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アートに触れたらモヤっとした。「いいね」で評価されない写真が、語りかけるモノ。

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参加者はスマホやデジカメで作品を写真に収めていった

戦禍を被ることなく、芸術や商業のピボットとなって世界を巻き込んでいった1950年代のニューヨーク。そのエネルギーを詰め込んだような写真集が、1956年に発表された。

ウィリアム・クラインさん(90)のデビュー作「ニューヨーク」だ。

そんな彼の作品が飾られている、東京・六本木の21_21 DESIGN SIGHT企画展「写真都市展 −ウィリアム・クラインと22世紀を生きる写真家たち−」を、1時間まわった。

ウィリアム・クライン+TAKCOM「ウィリアム・クライン+TAKCOM, 2018」

彼の作品は、「写真の枠を超えた」と表現されることが多い。

一見すれば、当時の常識ではどうしようもない失敗作を集めたような写真ばかりだ。

街中でおもむろにシャッターを切り、被写体が斜めになった写真からは、構図をじっくり考えた人物写真とは全く違う印象を与えられる。

ピンボケで曖昧、対象の動きがブレた不鮮明な写真。カリグラフィーと融合した映像。

ただ、このクラインさんの写真と見せ方の技術は、20世紀の写真概念をアップデートしていった。

インスタレーションに入ると、360度に囲まれた枠の中に、映写機からクラインさんの写真がどんどん流れ込んでくる。

写真はニューヨークからモスクワ、そして東京――と移り変わっていく。

次々と変わる写真に映画のサウンドトラックや、クラインのインタビュー音声が加わる。

まるでニューヨークやモスクワの雑踏の中に置き去りにされたような怖さを、肌で感じるのである。

みんなが感じたことを聞いてみた

ハフポスト日本版は、読者と一緒にこの展覧会を回るイベントを開いた。スマホで誰でも写真が撮れるこの時代に、「プロの写真家」は何を映すのか、何のためにーー。そんな問いを紐解くイベントだ。

展覧会の企画を担当した21_21 DESIGN SITE プログラム・マネージャーの齋藤朝子さんの丁寧な解説を聞きながら、参加者とともに順に会場を回っていった。

クラインさんの作品を抜けると、様々な手法で撮られた若手写真家たちの作品が並んでいる。

彼らは「斬新な眼差しで21世紀の都市と人間を見つめ、従来の写真のフレームを大きく飛び越えようとする日本やアジアの写真家たち」だ。

会場には若手写真家の作品が並ぶ

写真を撮る人、いろんな角度からジッと作品を眺める人、音に耳を傾ける人。

同じ時間を共有した参加者は、それぞれどんな1時間を過ごしに来たのか、聞いてみた。

頭のなかがリセットされていく感じ

彼は、須藤絢乃さんの「幻影 Gespenster」というポートレートの前で足を止めていた。写真家が行方不明者になりきり、いなくなった時の服装や髪型の特徴をそのまま写真に収めたものだ。

行方不明者=いなくなってしまった人、無念、かわいそう。言葉のイメージだけだと、そう思い浮かんだらしい。

でも、この作品を見ていると「私たちが生きている都市を構成してるピースとして、それが欠けてしまったような感じ」を受けたのだそうだ。

幻影 Gespenster

彼は任地だったアフリカから帰国したばかりで、次の仕事までちょっとした余暇を過ごしている25歳の男性だった。

転職活動をぼちぼちしながら、同時に受験している欧州の大学院の結果を待っている。

この日は、六本木でたまたま用事があった。

でも、少し余裕ができてしまった。時間をつぶせないかと美術館をリサーチしたら、企画展を見つけた。

「『違った都市、街の見え方があるのではないか』という興味本位でした」

そんなとき、息抜きのつもりで、会場に入った。

言ってみれば、いまの自分はモラトリアム期間のような日々を送っている。自分がこれから何をしたいのか、思いめぐらすことも多い。

自分一人では考えつかないような、全く違った世界観のものを観たり聞いたりすると「頭のなかがリセットされるというか、すっきりする」と話す。

「こういう期間に、アートを通してこういう経験をすることで、教養を深めたり、新しい知識を取り入れたりする。ストレスもない。それがこれからの人生に、とても有効な気がしています」

子どもにも見せたかった

「子どもにも見せたかった。アートに限らずたくさんの経験をさせてあげたいですね」

5歳の娘を持つ、都内でフリーランスで働く女性はそう言った。

クラインさんの写真が、好きな映画監督の作品に似ていて、惹かれたのだという。

写真が好きで、インスタグラムなどのSNSでも発信している。

誰でも写真や作品を発表できる時代。「技術ではプロには叶わない」けど、レタッチの技術などで独自のセンスを磨いていきたい、と思っている。

独身の時は週1回は、単館上映の映画を観ていた。結婚後は、夫と一緒に月イチくらいで映画館やアート展などに行っていた。

最近は、もっぱら子どもが参加できるアートイベントの参加が中心になった。でも、月に1、2回は見つけて足を運んでいる。

ライフステージが変わるごとに、アートとのかかわり方も少しずつ変わっていった。この日は、一人で会場に来た。「一人で来るのは、久々です」とほほ笑んだ。

一方で、「子どもと来たかったな。5歳には分からないかもしれないけど」とも言う。

確かに、5歳の子どもに写真やアートの背景を理解することはできないかもしれない。「1人の人間として成長する為に、子供にアートに触れることに限らず沢山の経験をさせてあげたい」

音が降ってきたり、回廊があったり

会場内には、さまざまな仕掛けのインスタレーションが組まれていた。

2011年の東日本大震災以来、母親とともに、写真に映る海の水の部分だけを焼き消すという作業を通じて、海への恐怖と傷をなだめようとしたという多和田有希さんの作品。写真を彫刻のようにとらえ、水の部分だけを焼いて「消す」手法を用いた。

安田佐智種さんは、東日本大震災の後で、津波に巻き込まれ基礎だけになった家屋が並ぶ区画を、自分の足で毎年回り、その写真をコラージュ。身体的な感覚でとらえた都市のイメージを表現している。

写真が掲げられたいくつもの柱を縫うように歩くと、空から音が降ってくるように、カモメの鳴き声が聞こえてくる。

サウンドアーティストの森永泰弘さんと、写真家の石川直樹さんの合作。まるで南極や北極の極地に連れていかれたような気持ちになる。

写真が飾られた回廊に入ると、カモメの鳴き声や風の音が聞こえてくる

そこから、光を遮られた廊下に入る。朴ミナさんが、長時間露光で水族館の水槽を撮影した「ブルーの形態」。

静かな青を眺めて、ゆっくりと進んでいくと、いきなり空間が開ける。

藤原聡志さんの作品

屋外に、大きな作品が現れた。ヨーロッパで活動中の写真家・藤原聡志さんは、印画紙では表現できない手法を使い、いろいろなフォトオブジェを作っている。それの一つだ。

モヤっとして終わった。アートと触れる時間を持つ意味って?

いつの間にか、1時間が過ぎていた。参加者は、それぞれの感性で、この時間のできごとを切り取っていた。

カメラの進化や、スマホの登場で、だれでも上手な写真が撮れるようになった現代。

1枚の写真が、1秒もかけられないまま消費されていく。久しぶりにじっくり、写真に見入ったかもしれない。

埼玉県から来た大学生の男性は、「SNSを通した写真とは全く異なるように感じ、何のために写真を撮っているのだろう」と考えた。

SNSで投稿した写真に「いいね」をもらう。でもそれは「一週間も経てば、自分も見る人も、その写真のことなんか忘れて、また新しい写真を撮ったり消費したりする」と、認識させられたのだそうだ。

イベントを終えて「より、もやっとして終わった」といった。

写真展を見たから何かがガラッと変わるわけではないし、ものすごく役に立つ実用的な何かを得られるわけではない。

けれど、日常に少しアートが入り込む非日常感に少し気持ちが高揚する。ちょっと頭をひねったりする。

そんな新しい1時間が見つけられるかもしれません。

写真都市展 ―ウィリアム・クラインと22世紀を生きる写真家たち ―

・場所:21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー1&2

・開催期間:開催中〜6月10日まで(火曜休館)

・開館時間:10:00-19:00(入場は18:30まで)

ハフポスト日本版は5月に5周年を迎えました。この5年間で、日本では「働きかた」や「ライフスタイル」の改革が進みました。

人生を豊かにするため、仕事やそのほかの時間をどう使っていくかーー。ハフポスト日本版は「アタラシイ時間」というシリーズでみなさんと一緒に考えていきたいと思います。「 #アタラシイ時間 」でみなさんのアイデアも聞かせてください。


14年前の女児殺害事件、服役中の39歳男を逮捕へ 岡山県警

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殺害された小学3年の女の子の告別式で焼香する同級生ら(岡山・津山市横山の津山シティホール)2004年9月撮影[代表撮影] 

14年前の2004年、岡山県津山市で小学3年生だった9歳の女児が殺害された事件が、急展開を迎えた。別の事件で服役中の39歳の男が関与を認める供述を始め、警察が殺人容疑で5月30日にも逮捕する方針を固めた。FNNニュースやNHKが、捜査関係者の話として報じた。

事件では2004年9月、津山市の自宅で女の子が血を流して倒れているのを、帰宅した姉が見つけた。女の子は胸に数カ所の刃物による刺し傷があったほか、まぶたの裏に窒息死した際にできる小さな斑点が浮かんでいた。

NHKによると、3年前に兵庫県姫路市の路上で女子中学生をナイフで刺した殺人未遂事件で、岡山刑務所に服役していた無職の男が、女児殺害事件への関与を認める供述を始めたという。

バレエをやりたい男の子、夢の実現を阻む大きな壁は「父親」だった

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私の息子ジャックは、幼い頃からダンスが好きな子どもでした。8歳の時には流行りの音楽に合わせてダンスを自作し、それを家族の前で披露してくれました。

だから、彼が11歳になって「ダンスのクラスに通いたい」と言った時、私は驚きませんでした。

最初は、他の男の子たちと同じようにヒップポップのクラスを取りましたが、ジャックはヒップホップがあまり好きではなかったようです。彼がヒップホップのクラスに飽きていると感じた私は、バレエのクラスをとってみてはどうかと勧めてみました。

初めは乗り気ではありませんでしたが、最終的に、ジャックはバレエのクラスを受けてみました。それから8年。彼は今でもバレエを続けています。

アメリカでバレエを習う若者のうち、男性が占める割合はわずか10%。ジャックは、バレエの世界では少数派です。最初の4年間は、クラスで男子生徒は彼ひとりでした。その後は、男子のクラスがある学校に移りました。

少数派であるバレエ男子。彼らのほとんどが、家族や友人、それに世間からの風当たりの強さを感じています。

ちなみに父親である私自身も少数派です。ウェイン州立大学でダンスを教えるダグ・リズナー教授によると、ダンスをする息子をサポートする父親の割合はたった32%。男の子にダンスの存在を教えるのも、その後のレッスンをサポートするのも、ほぼ母親です。父親のほとんどが、バレエをする息子を快く思っていませんが、私は、自分が少数派な父親であることを誇りに感じています。

私は2年かけて、若い男性バレエダンサーたちの苦しみを描いたドキュメンタリーを撮ってきました。

"男性のあるべき姿"に挑戦する若者たちを追ううちに、社会が「男の子がすべきこと」と「すべきではないこと」の間にはっきりと境界線を引いていることに気づきました。

インタビューした30人にも及ぶダンサーのほとんどが、言葉による虐待や身体的暴力を受けていました。リズナー氏の調査でも、ダンスを学ぶ男の子の96%近くが言葉による暴力や身体的暴力を周りの友達から受けているとわかっています。

中でも腹が立ったのは、父親や義理の父親、叔父、兄弟といった家族が、激しく反対しているという事実です。彼らの多くが、バレエをやると"ゲイ"になると信じていました。インタビューしたあるダンサーは、父親が息子がダンスをすることを許さなかったため、親子の縁が切れていました。

アメリカには、「アスリートを賛美する」考えが根付いています。男の子は、生まれた時からアメフトや野球選手に関する情報に囲まれて育ちます。親たちは息子にジャージを着せ、スポーツチームのロゴが入った毛布にで包みます。

バレエダンサーはアーティストです。しかしトレーニング時間は一流アスリートと匹敵します。バレエを8歳か9歳で初めたダンサーは、18歳になるまでに1万時間近くトレーニングとリハーサルをしています。バレエを仕事にしているダンサーであれば、プロアスリートと同じくらい体を鍛えるために、さらに多くの時間をジムや理学療法に費やします。

さらに、若いダンサーの多くが、ホームスクールで勉強しています。レッスンが忙しくてホームスクールを選ぶ男の子もいますが、中には学校でいじめられたために、ホームスクールにしている子もいます。

男の子がバレエするのは一般的ではないため、「バレエをするのは女の子か、弱々しいゲイの男」という偏見が残っています。

私たちは「自分たちの社会は、性別の壁を乗り越えようとする人を理解し受け入れている」と信じているかもしれません。しかし若いダンサーの現実は、私たちまだその壁を十分に乗り越えていないことを教えてくれます。

それに、これはバレエだけの問題ではありません。私たちは男の子に、芸術より強さを感じるものするよう勧めていないでしょうか。団体スポーツをするよう強制する一方で、学校の履修科目からはアートが減らされています。バレエダンサーだけでなく、バイオリニストや俳優、彫刻家になろうとする男の子を、社会全体でサポートできていません。

しかし、いじめや虐待を受けた過去を持つ男性バレエダンサーの多くが、相手を責めるのではなく、社会の理解不足や文化的背景に問題があると考えていました。

中には、いじめは自分のせいだと責める人もいました。ペンシルバニア・バレエ団のピーター・ウェイルさんは「男の子が女の子に囲まれ、タイツを履いてダンスをするというのは、一般的ではないから」と言います。「男の子がバレエをするのは普通じゃない」という社会のスタンダードを受け入れるほうが楽だったのかもしれません。

私がインタビューしたバレエダンサーたちは、しっかりと自分を持っていました。そしてそれが、彼ら自信を守っていました。

彼らは、周りに溶け込めないことを気にせず「なりたい自分になる」ことだけを追い求めていました。周りの友人や両親の考えも気にしていませんでした。

「幸せになるために、本当にやりたいことをしよう」というアドバイスを、私たちはよく耳にします。

しかしバレエが好きな男性の場合、そのアドバイスに従うと周りから否定されます。自分の好きなことをすると、社会からのけものにされ、"ホモ"と呼ばれ、いじめられ、家族や友人から仲間外れにされるのです。

バレエを選んだ男子は、人生をかけてやりたいものが何かをよくわかっています。

それを実現するために戦う彼らの姿に、私はとても勇気付けられます。この幸せな気持ちを、たくさんの人に感じて欲しい。

ハフポストUS版から翻訳しました。

アメリカは北朝鮮を安心させようとしている。ポンペオ国務長官が言及した体制保障案とは?

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大統領府の記者会見での文在寅氏。2018年5月27日、韓国ソウル。

金正恩委員長は核兵器を放棄する意志はある。しかし、自分たちが核兵器を放棄した場合には、アメリカが敵対関係を終えて北朝鮮の体制を保障することを確実に信頼できるかを心配しているという。

韓国の文在寅大統領は5月27日、第2次南北首脳会談の結果を伝える記者会見の質疑応答で、このような発言をした。北朝鮮が要求してきた体制保障案は、北朝鮮とアメリカの間に起こっている非核化交渉の核心的な争点の1つだ。これに対する双方の信頼が、まだ形成されていなかったというのが文大統領の判断だ。

アメリカはアメリカで、完全な非核化に対する北朝鮮の意志を、全く信頼していない。果たして、北朝鮮がいわゆるCVIDと呼ばれる「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」に乗り出すのか、ということだ。

トランプ大統領とジョン・ボルトン国家安全保障問題担当大統領補佐官。2018年5月9日、アメリカ・ワシントン。

北朝鮮が恐れる「リビアの二の舞」

一方、文大統領によると、北朝鮮の金正恩国務委員長の非核化の意志は確固だ。ただ、非核化を履行した時、アメリカが体制の安全を確実に保障するのかについて、依然として確信していない。簡単に言えば「行くのがあれば、来るのがなければならない」という話だ。

ここ数週間で起きたことを整理してみよう。北朝鮮は最近、アメリカの方で取り上げられた「リビアモデル」を一種の脅威と受け止めた。ホワイトハウスのジョン・ボルトン国家安全保障問題担当大統領補佐官がインタビューで言及した「リビアモデル」は事実上、一方的な核放棄の方式だ。北朝鮮が強く反発した理由だ。

さらに、リビアの独裁者カダフィ大佐は、核放棄後に悲惨な最期を迎えた。彼は2003年と2004年にわたって、自発的に核を放棄した。アメリカは2006年に、リビアをテロ支援国リストから除外して外交関係を正常化した。しかし、カダフィはリビア内戦当時の2011年、NATOの軍事介入の末、反乱軍の手によって射殺された。

ホワイトハウスは「リビアモデルではなくトランプモデル」として収拾に乗り出した。しかし、トランプ大統領が「リビアモデル」を正確に理解していないまま口にしたと見られる発言も、北朝鮮を混乱させた可能性がある。

こうした中で、ポンペオ国務長官が24日、上院外交委員会に出席した際の発言に注目が集まっている。完全な非核化に相当する具体的な北朝鮮体制保障案を、初めて明らかにしたものだ。いわゆるCVIG、つまり「完全かつ検証可能で不可逆的な保障」だ。

マイク・ポンペオ国務長官。2018年5月24日、アメリカ・ワシントンDC。

CVIDとCVIGの交換

ポンペオ長官の発言は、「リビアモデル」に対する議員の質疑に答える過程で登場した。エド・マーキー上院議員(民主党、マサチューセッツ)は「リビアモデルを言及したことが、北朝鮮を刺激したのではないか」と追及した。対話をすると言いながら、相手が脅威と受け取り得る発言をしたことが不適切だということだ。彼の質問要旨は、次の通りだ。

エド・マーキー上院議員:金正恩が理解する「リビアモデル」は、一国家の指導者が核兵器を放棄したら転覆されて射殺されたモデルだ。ジョン・ボルトンがテレビに出てずっとこのことを話しているのに、金正恩が違って(脅威として)受け入れるだろうと、どうして考えられないのか?副大統領も、カダフィ大佐のモデルを話しているのではないか。非核化が終わった後、殺されたカダフィ大佐の末路でなく、(北朝鮮が)これをどうやって違って受け止めるのだろうか?(...)これが果して、非核化の交渉相手と対話する良い方法なのか?

ポンペオ長官は「リビアモデルと関連して誤解がある」「ボルトンが言ったのは、それではない」と釈明に乗り出した。 ボルトン補佐官が言及したのは、カダフィ大佐が追放された事件とは別の事件である非核化の過程に対する内容だけだということ。ポンペオはカダフィ大佐が「(核を放棄した)2004年以降も、長い間権力を維持した」という点を強調した。

そうしながら、ポンペオ長官は「金正恩委員長が(議員の指摘とは)違うように理解したという理由をさらに挙げたい」と口を開いた

ポンペオ長官:彼(金正恩)と私は、このことについて会話を交わした。彼と私は、我々が彼にどのような体制保障を提供すべきなのかについて言葉を交わした。これは、我々が(北朝鮮に)要求している永久的で不可逆的かつ検証可能な非核化と同じ方式の保障にならなければならない。我々の方でも同様に、交渉が終わった後も続くような体制保障を提供しなければならない。したがって、私たちは(金正恩と)正確にこの問題に対する協議を行った。合意後もそれ(体制保障)が続くだろうとの約束を、私たちがしなければならない問題だ。

ポンペオ長官と金正恩委員長。2018年5月9日、北朝鮮・平壌。

「覆せないように」

それならば、カギは北朝鮮が安心できる"永久的"体制保障を、アメリカがどうやってしてあげられるかという問題に移る。ポンペオ長官にはアイデアがある。

彼は、北朝鮮と交渉が妥結されれば、これを条約の形にして議会の同意を受けるという意志を明かした。政権が変わっても勝手に覆さないようにするという話だ。これはトランプ大統領が脱退を宣言したイラン核合意とは違う。

ベン・カルダン上院議員(民主党、メリーランド)は「(オバマ政権時代)イラン核合意に向けた議論をした当時、共和党所属の同僚議員らは、これが上院議員の3分の2以上の同意が必要な条約の形にならなければならないと考えた」と当時の状況を振り返った

オバマ政府の時に妥結されたイラン核合意は、行政府レベルの協定だった。外交的国際合意ではあるが、アメリカ政府が後に立場を変えて破棄しても、これを制御できる法律的な装置がなかった。

イラン核合意を議論した当時、上院での多数派だった共和党内では、合意そのものに反対する議員が多かった。このため、当時のオバマ政権は議会批准を推進しなかった。オバマ前大統領の気候変化政策の大半が、いつでも覆すことができる脆弱な行政命令に頼ったこととも似たような理由だ。

したがって、ポンペオ長官が北朝鮮との非核化合意結果を、条約の形で完成するという目標を明らかにしたのは、かなり意味あることだ。合意の履行の持続可能性を担保するというアメリカの約束であるわけだからだ。

ポンペオ長官。2018年5月24日、アメリカ・ワシントンDC。CHIP

ポンペオ長官:上院に提示できる合意を果たすというのが、私たちの目標だ。それが私たちの目標だ。我々の目標は、イラン核合意に起こったこととも関連がある。アメリカ議会が、憲法による承認の任務を遂行できるようにするということだ。

ベン・カルダン上院議員:では今おっしゃったことは、これを条約の形で上院に提出するという意味か?

ポンペオ長官:そうだ。

聯合ニュースは「これまで、米朝間の主要な核合意である1994年の米朝枠組み合意と2005年の9.19共同声明は、すべてアメリカ議会の同意を得ない行政府レベルの合意だった」という点を想起させた。ポンペオ長官の構想どおりになったとしたら、今度は次元が違う合意がなされるという話だ。

チョン・セヒョン元統一部長官は29日、韓国tbsラジオ「キム・オジュンのニュース工場」に出演し、ポンペオ長官が言及した条約に「不可侵」内容が盛り込まれ得ると展望した。そうなると、北朝鮮にも「非核化、確実にしてくれと出ることができる」ということ。

チョン・セヒョン:「(...)なぜなら、承認を受けた形での手続きを経れば、今後政権が変わっても議会で承認までしたのだから、アメリカは少なくともそれを覆さないでしょう。私たちは国会で今、板門店宣言に同意すること、大統領が批准することに同意することも上手くしないつもりですが、アメリカではそれをしようとしているのではないですか。ポンペオがその想定をするということで...」

キム・オジュン:ところが想定の内容が、不可侵条約...。

チョン・セヒョン:内容に不可侵が盛り込まれる可能性はあるでしょう。だから、不可侵の内容が盛り込まれ、それが明示されてアメリカ議会で承認までされて、大統領が批准して発表して、そしてそれをさらに確実に保障するための平和協定を締結する、こんな風になるなら、北朝鮮が非核化、確実にしてくれと出ることができます。(韓国tbsラジオ「キム・オジュンのニュース工場」5月29日)

ハフポスト韓国版から翻訳・編集しました。

日大アメフト部危険タックル問題、内田前監督と井上前コーチは除名処分に。関東学生連盟の理事会

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会見する学生連盟の柿澤優二理事長(中継より)

日本大学アメリカンフットボール部の選手による危険タックルの問題を調査していた関東学生連盟は5月29日夜、会見を開き、日大の内田正人・前監督と井上奨・前コーチの2人を「除名」処分とすることを発表した。総会の承認をへて正式に決定する。処罰規定の中で、最も重い処分となり、今後は学生への指導などは事実上不可能となる。

森琢ヘッドコーチは除名に次いで重い「資格剥奪・登録抹消」、危険タックルをした選手とチームは「2018年度シーズンの公式試合への出場停止」処分。ただし、該当選手が反省文を提出後に面談したり、チームが再発防止策を実行したりして手続きを踏んだ場合には、それぞれ出場資格停止が解除されることになった。

関東学連の罰則規定には重い順に「除名」「資格剥奪」「団体活動の一時的または無期限停止」「公式試合の出場停止」「戒告」などがある。

今回の問題を受け、連盟の規律委員会が、危険タックルをした選手、内田前監督、井上前コーチ、関西学院大の関係者らから話を聞いた結果報告をもとに、緊急理事会を29日に開き、処分を検討した。

悪質タックル問題で記者会見する日本大学アメリカンフットボール部の内田正人前監督(右)と井上奨コーチ=5月23日、東京都千代田区の日本大学会館(時事通信)

危険タックルは「高校生の夢まで捨て去ってしまった」関東学生連盟が会見で批判

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5月29日夜に会見する関東学生アメリカンフットボール連盟の柿澤優二理事長(右)

日本大学のアメリカンフットボール部の選手による危険なタックルをめぐって、関東学生アメリカンフットボール連盟は5月29日夜の会見で、内田正人前監督と井上奨前コーチを永久追放に相当する「除名」とする処分を決めた

連盟は約20人へのヒアリングの結果、危険タックルをした選手が記者会見で発言した内容を全面的に認めた。「私の指示ではない」などと関与を否定した内田前監督と井上前コーチの主張は否定された。

連盟の柿澤優二理事長は同日の会見で、高校生からアメフト選手になる夢を諦める声があったことなどを例に挙げ、今回の事件がアメフト界に与えた影響は「本当に計り知れない」と悔しさを露わにした。

また、今回の危険タックルについて「あれはフットボールではありません」と厳しく批判した。

この発言部分の記者団とのやり取りは以下の通り。

 

■「あれはフットボールではありません」

---今回のプレーがアメフト界に与えた影響と、今回の反則行為が単なる反則なのか、反則を超えた犯罪行為に近いものなのか。どういう認識ですか?

柿澤優二理事長:当連盟や関係する各校に「非常に危険なスポーツなんじゃないのか?」とか「ああいうことが日常茶飯事で行われるようなスポーツと呼べないようなひどい競技なんですか?」といった問い合わせやクレームをすでに受けております。

「うちの子にやらせたいと思っていたんだけど、こんな危険きわまりないスポーツをやらせるわけにいかない」という声や、高校生から「大学に行って(アメフトを)やろうと思っていたんだけど、やめようかな」と夢まで捨て去ってしまったほどの影響。これはもう本当に計り知れないものであります。

そうじゃないんです!(身体接触が多い)コンタクトスポーツでありますから、厳しい面はあるかもしれませんが、フェアプレイの精神とルール遵守によって非常に楽しい興味あるスポーツになり得るんだってことを、皆さまにアピールしていく必要があるかと思います。

(今回の)プレー自体につきましては、これはもうフットボールを経験した者にとっては、あれはフットボールではありません。フットボールのタックルではありません。これはフットボールを経験した者なら誰もがそう認めると、私らは信じてます。

危険タックル、内田正人前監督の主張は「不自然」として除名処分に。絶対権力者ぶりを連盟が認定

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日本大アメリカンフットボール部の内田正人・前監督(右)と井上奨・前コーチ

日本大アメリカンフットボール部の選手が危険な反則タックルで関西学院大の選手にけがを負わせた問題で、5月29日にあった記者会見で関東学生アメリカンフットボール連盟の幹部らは、日大の内田正人・前監督がチーム内で「絶対権力者」のように振舞っていた状況を再現してみせた。

「内田氏に対してはコーチでさえも恐れ、自分の信念を曲げて盲従していた」。この日あった記者会見で、問題を調査した連盟の森本啓司・専務理事はそう述べた。森本氏は、内田氏と井上奨・前コーチを「除名」処分にする方針も明らかにした。

連盟は日大の反則をした選手や内田氏、井上奨・前コーチら約20人から聞き取りするなどして、実態解明を進めてきた。それによると、内田氏の言うことは絶対であり、それに逆らえばコーチも選手も突然やめさせられる状態だったという。

理不尽な状況に耐えかね、2017年には一度に20人の部員が退部。そんな中、反則タックルをした選手は「肉体的、精神的に追い込まれていった」(森本氏)。センスはあったものの、闘志を前面に出すタイプではなかったことが、内田氏の「好むところではなかった」と、森本氏は説明した。

森本氏の説明によると、井上氏も選手にどんどん厳しく接するようになった。井上氏は選手が高校時代には監督だった。当時は、「厳しさの中にも楽しさがあり、尊敬されていた」指導者だったが、内田氏が監督に就任して以降は、まるで人が変わったかのように厳しくなっていた。

「はまる」

内田氏はしばしば、選手のレベルを上げるためと称して、理不尽とも言える対応で精神的に追い込んだという。チーム内では「はまる」と言われ、2018年春、まさにそのターゲットとされたのが問題を起こした選手だった。

内田氏はレギュラーを外すことをちらつかせて選手に圧力をかけたほか、全員の前で激しく叱責した。だが、井上氏は選手を守ろうとせず、それに輪をかけて厳しく指導した。

関学大との試合が近づくと、選手への理不尽な対応はさらに加速した。試合の3日前だった5月3日には、内田氏は「やる気が感じられない。試合に出さない」と試合形式の練習から外された。

さらにその翌日、内田氏は選手に対し、すでに決まっていた日本代表を「辞退しろ」と要求した。

試合前日の5月5日、井上氏も選手に「髪型を丸刈りにしなければ試合に出さない」と言明。選手は言われるまま髪を切ったが、さらなる理不尽な要求が選手に突きつけられた。「どこでもいいから1プレー目から相手クォーターバック(QB)に突っ込め」。選手は先輩づてに聞いた井上氏の指示に悩み、苦しんだ。

選手は日本代表になれないことや、試合に出られないことを恐れ、指示に従うことにする。試合当日、スタメンに自らの名前がなく、井上氏からは「QBつぶすと監督に言え」と言われ、その通りにした。

「やらなきゃ意味ないよ」。内田氏からそう言われた選手は井上氏に「リードしないで突っ込みますけど、いいですね」と危険なプレーについて確認を求めた。「それでいい。思い切り行ってこい」と井上氏も了承した。

さらに井上氏は試合開始直前、「できませんでしたじゃすまされないぞ」と念押しまでした。

「お前はいったい何をしてるんだ」

試合開始後、選手が最初に反則した際、審判は明らかな反則行為に「お前はいったい何をしてるんだ」と怒鳴った。

選手は「はい、すいません」と言ったので、審判は少し迷ったが15ヤードの反則にとどめた。

だが、選手が再び反則をすると、審判は「あの91番、ちょっとひどい。なんとかしてくれ」と日大側にアピール。井上氏は「わかりました」という仕草を取ったが、交代させなかった。

3度目の反則では、小突き合いになった関学大の選手に対し、ヘルメットを殴って暴力行為を認定された。だが、選手はこの時、それほど「エキサイトしていなかった」(森本氏)という。

それでも攻撃的な姿勢をみせたのは、受け身になることで、内田、井上両氏から闘争心ないと叱責されるのを恐れたからだった。

内田氏らの主張、ことごとく退ける

選手は「実名、顔出し」で記者会見し、「つぶせ」は内田氏の指示で、相手選手にけがをさせるという意味だったと主張した。これに対し、内田氏は否定、井上氏も「『つぶせ』は『思い切りプレーしろ』の意味だった」と説明してきた。

こうした両氏の主張を、連盟はことごとく退けた。「つぶせ」について、森本氏は「井上氏は『思い切りプレーしろ』の意味だったと言うが、実力のある選手にわざわざそういう趣旨で言うのは不自然」と指摘。その上で、井上氏が選手に「相手のQBとは友達か」と確認したことを重視し、「友達にはとてもできないことをしてこい、つまりけがをさせてしまえということであり、日大側が言う『認識の乖離』はなかった」と述べた。

また、「つぶせ」が内田氏の指示だったかについても、指示を否定した井上氏の発言は、「内田氏をかばおうとして事実をねじ曲げ、信頼性に乏しい」とし、試合前に選手から指示の確認を求められたことを否定した内田氏については、「急に試合に出られることになったのに、『何も会話をしていなかった』とする内田氏の言い分は不自然」と森本氏は述べた。

一方、選手の主張については、内田氏との会話が極めて詳細で合理的であり、「どちらを信じるかは火を見るより明らか」とした。

このほか、1プレー目からQBを「つぶす」ことが、選手が試合に出場する条件だったことや、内田氏が「やらなきゃ意味がない」とけがをさせることを容認したことについても、いずれも選手の言い分を認めた。

イベントに台本やゲストはいらない。僕らがコーヒーを5日間“ごちそう“して気づいたこと。

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六本木の少し外れた、風が吹く場所で

見知らぬ人同士、あるいは久しぶりに会う人同士が、集まることは尊い。

先週、5月21日から5日間の午後5時〜午後7時、ハフポスト日本版が、ブルーボトルコーヒー六本木カフェのコーヒーをみんなに"ごちそう"するという企画をおこなった。

店に来て、ハフポスト日本版の開設5周年キャンペーンの合言葉「 #アタラシイ時間 」を伝えれば、無料で1杯飲めた。

考えていた、3つのこと

風に吹かれながら、コーヒーを飲むだけ。保育園のお迎えの時間を30分遅らせて来た人、初めて上司をお茶に誘った人、残業する前の息抜きだといって、顔を出してくれた人。昔の友達と、たまたま出会えた人。

初日から3日目までは、1日30人前後が来た。4日目は80人を超え、最終日の5日目は約200人が集まった。私やハフポスト日本版のメンバーも毎日行って、みんなが店の外で自由気ままに交流した。

時間を調整して、20分でも30分でも、昨日と違う時間をそれぞれが過ごした。

モデルにしたのは、ユニクロがスポンサーをして、毎週金曜日の夜のニューヨーク近代美術館(MoMA)の入館を無料にする「ユニクロ・フリー・フライデー・ナイト」。私も行ったことがあるが、仕事帰りの人たちが美術館を訪ねたあと、外で談笑している姿をいつも思い出す。

今回のコーヒーの企画で、同じような「場」を作り出し、イベントっぽくないイベントをやってみたかった。今までにないコミュニティーづくりをしたかった。企画の段階で気をつけたのは、3つのことだった。

①準備に時間をかけ過ぎない

イベントは事前の打ち合わせや台本づくりに時間が取られるあまり、本番当日が、予行演習の劣化コピーになることがある。

台本やパワポのことを少し忘れて、偶然に身を任せてみるのも大切ではないか。今回は、そもそも台本がいらないイベントだったが、コーヒーの引き換えチケットを発行したり、参加申し込みを募ったりしないで、ただただ、お店に来てもらった。

私は事前に「僕たちが、500人にコーヒーを"ごちそう"してみたい理由」という文章をハフポストに書いた。

職場や家庭を抜け出し、昨日とは違う時間をちょっとでも作り出すことの面白さを伝えた。細かい準備より、イベントの思いの共有が大切だと思ったからだ。

②「何とか2.0」とか「新時代の何とか」など、世界を変えようとし過ぎない

毎日、各地で様々なイベントが開かれている。「何とか2.0」とか「新時代の何とか」など、タイトルやプレゼン内容が、大げさなのが特徴だ。

しかし、世の中、そんなに変化しない。私の個人的感覚では、日本は1.0から1.1や1.2ぐらいに到達したばかりであり、2.0はまだまだ先のこと。

どこかのイベントに参加して、パソコンをカタカタと打って、誰かのスピーチのメモを取り、脳みそが60分ぐらい興奮をしても、職場に戻ったら、内容は忘れている。

世界を変えたふりをしてはいけない。革命はゆっくりと、コーヒーでも飲みながら、一見無駄な会話と共に進むものである。

③ ゲストはいらない。参加者こそが大切な主役

イベントで毎回気を使うのが、ゲスト。時間通りに来るのか。機嫌を悪くしないか。お弁当は、どうしよう。失言はしないだろか。イベント中に「演説」を始めないだろうか。心配ごとは尽きない。

だったら、ゲストがいないイベントも良い。有名人の準備された言葉より、来場者同士の予期せぬ出会いや会話の方が、イノベーティブかもしれない。

今回ゲストは呼ばなかった。参加者は、コーヒーを1人で飲んでも良い。あるいは、近くの人と、天気の話や昼間食べたカレーのおいしさの話をしているだけで、十分楽しいのではないか、と思った。

ゆるやかに過ごした時間の記憶を持ち帰る

社会心理学が専門の故・山岸俊男氏の言葉を借りれば、日本は「安心社会」から「信頼社会」へと移り変わっている。

これまでの「安心社会」は同じような会社の同じような立場の人と交流していれば良かった。しかしながら、これからの社会は、転職や副業が増え、職場で顔を合わせる人も、年々違ってくる。初めて会う人や、初めての価値観と触れ合い、ゼロから信頼を築いていかないといけない。

メディアは「信頼社会」において、どのような役割を担えるのだろうか。

「信頼社会」は、不安の社会でもある。見知らぬ人を信頼するのは、とても怖い。今回、コーヒーを飲みに来てくれた人に話を聞くと「恥ずかしくて誰にも話しかけられなかった」という声もあった。「モヤッとした」「手持ちぶさたになった」という意見もあった。

一方で、こんなTweetもあった。

《気持ち良い初夏の夕方に、コーヒーと元同僚との会話を楽しみました。「何が目的?」と事業目線で最初思ったけど、ゆるやかに過ごした時間の記憶を、きた人がそれぞれが持ち帰る。その機会を媒体が作る...それは素敵なことだね、と気づきました。 》

「好きな旅行の話。なんだか楽しい夜でした」

六本木の職場で働く、ある会社役員の女性。3歳の息子のお迎えを夫に任せ、夜7時ごろ、同僚2人を連れてコーヒーを飲みにきた。転職組が多い職場だという。

「社内のチームが違うので、こういう機会がないと話さないと思って」と言っていた。「色々な人と交流できたし、何より3人でコーヒー1杯で立ち話をしているうちに盛り上がったのが良かった。終わった後、近くの九州料理屋で食事をしました。好きな旅行の話や、仕事の悩みを初めて話せて、なんだか楽しい夜でした」。

「コーヒーでも飲みに行こうよ」

昨日とは違う時間を過ごすこと。偶然の出会いに開かれていること。身近な人でも、知らない一面にオープンであること。人間関係を築いていき、信頼を一歩一歩生み出していく。

繰り返すが、「信頼社会」は、不安の社会でもある。

そんなとき、「国家」にもう一度、寄りかかる人たちがいる。同じ日本人だから信頼できる。〇〇人だから信頼できない——。

あるいは、自らの力とお金のパワーのみに100%の信頼を置き、グローバルな世界で他者と競いながら生きるビジネスパーソンたちがいる。

私は、どちらの道も取れない。国家や個人の力だけに頼るのではなく、偶然の出会いに寛容で、弱くても強くても、人と人が、競うだけでなく、優しく繋がれる場をつくりだしたい。

1人で過ごしても、みんなと一緒にいても、目的が定まり過ぎていない、自由な場所。停滞を招く「安心」ではなく、少しのスリルを経て築き上げる「信頼」こそが、社会をダイナミックに動かすと同時に、社会的な繋がりをも同時に作り出せるのではないか。

そして、見知らぬ他人や、あまり話したことのない知り合いと、偶然性たっぷりの時間を過ごすには「言い訳」が必要である。そう、たとえば「コーヒーでも飲みに行こうよ」という一言のように。

「言い訳」というキッカケを作り出すのが、これからのメディアの役割だと信じている。そんなことを思って、5日目の最終日の夜9時、私は飲み終わったあとのコーヒーカップの後片付けをしていた。

みんなが、予定をやりくりをしてくれて、コーヒー1杯から生まれた「 #アタラシイ時間 」。

ハフポスト日本版は5月に5周年を迎えました。この5年間で、日本では「働きかた」や「ライフスタイル」の改革が進みました。

人生を豊かにするため、仕事やそのほかの時間をどう使っていくかーー。ハフポスト日本版は「アタラシイ時間」というシリーズでみなさんと一緒に考えていきたいと思います。「 #アタラシイ時間 」でみなさんのアイデアも聞かせてください。


中国の大学図書館、ミニスカート禁止で物議⇒撤廃。男子学生から「勉強に集中できない」

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※写真はイメージです。

「50センチ以下のスカートやホットパンツを履いた女子学生の入館を禁止する」ーー。中国のある大学図書館が張り出した注意書きが、物議を醸している。

Global Timesによると、発端は、男子学生からのクレームだった。「ミニスカートのせいで勉強に集中できなかった。ある種のセクシュアルハラスメントだ」という訴えを受けて、大学側が対応したのだ。

このルールにより、図書館を利用しようとした女子生徒たちが、服装を理由に警備員に入館を拒まれた

男子学生の訴えや大学側の対応に対して、SNS上で批判の声が上がった。インディペンデント紙が、「(露出の多い)服を着ているからと言って、相手を誘っているわけではない」といった声を伝えている。

これを受けて大学側はルールを撤廃し、女子学生に対する謝罪声明を出した。

「今回の出来事で混乱とご不便をおかけして申し訳ありません。今後は図書館の運営やサービスの質を向上させ、快適に読書ができる環境を整備します。図書館に来て、マナーを守って勉強や読書をする学生を歓迎します」

"ミニスカートを禁止する"ルールは、肌着やサンダルでの入館を制限する内容に変更された。

レオパレス物件、壁が足りてなかった? 法令違反の疑いで3.7万棟を調査へ

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写真はイメージです

賃貸アパート大手のレオパレス21は5月29日、1996〜2009年に建てられた同社のアパート38棟に建築基準法違反の疑いがある欠陥が見つかったと発表した。

これまで埼玉県や兵庫県などの12都府県で、天井裏に延焼や音漏れを防ぐための界壁がなかったり、界壁の施工が不十分だったりしたことを確認した。不良物件については、2019年10月までの補修工事の完了を目指すという。

どうして発覚したのか

レオパレス21によると、2018年3月29日と4月17日に、2人の物件オーナーから「(行政が発行した)確認通知書の内容と、実際の建物に相違がある」と指摘があり、調査を開始。184棟を調べたところ、168棟に界壁がないなどの確認通知書との違いが見つかった。

レオパレス21側は、これらの物件については、界壁がなくても建築基準法違反にはならないという見解だ。

全3万7853棟を調査へ

レオパレス21側は、今回の指摘を受け、これまでに同社が建てたすべてのアパート3万7853棟について、2019年6月までに問題がないか調査する予定という。

現在までに調査が終わっているのは474棟で、うち建築基準法違反の疑いがあるものは38棟あった。

レオパレスって?

レオパレス21は、1973年に不動産仲介会社としてスタートした。その後1985年から、都市型アパート「レオパレス21」を本格的に展開。

家具付きで短期でも入居できる賃貸物件として人気を集めてきた。

2000年に今の社名に変更し、翌2001年には管理戸数が15万戸に達した。2018年4月現在では、約57万戸を管理している。

今回の問題についてレオパレス21は「入居者様、物件オーナー様、監督官庁並びに特定行政庁の皆さまには多大なるご心配とご迷惑をお掛けしましたことを深くお詫び申し上げます」とコメントした。

Twitter上での声

以前から、「隣の部屋の音が聞こえる」などといった内容が書かれた「レオパレス伝説」がネット上で話題になっていたが、今回の発覚を受けてTwitter上では「本当だったのか」「しっかり取り締まってほしい」などといった声が上がった。

また、実際の住民で天井裏を確認する人もいた。

100%フルーツジュースはヘルシー?上手なジュースの飲ませ方

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スーパーやドラッグストアでは、5か月から、1歳から、など表示された乳児・幼児用のジュースがよく売られていますね。そういうのを見ていると、5ヶ月になったら、1歳になったら、飲ませたほうがいいのかな?とつい思ってしまいますが、全然そんなことはありません!

確かに2007年度までは、母子手帳の保護者の記録の生後3〜4か月の欄にも「薄めた果汁やスープを飲ませていますか」という記述がありました。そのため、古い育児書の中には、お風呂上がりに果汁を飲ませるのを勧めているものもあります。しかし、それはもう過去の話です。

実は、アメリカ小児学会は現在、1歳までの乳児にジュースを与えることを勧めないと明言しています。

(1) これは、果汁100%のジュースであっても同じです。ジュースは、果物そのものに含まれている繊維質が取り除かれてしまっていて、果物よりも急激に糖分が吸収されてしまうという特徴があります。ジュースは虫歯の原因になるほか、栄養過多や、逆に栄養不足を引き起こす場合もあるというのです。

1997年には、1歳半から4歳半まで、1,675人のイギリスの子どもの栄養調査を解析した論文が発表されました。砂糖やはちみつ、フルーツジュースの摂取量が多い子どもは、鉄や亜鉛、ビタミンDが不足する傾向にあり、特にエネルギーの24%以上をそうした糖分から摂取している子どもたちは、鉄と亜鉛が必要量を下回っていることがわかりました。

(2) 鉄分不足は貧血を引き起こし、神経系の発達にも影響します。亜鉛も免疫システムや傷の治りに関係する重要な栄養素ですが、いずれも乳幼児で不足しやすい栄養素です。お菓子やジュースの摂取量が多い子は、牛乳や肉、パン、野菜の摂取量が少なくなっており、それが原因で鉄・亜鉛不足になっていたと考えられています。

また、1994年には、アメリカの研究者が、フルーツジュースの飲み過ぎで成長障害を引き起こした、1〜2歳の子ども8人の症例を報告しています。

(3)最も量が多かった子は、1日に850mlものジュースを飲んでいたそうです。成長障害の原因は、タンパク質や脂肪、その他の栄養素の摂取不足になっていたことで、食事を改善することで体重も増えるようになりました。

ジュースを与えることが絶対にダメというわけではありませんが、ジュースはヘルシーな飲み物ではありません。嗜好品の一つとして考え、飲ませすぎないようにするのが良さそうです。

生後6ヶ月頃になって果物を食べさせたいときは、ジュースではなく果物をつぶして、繊維質を含んだ果肉ごと与えましょう。1歳を過ぎて、どうしてもジュースを与えたい場合は、例えば食事で外出したとき、お友だちの家に遊びに行った時など、特別な日に1日110ミリリットル(4オンス)以下の量を与えるようにしましょう。

アメリカ小児学会の提言では、ジュースはコップで飲ませることが勧められています。哺乳瓶や蓋つきのストローマグなどに入れてジュースを持ち歩くことは、日常的に水分補給としてちょこちょこ飲むことにつながり、虫歯の原因になるというのが理由のようです。

ストローマグだと110ミリリットルくらい、あっという間に飲み干してしまう子も多いかもしれません。水分補給は水か麦茶にして、ジュースはおやつなど、決まった時間にコップで少量飲むくらいがちょうどいいということですね。

また、ソーダ類やフルーツ飲料、甘い紅茶など、砂糖の入った飲み物はさらに避けた方が良いでしょう。 乳児期に砂糖の入った飲み物を飲ませると、6歳の時点での肥満が増えたという研究や、虫歯が増えたという研究もあります。

例外として、砂糖の入った飲み物が勧められているのは、胃腸炎のときです。下痢や嘔吐があるときの水分補給としては経口補水液が良いと言われています。

フルーツジュースはナトリウムが少なく、種類や飲む量によっては糖分が吸収しきれないことがあります。吸収されなかった糖分が大腸で発酵されてガスを発生させたり、下痢を引き起こすかもしれません。この原理を逆手に取って、フルーツジュースを便秘の治療に使う場合もあるようです。

しかし、最近では、軽度の脱水であれば、経口補水液よりもりんごジュースを水で倍に薄めたものが優れているという研究結果もあります。カナダのカルガリー大学では、2010年から2015年にかけて、6か月から5歳の子ども648人を対象に研究が行われました。

胃腸炎でごく軽度の脱水のある子どもを2グループに分け、一方のグループでは経口補水液だけを水分補給に使うようにし、もう一方のグループでは倍に薄めたりんごジュースをまず飲ませ、退院後は好きなものを飲ませるようにしました。

すると、再受診や点滴などが必要になった割合は、経口補水液のグループが25%、りんごジュースと好きな飲み物のグループが16.7%で、りんごジュースと好きな飲み物グループの方が優れていたのです。この傾向は、特に2歳以上の子どもで強いことがわかりました。

この論文のメッセージは、りんごジュースが優れているということではありません。軽度の脱水であれば、飲めるものを飲むことが大切だということです。

経口補水液を飲めるのであればそれに越したことはありませんが、大人でもあの薄しょっぱい味が苦手という方はいらっしゃるのではないでしょうか?

ジュースに含まれる糖分の種類を考えると、りんごや梨、プルーンジュースは下痢を起こしやすいタイプのジュースですが、この研究ではりんごジュースで問題ないという結果になっています。りんごに限らずオレンジジュースでもぶどうジュースでも良いと思います。経口補水液をあまり飲まない場合には、ジュースを倍に薄めて飲ませてみるのを試してみてください。

1.Heyman MB, Abrams SA, Section On Gastroenterology H, Nutrition, Committee On N. Fruit Juice in Infants, Children, and Adolescents: Current Recommendations. Pediatrics. 2017;139(6).

2.Gibson SA. Non-milk extrinsic sugars in the diets of pre-school children: association with intakes of micronutrients, energy, fat and NSP. Br J Nutr. 1997;78(3):367-78.

3.Smith MM, Lifshitz F. Excess fruit juice consumption as a contributing factor in nonorganic failure to thrive. Pediatrics. 1994;93(3):438-43.

(2018年5月8日「MRIC by 医療ガバナンス」より転載)

Tシャツ付きシャツって何?しかも16万円。バレンシアガの新作がツッコミどころ満載

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高級ファッションブランド「バレンシアガ」の新作シャツが斬新だと話題になっている。

2018年秋コレクションで発表した「Tシャツ シャツ」は、Tシャツの前に、長袖のシャツがついている。

ウェブサイトに書かれた説明によると「ショートスリーブとロングスリーブの2通りの着こなしができるストライプ柄のシャツ」だ。

つまり、「ストライプのシャツが前にぶら下がったTシャツ」としても「Tシャツが後ろにぶら下がったストライプのシャツ」としても着られる、ということだろうか。

奇抜なデザインだが、考え方によっては便利かもしれない。

例えばこんなシチュエーション。Tシャツを着て出かけたら、突然フォーマルなイベントに誘われた。でも慌てなくていい。前に付いているシャツに着替えれば、あっという間にフォーマルな装いだ......。

値段は159,840円。高級ブランドのシャツとTシャツ2枚分と思えば安いという考え方ができる(かもしれない)。

「Tシャツ シャツ」には、ソーシャルメディアでたくさんの人たちがツッコミを入れている。

「バレンシアのシャツ冗談だと思ったんだけれど、本当に売られてる。しかも1290ドル」

「バレンシアガが、おかしくなってる笑」

「バレンシアガには酔っ払っているデザイナーがいて、次々に人をおちょくるデザインを発表しているとしか思えない」

「バレンシアガのデザイナーは、人間で社会実験をやっている」

「グッチやルイヴィトンにお金を払うのは構わない。でもこれ...?」

「このモデルは、こんな撮影やりたくないって思ってるかも」

中には自作した人も。

「へい、バレンシアガ。自分でダブルシャツを作って見たよ。数千ドルもかからなかった!」

Tシャツにシャツをつけるだけであれば、簡単にできるかもしれない。

バレンシアガは1年前に、IKEAの約100円のビニール製バッグとそっくりのバックを約20万円で売り出し、話題になった

そのほかにも、車用フロアマットそっくりのスカートなど、奇抜なデザインを発表することで知られる。

賛否両論あるけれど、ソーシャルメディアでの話題作りという点では「Tシャツ シャツ」は成功したと言ってよさそうだ。

スポーツの内か外か 刑事司法の役割

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日大と関西学院大のアメリカンフットボールの定期戦で悪質なタックルがあり、大きな議論になっています。当該選手は、監督・コーチの指示で意図的に反則タックルを行ったこと、自分にアメリカンフットボールをする資格がないこと、アメリカンフットボールをやめることを記者会見で明らかにして謝罪しました。

アメリカンフットボールは死亡事故が生じうる競技であり、ルールを遵守しなければ、ひどく危険です。仮に、監督の指示があったとしても、実行するかしないかは本人の判断です。自立した判断能力を持った個人でなければ、こうした危険なスポーツに参加してはなりません。

ナチスの残虐行為、ベルリンの壁での逃亡者の射殺などいずれも実行者が処罰されました。事件解決のために最初に行うべきは、当該選手に対する刑事責任の検討です。この選手の将来のためにも、刑事責任についてはっきりさせるべきです。

とはいえ、最大の問題は、監督・コーチにあります。監督・コーチは、理由を示さずに当該選手を目の敵にして攻撃し、追い込まれた選手に命じて、相手のクオーターバックに傷を負わせようとしたと報道されています。本当だとすれば卑劣極まりない行為です。

日大の監督・コーチは負傷させろと命じたことを否定し、監督・コーチの意図と当該選手の受け止め方に乖離があったことが事件の原因だとしました。監督は、すべて自分に責任があると発言しましたが、選手が悪質タックルを実行したことの責任を代わって負うことはできません。しかも、指示したことを否定し責任を選手に押し付けました。負えない責任を引き受けるとする一方で、負うべき責任を回避しようとしました。立派な態度だとは言えません。

監督・コーチの発言の矛盾が次々と指摘されていますが、監督・コーチの主張を、民間人が覆すのは不可能です。調査権限がないことに加えて、法的な評価を下す立場にないからです。

傷害罪は刑法の中でも、基本的な犯罪です。その適用範囲によって、多くの人の行動に影響を与えます。刑事司法は、今回の事件を捜査し、犯罪か、犯罪じゃないのか、境界を示すべきです。スポーツのルールで選手を守るのか、スポーツの範囲外の犯罪行為として刑法で選手を守るのかが問われています。このまま、刑事司法が捜査することなく事件を放置すれば、日大の監督・コーチの行動を承認したことになりかねません。いかに厳しいルールがあっても、スポーツのルールでは、意図的な反則タックルの歯止めになりません。被害者側も、警察に被害届を提出し、検察への告訴も検討しているとのことです。

2004年、福島県立大野病院で、出産時に癒着胎盤から大量出血があり、母親が死亡しました。医師が逮捕され、業務上過失致死罪で起訴されました。癒着胎盤は、極めて危険な産科合併症です。医師は、故意に害を及ぼそうとしたわけではなく、必死に母親を救うべく努力しました。

残念ながら医療は安全ではありません。大野病院事件が議論になった頃、医療の内側と外側の区別が、議論されるようになりました。手術、合併症は医療の内側であり、どうすれば母親の生命を救えたのか、善悪の規範ではなく科学的に議論すべきはずのところ、警察・検察は、法規範で医師に罪があるとして、刑事罰を科そうとしました。医療の内側の問題に、司法が介入しようとして強い批判を浴びました。

今回の事件は、パワーハラスメントで当該選手を追い込んで、相手のクオーターバックを負傷させようとしたものであることが確定しつつあります。これが正しければ、明らかな故意犯罪です。スポーツの範囲外のことであり、刑事司法が介入すべき事件です。刑事司法が介入しなければ、選手は安心してプレイできず、アメリカンフットボールは衰退するでしょう。社会への影響を考えると、刑事罰を科さない場合でも、刑事司法は、その理由を示す責任があります。

日大の学長は、第三者委員会で調査すると言明したものの、監督・コーチの説明を追認した形になっています。日大からの関学側への説明でも、学生への事情聴取をすることなく、監督・コーチの言い分を認めています。大学側の姿勢を見ると、大学が選任した第三者委員会が公平な立場で調査できるのかどうか懸念されます。

ここまでくると、日大の経営者が事件の正当な解決を意図的に怠っていると見えてしまいます。問題を解決するのに、経営者の入れ替えが必要であることを、日大自身が時間をかけて、段階を踏んで示しているように思えるほどです。日大経営者の責任を問うためにも、刑事司法の役割は大きいと言わざるを得ません。

(2018年5月29日「MRIC by 医療ガバナンス」より転載)

「ポケモンクエスト」任天堂が発表。Switchとスマホに対応したRPG

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「ポケモンクエスト」の公式サイトより

株式会社ポケモンおよびゲームフリークが、ニンテンドースイッチおよびスマートフォン版のポケモン新作ゲーム「ポケモンクエスト」を発表しました。

冒険の舞台はすべてが四角くできている「カクコロ島」、四角くなったポケモン「ポクセル」たちと、この島を探検するわちゃわちゃアクションRPGです。

登場するポケモンは「赤・緑」世代ですが、いずれもマインクラフトライクな四角いデザインに。マルマインはもはやカクイマンに改名すべきかもしれません。デモプレイでは、まず最初に料理「カクコロスープ」を作ってポケモンたちを集め、探検するチームを編成するところが紹介されました。

スープの材料はなんの肉...カク煮とか入っているのでしょうか。

「ポケモンクエスト」はタップ操作でのプレイに対応し、SwitchではJoyConでの操作も可能とのこと。基本プレイは無料。6月末からは、スマホでも遊べるようになる。

engadget日本版「速報:四角いポケモンと探検するわちゃわちゃRPG「ポケモンクエスト」発表。任天堂スイッチ・スマホ対応」より転載しました。

速報:スイッチ向けポケモン第一弾は『ポケットモンスター Let's Go! ピカチュウ・Let's Go! イーブイ』11月発売

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以前より制作発表のあったNintendo Switch向けのポケットモンスターシリーズが、ついに発表されました。『ポケットモンスター Let's Go! ピカチュウ』と『ポケットモンスター Let's Go! イーブイ』の2タイトルです。発売は2018年11月16日、価格は5980円(パッケージ版、ダウンロード版同価格)。

ハードウェアがSwitchになった点に加え、Pokémon GOのような「野生のポケモンに直接ボールを投げてゲットする」システムの採用、2人同時プレイ、新周辺機器『モンスターボールPlus』やポケモンGOとの連携など、多数の特徴を備えます。

ベースとなっている作品は(一部ウワサにあったように)『ポケットモンスター ピカチュウ』。しかし基本的なゲームシステムなどが一新されているため、どの程度が「ベース」なのか、いい意味で不明な状態です。

【更新中】

(2018年5月30日Engadget日本版「速報:スイッチ向けポケモン第一弾は『ポケットモンスター Let's Go! ピカチュウ・Let's Go! イーブイ』11月発売」より転載)

【関連記事】


ポケモンGOにアローラナッシー出現。任天堂スイッチ版ポケモン新作発表

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任天堂Switch版ポケモン新作『Let's GO!ピカチュウ』『Let's GO!イーブイ』の発表において、ポケモンGOを開発するナイアンティックのジョン・ハンケCEOがビデオメッセージを寄せ、本日2018年5月30日よりアローラ地方のナッシーがポケモンGOに登場することを明らかにしました。

すでに、フィールドに出ているトレーナー諸氏からSNSにその姿がアップされつつあります。

首長ナッシーの登場は、今後数週間のうちに登場と予告されていた「アローラのすがた」ポケモンから最も特徴的なひとつを『Let's GO!ピカチュウ』『Let's GO!イーブイ』発表に合わせたサプライズとしてポケモンGOに先行登場させたもの。

ジョン・ハンケCEOは「アローラナッシーを捕まえながら『Let's GO!ピカチュウ』『Let's GO!イーブイ』の発売を待っていてください。テンキュー」とビデオメッセージを寄せました。

なお、ポケモンGOでゲットしたカントー地方のポケモンたちは『Let's GO!ピカチュウ』『Let's GO!イーブイ』に連れて行ってプレイすることができます。本日登場したばかりのアローラナッシーも同様につれていけるので、そのためにもトレーナー諸氏は昼休み、または仕事/学校帰りにゲットしておくと良さそうです。

ちなみに、のこりの「アローラのすがた」ポケモンも"夏の始まりを祝って"登場する予定。『Let's GO!ピカチュウ』『Let's GO!イーブイ』、さらに『ポケモンクエスト』の発売を楽しみにしつつフィールドでもトレーナーとしての忙しい日々は続きそうです。

(2018年5月30日Engadget日本版より転載)

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米スターバックスが一斉に休業。 人種差別の批判を受け研修をした

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黒人来店者に対する人種差別批判を受けた従業員講習のため休業を知らせるスターバックス店舗前の看板=29日、アメリカ・カリフォルニア州サンノゼ

アメリカのスターバックスで、黒人や移民に対する人種差別があったと非難されている問題で、スターバックスは5月29日、研修のためアメリカ国内の直営店を一斉に休業。約17万5000人の従業員に、差別について学んでもらうためだ。

スターバックスでは、4月にフィラデルフィアの店舗で、「友人を待っていた」という2人の黒人男性が逮捕・連行されていく動画が、アメリカで物議を醸していた

その後もロサンゼルスの店舗で、メキシコ系移民を揶揄する「Beaner(ビーナー)」という言葉をカップに書かれたというフェイスブック投稿があり、全米に波紋を広げた

今回の問題について、 創業者で経営執行役会長のハワード・シュルツ氏は 同社のホームページ上で「 私たちは間違いから学び、すべてのお客様に安全で心地よい環境を提供するという約束を再確認します 」と表明している。

ロイター通信によると、空港などにある直営店以外の約6千店は29日午後も営業を続けた。

セリーナ・ウィリアムズが、黒の全身スーツで全仏を戦うワケ。

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セリーナ・ウィリアムズ選手

テニスの全仏オープンに臨んでいるセリーナ・ウィリアムズ選手のユニフォームに、注目が集まっている。

ボディラインが強調される黒の全身スーツは、ただファッションとして着用しているわけではなく、彼女のさまざまな思いが込められていた。

ガーディアンによると、セリーナは2017年9月に娘を出産後、血栓症を患って命の危機にさらされるなど健康面で苦しんでいた。出産後初めての4大大会を戦い抜くために、スーツには血液の循環をよくする機能があるという。

また、出産などを経験した全ての女性を応援するメッセージも込められていると、セリーナは試合後の記者会見で語る。

「このスーツは、身体に対する精神的や肉体的な悩みを乗り越えて、自信を持ち、自分を信じる女性たちの姿を表しています」

さらに、このスーツを着ていると、彼女をヒーローのような気分にもさせてくれるという。映画「ブラックパンサー」に言及しながら、こう語る。

「私は(映画に登場するアフリカの架空の王国)ワカンダ風のスーツと呼んでいます。これを着ていると、戦うワカンダ国の王女になった気分になる。ずっと、ヒーローになりたいと思っていたから。私なりのヒーローになる方法なんです」

そんな思いで大会に臨んだセリーナは、5月29日のシングルス1回戦を勝利で飾った

加計学園「自治体騙し」自認文書で、「安倍政権側ストーリー」崩壊の危険

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5月21日に愛媛県が公開した、2015年2月から4月にかけての加計学園獣医学部設置をめぐる動きに関する文書(以下「愛媛県文書」という)の中に、加計学園側の話として、「2/25に理事長と首相との面談(15分程度)」の記載があったことから、その日に、安倍首相と加計孝太郎理事長とが面談し、獣医学部新設に関する話をした疑いが生じた。安倍首相は、その日に加計理事長と会った事実を否定し、政府与党側からは、その記載について、「伝聞の伝聞」だとして、証拠価値を疑問視する声が上がっていた。

そうした中、5月26日、「当時の担当者が実際にはなかった総理と理事長の面会を引き合いに出し、県と市に誤った情報を与えた」と記載した加計学園名義の文書が、「報道機関」宛にファックス送付されたのである。

このファックス文書に書かれているとおりだとすると、加計理事長と会ったことを否定する安倍首相の主張には沿うものとなる。しかし、その一方でこれまで安倍政権側が、加計学園問題について組み立ててきた「ストーリー」が次々と崩壊していくことになりかねない。

愛媛県文書の信ぴょう性の高さ

愛媛県職員が作成した2015年4月2日の首相官邸での柳瀬唯夫首相秘書官(当時)との面談記録について、文書の信ぴょう性が極めて高いことは、【柳瀬氏、「参考人招致」ではなく「証人喚問」が不可欠な理由】で述べたとおりだ。その後に公開された愛媛県側の文書についても、県職員が加計学園関係者や今治市職員から実際に聞いた話をそのまま書いていると考えられ、基本的に、信ぴょう性は高い。

ただ、「2/25の理事長と首相との面談」の事実は、愛媛県担当者が加計学園関係者から聞いた「伝聞」に過ぎず、加計学園関係者の発言した内容が真実である確証はないので、愛媛県の文書の記載だけで、面談があったと決めつけるわけにはいかない。私も、この点について、マスコミの取材を受けた際、「加計理事長⇒加計学園担当者⇒愛媛県担当者」の伝聞なので、そのまま鵜呑みにはできない旨コメントしていた。

しかし、愛媛県が公開した文書全体の内容を見ると、加計学園関係者が虚偽の事実を述べたとは思えないものであり、「伝聞」ではあっても、面談があった可能性は相応に高いように思えた。

奇しくも、加計学園側は、このファックス文書で、愛媛県文書に記載された加計学園関係者の発言自体は認め、その他の内容についても、愛媛県文書の内容について発言内容と異なるとは一切言っていない。このことからも、加計学園関係者の発言内容について愛媛県文書の信ぴょう性は一層高まったといえる。

愛媛県文書の中での「2/25理事長と首相との面談」の記述

愛媛県が公開した獣医学部新設に関する面談記録等の中には、多数の箇所に、「2/25理事長と首相との面談」の記載がある。

まず、「(平成)27.2」の「加計学園と加藤内閣官房副長官との面会の状況」を加計学園関係者が愛媛県に報告した際の面談記録の中に、「獣医学会や既存大学の反発のため今治市への設置は厳しい状況にある」との報告の後に、

国では、国家戦略特区申請の積み残し分について、地方創生特区の名のもとに追加承認を行う模様であり、加計学園では、新潟市の国家戦略特区の中で提案されている獣医学部の設置が政治主導により決まるかもしれないとの危機感を抱いており、同学園理事長が安倍総理と面談する動きもある。

という記述がある。

加計学園側は、愛媛県に対して、獣医学部の新設に関して獣医学会等の反発があって厳しい状況の下、新潟市での獣医学部設置だけが「政治主導」で決まること(そうなると、今治市での設置はさらに絶望的となる)への危機感から、「加計理事長が安倍総理と面談する動き」があると説明しているのである。

つまり、加計理事長と安倍総理との面談というのは、突然出てきた話ではなく、上記のような背景の下に、今治市での加計学園の獣医学部設置を「政治的に」進めるために、加計理事長⇒安倍首相という働きかけをしようとしていることが報告されているのである。

そして、次の「27.3」の加計学園側と愛媛県との面談記録で、冒頭に、

2/25に理事長が首相と面談(15分程度)

という記載があり、その面談の模様について

理事長から、獣医師養成系大学空白地帯の四国の今治市に設置予定の獣医学部では、国際水準の獣医学教育を目指すことなどを説明。首相からは「そういう新しい獣医大学の考えはいいね。」とのコメントあり

と書かれている。

注目すべきは、その後の、

検討中の大学附置施設(高度総合検査センター等)の設置には多額の費用が必要であるが、施設設置に伴う国からの補助がない中、一私学では困難であるので、国の支援が可能となる方策の検討を含め、県・市の財政支援をお願いしたい。

との記述だ。

加計学園側は、今治市での獣医学部設置について、加計理事長と安倍首相が面談し、安倍首相が前向きの反応を示したと述べた後に、国からは補助がないので、「県・市の財政支援」を求めているのである。

そして、次の3/15の今治市役所での今治市と加計学園との協議結果についての報告文書では、

柳瀬首相秘書官と加計学園の協議日程について、2/25の学園理事長と総理との面会を受け、同秘書官から資料提出の指示あり

と書かれており、「柳瀬秘書官からの資料提出の指示」は、学園理事長と総理との面会を受けてのものだとされている。

秘書官から求められている「資料」の具体的内容が記載されているが、注目されるのは、

学園作成の概要版資料の表紙(別紙p.4)は、写真及び県と市のマークやキャッチフレーズは削除し、学園名を明記

との記載だ。

本来、国家戦略特区の申請者は「地方自治体」であり、自治体が主体となって特区申請を行い、それが認められた場合に、事業者を選定するということになっているのに、加計学園作成の資料について、なぜ県と市のマークやキャッチフレーズを削除する必要があるのか。「加計学園の申請」であることが一見してわかるようにしておくためだと思える。

そして、「文部科学省の動向」の項目では、

2/25に学園理事長と総理との面会時の学園提供資料のうち、「新しい教育戦略」(別紙p.5-6)に記載の目指すべき大学の姿に関する部分を抜粋したアンケート形式の資料を示して、短期間での回答を求めている。

と書かれており、「2/25の学園理事長と総理との面会の際に加計学園が提供した資料」についての言及がある。ページ数が記載されていることからも、この「提出資料」は愛媛県にも渡っていると考えられる。

文書の末尾には、「(参考)加計学園の直近の動向・今後の予定」が付記されており、その最初に「2/25 理事長と安倍総理が面談」と書かれている。

そして、「獣医師養成系大学の設置に係る内閣府及び首相秘書官訪問について」と題する書面では、

安倍総理と加計学園理事長が先日会食した際に、獣医師養成系大学の設置について地元の動きが鈍いとの話が出たとのことであり、同学園としては柳瀬首相秘書官に4月2日午後3時から説明したいので、県と今治市にも同行願いたいとの要請があったと今治市から連絡があった。

と書かれている。

「2/25の学園理事長と総理との面会」以外に、「安倍総理と加計学園理事長との会食」の機会にも、獣医学部新設の話が出て、その際に、「地元の動きが鈍い」との話が出たことを理由に、加計学園が、首相官邸での柳瀬秘書官との面談に赴くにあたって、愛媛県と今治市にも同行するよう求めたことがわかるのである。

「2/25理事長と首相との面談」は特区申請・補助金交付の大前提

愛媛県の文書によると、加計学園は、理事長と首相の面談が行われる前に、「面談の動き」があることの説明をし、実際に面談があったとされた後には、面談の際に理事長から首相に渡った資料も示し、それを前提に、愛媛県・今治市に対して補助金を要請している。

これらの記載からすれば、愛媛県にとって、「2/25理事長と首相との面談」の事実が、加計学園の獣医学部新設に向けて、国家戦略特区の申請を行うこと、加計学園に補助金を交付することの大前提だったことは明らかだ。

しかも、「2/25理事長と首相との面談」は、柳瀬秘書官からの資料提出の指示に関連づけられ、面談時に理事長から首相に提供した資料にも言及するなど、この時期の加計学園と愛媛県との交渉全般にわたって、頻繁に持ち出されている事柄であり、もし、その面談の事実がなかったとすると、獣医学部新設に向けての話が根底から覆されかねない。

伝聞部分についても、加計学園関係者が意図的に事実と異なる発言をすることなど通常はあり得ないことなので、愛媛県は、獣医学部の新設について極めて重要な事実を含むこの書面を公開したと考えられる。

ところが、その「2/25理事長と首相との面談」ついて、加計学園側は、担当者がその発言をしたことを認めた上で、「実際にはなかったのに虚偽の事実を伝えた」として、愛媛県側に何の断りもなく、一方的に「報道機関」宛にファックス送付した。

もし、本当に、加計学園側が、「2/25理事長と首相との面談」が実際にはなかったのに、虚偽の事実を伝えたということであれば、獣医学部の立地自治体として国家戦略特区の申請を行い、多額の補助金を交付している愛媛県・今治市に対する重大な背信行為だ。そのような事実を把握したのであれば、まず、当事者の愛媛県・今治市に対して、十分な説明と謝罪をするのが当然だ。

ところが、5月28日に国会で集中審議が行われる2日前の26日に、いきなり、マスコミ宛のファックス文書で、そのような事実を公表したのである。

このような対応の方法からしても、安倍首相が追及されることが予想される5月28日の国会の集中審議に向けて、安倍首相の答弁に合わせるために、ファックスで文書を送付したことが強く疑われる(安倍政権側の指示であった可能性も否定できない)。

しかし、加計学園側も、「報道機関」宛にファックス送付した以上、今後、その内容を自ら否定することはできないだろう。

そうなると、少なくとも、加計学園としては、このファックス文書に書かれていることが真実であることを前提に今後の対応を行わざる得ない。それは、安倍政権側にとって、かえって不利な展開となる可能性が高い。

「加戸前知事ストーリー」の崩壊

加計学園のファックス文書では、

当時は、獣医学部設置の動きが一時停滞していた時期であり、何らかの打開策を探しておりました。そのような状況の中で、構造改革特区から国家戦略特区を用いた申請にきりかえれば、活路が見いだせるのではないかとの考えから、当時の担当者が実際にはなかった総理と理事長の面会を引き合いに出し、県と市に誤った情報を与えてしまったように思うとの事でした。

とされている。

もし、その通りであったとすると、これまで、加計学園の獣医学部新設と安倍首相との関係をめぐる疑惑を否定するために、自民党側が再三にわたって国会に参考人招致してきた加戸前愛媛県知事の供述に重大な疑問が生じることになる。

昨年7月の衆議院予算委員会での閉会中審査で、加戸氏は、今治市に加計学園の獣医学部を誘致しようと考えた理由について

私、鳥インフルエンザにめぐり会いまして、その後、狂牛病の問題、口蹄疫の問題が続きますが、いずれにいたしましても、四国への上陸は許さないという前提での取り組みをしながら、県庁の獣医師、大動物獣医師の不足に悲鳴を上げながら、みんなに頑張ってもらい、あるいは学者のお話も聞きながら、国際的にこの問題は大きくなるという中で、愛媛に獣医学部が欲しいと思いました。

それは、研究機関としてと同時に、今治の学園都市、それと、愛媛県の公務員獣医師の不足も補うし、しかも、国際的に胸を張れる、アメリカに伍して先端的に勉強ができるような場を持って、今治を国際的な拠点都市にする、そんな夢でおりまして、ちょうど、県会議員と加計学園の事務局長がたまたまお友達という関係でつながった話ででき上がりましたから、飛びつきました。

と述べた上、愛媛県、今治市と加計学園の関係について以下のように述べている。

平成十七年の一月から話がスタートして、二年後に獣医学部をやってみましょうという話になってまいりましたので、それ以来は正直申し上げて加計一筋でありますけれども、その間、ほかのところにも当たりましたが、(中略)その後、獣医学部ということでいろいろなところへ当たってみましたけれども、反応はありません

(中略)好き嫌いは別として、話に乗っていただいたのが加計学園でありますから、私どもにとって、今、正直な言葉を申し上げたら、言葉がいいかどうかわかりませんけれども、愛媛県にとって、今治市にとって、黒い猫でも白い猫でも、獣医学部をつくっていただく猫が一番いい猫でありまして、

要するに、加戸氏によれば、獣医学部の新設は、愛媛県の公務員獣医師不足の解消や今治を国際的な拠点都市にする構想などから、愛媛県・今治市側が主導して、獣医学部誘致に積極的に取り組んできたもので、それに応じてくれた大学が加計学園しかなかったから「加計一筋」だったということである。

今回、加計学園がファックス文書で認めているように、当時「獣医学部設置の動きが一時停滞していた時期であり、何らかの打開策を探していた」という事情から、加計学園側が、国家戦略特区に切り替えて活路を見出そうとして、加計理事長と安倍首相との面談の事実をでっち上げて、愛媛県・今治市側を騙していたのだとすると、加計学園は、そのような背信的なやり方まで用いて、なりふり構わず獣医学部新設を実現しようとしていたということになり、「加戸ストーリー」は根底から崩れることになる。

「安倍ストーリー」「加計ストーリー」の崩壊

崩壊するのは「加戸ストーリー」だけではない。

加計学園がファックス文書で公表したことが事実だとすると、今後、愛媛県や今治市が、加計学園獣医学部に交付する予定の補助金に影響を生じることは必至だ。補助金は、住民の血税によって賄われているのであり、国家戦略特区申請・補助金交付に関して、加計学園が説明してきた重要な前提事実が嘘だったとすれば、そのような嘘をつくような学校法人に対して補助金を出し続けてよいのかどうかが問題になる。

いずれにせよ、そのような重大な背信行為を、加計学園側の誰がどのような理由で行ったのか、加計学園側が納得できる説明を行わなければ、住民の理解が得られるはずがない。

また、愛媛県文書によれば、加計学園側で中心となって動いていたのは、「渡邊事務局長」であり、学園事務局のトップであり、法人のトップである加計理事長から直接指示を受けて動く立場だ。そのような人物が、加計理事長と安倍首相との面談の事実をでっち上げて、愛媛県・今治市側を騙していたのだとすれば、それを加計理事長が知らないことはあり得ない。

安倍首相は、国会で、加計孝太郎氏について「彼が私に対して私の地位や立場を利用して何かを成し遂げようとしたことはただの一度もない。獣医学部新設について働きかけや依頼は全くなかった。」と繰り返し答弁してきた。今回、安倍首相との面談をネタにして愛媛県・今治市を騙すという工作に加計孝太郎氏が関わっていたとすると、そのような「安倍首相のストーリー」も根底から崩れることになる。

しかも、自治体に対する重大な背信行為を行ったのが、私学助成という公費を支給されている学校法人だというのも、極めて深刻である。そのような学校法人に多額の学費を支払っている学生もその親も、学園が健全な教育活動を行っていると信頼して良いのかどうか疑問を感じるだろう。ところが、加計学園は、国家戦略特区によって、一校だけ獣医学部の新設が認められ、様々な問題を指摘されながらも文科省の認可を取得し、今年の春に開学した。それが、加計学園に「既に開学し学生を受け入れている以上、今更潰せない。」という「加計ストーリー」の主張を行うことを可能にした。

しかし、県・市に対する今回のような重大な背信行為を自ら明らかにし、しかも、補助金を交付している愛媛県・今治市に対しても非礼極まりない対応を行っている加計学園は、今後、県・市の住民からも強い不信感をもたれることになりかねない。それは、「開学したもの勝ち」という「加計ストーリー」すら危うくしかねない。

5月28日の国会での集中審議の中で、安倍首相は、福山哲郎参議院議員の質問に対して、「委員が作ったストーリー」と答弁して、審議が紛糾した。

しかし、今回の、加計学園の愛媛県・今治市を騙していたことを認めるファックス文書と「ストーリー」の関係について言えば、むしろ、「加戸ストーリー」「安倍ストーリー」「加計ストーリー」という、安倍政権側のストーリーが崩壊する危険を考えるべきであろう。

(2018年5月29日「郷原信郎が斬る」より転載)

パリの「スパイダーマン」が救助した少年の父、ポケモンGOで帰宅が遅れていた

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フランス・パリ北部で、マンション5階のベランダから転落しそうになっていた4歳の男の子を、22歳の移民男性がまるでスパイダーマンのように素早く壁をよじ登って救出した。パリ検察によると、男の子の父親はスマートフォン向けゲーム「ポケモンGO」をしていて帰宅が遅くなったという。CNNなどが報じた。

「事件」が起きたのは、5月26日午後8時ごろ。マンション5階のバルコニーの手すりに、男の子が両手で必死にしがみついていた。

いつ落下してもおかしくない状況で、事態が緊迫する中、西アフリカ・マリ出身のマムドゥ・ガサマさんがさっそうと現れた。ガサマさんは地上から瞬く間に壁をよじ登り、あっという間に5階まで到達。男の子を救出することに成功した。

男の子の母親はフランス領レユニオン島に住んでおり、父親がパリで男の子の面倒を見ていたという。当時、マンションに父親は不在だった。検察によると、父親は買い物に出かけており、戻る途中に「ポケモンGO」をプレイしたために帰宅が遅くなったという。

BBCによると、父親は子どもを監督せず放置したとして、2年以下の禁錮や3万ユーロ(約370万円)以下の罰金を科せられる可能性がある。

男の子を助けたガサマさんは28日、エマニュエル・マクロン大統領と面会。ガサマさんは認められた期間を過ぎて不法に滞在していたが、勇敢な行動が称えられ、特別に滞在許可を与えられるという。消防士の仕事も約束された。

マクロン大統領(左)とガサマさん(右)

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