動撮影カメラで数頭のトラが撮影されたことがありましたが、系統立った調査は行なわれておらず、トラの個体数は不明のままでした。

    WWFがトラの調査を開始


    そこで、2017年にWWFジャパンはWWFタイと協力して、ケーン・クラチャン国立公園でトラの調査を実施することを決定。

    その後、国立公園当局から調査許可を取得し、国立公園レンジャーに対する調査トレーニングを実施しました。

    そして、2018年6月、国立公園の中心部30か所に60機の自動撮影カメラを仕掛け、本格的な調査を開始しました。

    調査対象区域は、過去のパトロールからトラの足跡や糞などの痕跡が最も多く見つかっている場所を優先的に選択。

    対象区域の個体数が特定できたら、次の区域にカメラを移し、国立公園内を順次調査する予定です。

    両国にまたがる保全計画の策定を目指して


    WWFでは今後、ケーン・クラチャン国立公園と国境をはさんで隣り合う、ミャンマーのタニンダーリ国立公園予定地でもトラの調査を開始する予定です。

    トラは国境関係なく、2つの国立公園を行き来している可能性が高いため、WWFでは双方の国立公園における個体数や生息域を明らかにし、両国にまたがる保全計画を策定することを目指しています。

    これらの取り組みは、ダウナ・テナセリウム・ランドスケープの広域を視野に入れた保全の第一歩となるものです。

    国立公園を中心としたこれらの森林地帯は、今のところ良好な自然環境が広くまとまった規模で残されている場所ですが、今後、周辺地域での開発などによる影響が懸念される地域でもあります。

    特に、ミャンマー側で急激に拡大している天然ゴム農園は、北部と南部の保護区をつなぐ重要な森林を脅かす大きな要因となっています。 ここで生産される天然ゴムは、日本にも輸入され利用されることが予測されており、日本での暮らしとも無関係ではありません。

    こうしたことから、WWFジャパンはWWFミャンマーと協力して、ミャンマー側でも森林保全と持続可能な天然ゴム生産のプロジェクトを実施しています。

    世界的にも貴重な自然が残るこの地域の森と、トラをはじめとする希少な野生生物を守っていくために、WWFでは国境を越えた立場から保全の取り組みを進めてゆきます。

    WWF Japan

    関連情報:詳細はこちら

    【動画あり】タイ最大の国立公園でトラの調査を開始

    なぜ大学生は、途上国に来ると『彼らは物質的には貧しいが、心は豊かだ』という感想しか持てないのか

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    途上国スタディツアーに参加した学生の9割が書く感想
    『彼らは物質的には貧しいが、心は豊かだ』

    これは、なぜ生まれるのでしょうか。理由は2つあります。

    ひとつめは「これが正解だから」です。

    『彼らは物質的には貧しいが、心は豊かだ』と言っておけば、先生が○をくれるんですよ。

    ポリティカリーコレクト的にも問題ないし、教科書に載っているお話でもよくあるモチーフですし。

    小学生から「先生が喜ぶような作文を書け」「出題者が○だと思うような選択肢を選べ」と教育されている我々日本人にとって、息をするように出てくる回答がこれなんです。

    もうひとつの理由が「彼らが会うのは実際いい人だから」です。

    平日の昼間に、のこのこやってきた外国人の団体にわざわざつきあってくれる人は、だいたいいい人です。

    日本にオーストラリア人大学生の団体が来た時のことを想像してみてください。

    昼間から酔っ払ってるアル中や、引きこもりの40歳や、リストカットの跡が満載の少女は出てこないでしょう。(出てきたら、コーディネーターが全力で排除する)

    結果、純粋な子供たちと、彼らを見守るいい先生と会うことになります。

    大体、スタディツアーでは、最初に学生が日本のことを紹介します。何度も受け入れに協力している子供たちにとっては前も聞いた話なのですが、わざわざ外国から来てくれた人たちが一生懸命話しているので、あわせて一生懸命聞いてくれます。ほんと、いい子供たちです。

    で、その後、質問タイムとかになるのですが、1,2問で質問が途切れます。

    すると、子供たちが「じゃあ、今度は僕たちが、カンボジアの歌を教えます。一緒に歌いましょう!」とか言って、楽しい交流が始まります。

    まるで、つまらない自慢話をニコニコ聞いて、話が途切れたらカラオケでデュエットして時間を潰す、キャバ嬢のようではないですか。

    私はこれを「国際交流キャバクラ」と呼んでいます。

    つまり『彼らは物質的には貧しいが、心は豊かだ』は、新橋のサラリーマンの「アモーレのかすみちゃんはホントいい子だよねー。いざ、キャバクラ!」という台詞と同類に分類されるのです。

    なんで「スタディツアー」がこんな風に「国際交流キャバクラ」になってしまうのでしょうか?

    それは「学生が、学ぶべき対象にあまり興味がないから」です。

    ツアーを企画するNGO団体の職員や文化人類学の教授は、交流相手の人たちにものすごく興味があります。彼らが幸せになるにはどうすればいいのか、彼らがどんな生活をしているのかを、夢に出るまで考えてます。

    しかし、学生はそこまで興味がないので、特に聞くこともないし、知りたいこともないのです。だから、聞かれる方も歌と踊りでお茶を濁すし、学生も『彼らは物質的には貧しいが、心は豊かだ』でお茶を濁すわけです。淀んでますね。

    もちろん、その中から覚醒してNGOや文化人類学に強烈に興味を持つ学生がでてくる可能性もあるので、無駄なことではありません。でも、そういう有益なことが起こる確率ってあまり高そうではないですよね。

    だから、主催者がやるべきことは、これです。

    海外にくる学生に対して、「その国の人たちに興味を持たせる、動機付け」

    例えば、我々の主催するプログラムサムライカレープロジェクトでは、学生に「今週末のお祭りで、カンボジア人のお客さんに1000ドル売り上げるでござる」という課題を出します。

    そして、こんなことを伝えます。

    「でも、カンボジア人はカレーが嫌いだから主力商品のカレーライスは売れません。

    明日、カンボジア人の人たちと話をする機会を与えます。なにを質問するべきか考えてみましょう」

    といえば、課題達成のために、カンボジアの人たちに聞くべきことは山ほどでてきます。

    「なにが好きか?」「今日はどんなモノを食べたか?」「いくらくらい?」「お祭りとか行く?」「なにをするのが楽しい?」「スマホのアプリはなに使ってる?」などなど。

    一緒に歌とか歌ってるヒマはなくなるのです。

    サムライカレーの「国際交流」は半端ない!

    ちなみに、サムライカレーでは、ただ話をするだけではなく、カンボジア人をスカウトして雇うなんてこともやります。

    ヒアリングや試食会で交流して、この人と一緒に仕事したい!この人がいてくれたら助かる!という人をスカウトして、バイトとして雇って、一緒に販売することができちゃうんです。

    しかも、日本語学習中のカンボジア人をスカウトすることもできるので、語学が不安な人も問題なし!

    こうやって、一緒に仕事をすると、キャバ嬢に接待されるのではなく、同じレベルで協業することになります。

    自分たちが同僚として共に働いたり、マネージャとしてマネジメントしたりして、同じ目標に向かって頑張ると、いいとこも悪いとこも見えてきて、現地の人とものすごく仲良くなれます。

    カンボジア人の仲間を、宿舎に連れ帰って、夜な夜な話をするチームもでてきます。

    ここまで行くと「国際交流キャバクラ」と桁違いの深い交流ができるわけです。
    帰国後、会社に入って、同僚や上司が外国人でも全然問題なくなります。

    我々が、いつも学生に言っていることはこれです。

    自分たちがいいと思うものではなく、お客さんがいいと思うものを提供しよう」

    自分たちが美味しいと思うカレーも、カンボジアの人からしたら臭い食べ物なんです。(カレーの香辛料の匂いが嫌いな人が多いんです)

    スタディーツアーの主催者もこの目線を持たなくてはなりません。

    自分たちが興味があるからといって、学生も興味があるとは限らないんです。

    だから、学生にどうやって興味を持ってもらうのか、そのきっかけを必死に考えて作らなくてはいけないんです。

    そうやって「本当に外国人に興味を持った学生」を一人でも多く輩出するために、我々は日夜プログラムをブラッシュアップして、かれこれ5年になります。だいぶ磨き抜かれてきましたよ

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